5月16日の海外株式・債券・為替・商品市場

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欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次 の通り。

◎NY外為:レアルなど商品輸出国の通貨が上昇、原油相場の急伸で

16日のニューヨーク外国為替市場では商品輸出国通貨が上昇。ニュ ーヨーク原油先物市場でウェスト・テキサス・インターミディエート (WTI)先物が急伸し、6カ月ぶり高値に達したのが背景にある。

ブラジル・レアルやノルウェー・クローネ、カナダ・ドルはいずれ も対ドルで大きく上昇。ゴールドマン・サックス・グループが世界の原 油市場は予想より早く供給不足に転じたと述べたことが手掛かりとな り、商品相場が上昇した。

原油相場は過去6週間のうち5週間で値上がりした。原油生産の縮 小が世界的な供給過剰を緩和する兆候が表れた。さらにトレーダーが米 国の利上げ見通しを後退させ、米国以外に利回りを求めたことも産油国 通貨を押し上げた。

ケンブリッジ・グローバル・ペイメンツ(トロント)の為替調査・ 戦略担当ディレクター、カール・シャモッタ氏は「需給バランスのタイ ト化が市場で注目されている」と述べ、それが産油国の通貨を押し上げ ていると指摘した。

レアルは対ドルで0.9%上昇。クローネは0.4%高、カナダ・ドル は0.4%上昇した。ブルームバーグ・コモディティ指数は0.8%上昇し た。ドルは対円で0.4%高い1ドル=109円03銭となっている。

ヘッジファンドなど大口投機家が建てるポジションによれは、先週 はカナダ・ドルに対して2013年2月以来で最も強気となった。ただ市場 予想ではカナダ・ドルは対米ドルで年末までに2%安が見込まれてい る。

TDセキュリティーズのシニアグローバルストラテジスト、ジェー ムズ・ロシター氏は「原油が鍵を握る。WTI原油は2%近く上昇し た。これが商品通貨を押し上げる一助となっている」と述べた。

原題:Commodity-Exporter Currencies Advance as Crude Oil Prices Surge(抜粋)

◎米国株:反発、原油高受けエネルギー株に買い-アップルも高い

16日の米株式市場では原油高を受けてエネルギー株が上げたほか、 バークシャー・ハサウェイによる保有株開示に反応してアップルが急 伸。こうした状況を背景に幅広く買いが入った。S&P500種株価指数 は先週まで、週間ベースでは1月以降で最長の連続安となっていた。

先週の米国株相場は1日の上げが2カ月で最大となった翌日から3 日続落するなど、動きの激しい週となったが、この日の相場もそうした 流れが続く形となった。この日は原油相場が3%超の上げとなったこと を手掛かりに資源株が大きく上昇。またアップルは3月1日以来で最大 の上げとなった。アナコール・ファーマシューティカルズは57%高と上 場来最大の上げ。ファイザーによる買収で合意したことが好感された。

S&P500種株価指数は前週末比1%高の2066.66。50日移動平均を 上回った。ダウ工業株30種平均は175.39ドル(1%)上げて17710.71ド ル。

パイオニア・インベストメンツの米株式調査責任者クレイグ・スタ ーリング氏は、「先週は小売り株が大きく売られたが、小売売上高では 力強い内容が示されるなど非常に混乱した1週間だった。現在はやや反 発の動きが見られる」と分析。「決算シーズンはほぼ終了し、市場は下 期がどうなるか先行きを見極めようとしている。原油など資源に買いが 入っているようで、経済では製造業の改善が期待できる」と続けた。

シカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティ指数 (VIX)は2.4%低下の14.68。13日には1週間ぶり高水準となってい た。

S&P500種は13日、1カ月ぶり安値に下落。個人消費の堅調さを 示すデータが発表されたものの、小売り大手の決算がさえず売りが膨ら んだ。

S&P500種は2月の安値から4月20日に付けた4カ月ぶり高値ま で15%上げたが、その後は強弱まちまちの企業決算や景気回復の兆候が 明確に示されない状況から、なかなか勢いを取り戻せていない。そうし た中、強気相場における株価支援で重要な役割を果たす自社株買いが減 少している。ビリニー・アソシエーツとブルームバーグがまとめたデー タによれば、過去4カ月に発表された自社株買いの規模は38%減の2440 億ドルで、減少率は2009年以降で最大となった。

この日はファイザーによるアナコール買収合意のほかにも、M&A (企業の合併・買収)に関連し一部銘柄が上げた。米テレックスは主要 部門の一つをフィンランドのコネクレーンズに売却することで合意。こ れを受けてテレックス株は10%上昇した。またヤフーは2.7%高。バー クシャー・ハサウェイを率いる資産家ウォーレン・バフェット氏が、ヤ フーのインターネット資産買収の入札に参加しているグループの一つを 支援していると、事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。トリビュ ーン・パブリッシングは23%高と急伸。ガネットが買収提示額を引き上 げた。

先週はメーシーズやノードストロームなどの決算が期待外れな内容 となり、小売り株が大きく売られたが、小売り関連は引き続き注目の対 象となっている。今後数日間にホーム・デポやターゲット、ステープル ズ、ウォルマート・ストアーズの決算発表が予定されている。

市場では経済指標にも注目が集まっている。今週は住宅着工件数や 消費者物価指数(CPI)、鉱工業生産、中古住宅販売といった指標が 発表される。また連邦公開市場委員会(FOMC)4月会合の議事録 が18日に公表される。この日朝方発表された5月のニューヨーク連銀製 造業景況指数は市場予想に反して活動の縮小が示された。一方で住宅市 場指数は前月と変わらずだった。

S&P500種の業種別10指数は全て上昇。エネルギーや素材株の指 数が特に上げた。情報技術やヘルスケアも高い。

原題:U.S. Stocks Jump as Oil Rally Boosts Energy Shares, Apple Surges(抜粋)

◎米国債:下落、JPモルガンも10年債利回り予想を引き下げ

16日の米国債相場は下落。ウォール街ではこのところ米国債利回り 予想の下方修正が相次いでおり、アレックス・ローバー氏率いるJPモ ルガン・チェースのアナリストも年末の10年債利回り予想を1.9%と、 従来の2.15%から引き下げた。

JPモルガンのアナリストは投資家の米経済成長率見通しが前年よ りも低下しているため、米国債利回りは世界的な金融緩和に一段と敏感 で、投資家は米国の利上げを予想して、大きなリスクを取りたがらない と説明した。

それでもJPモルガンの予想は現在の水準を10bp余り上回ってお り、10年債のリターンが約0.2%のマイナスになることを示唆してい る。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間 午後5時現在、10年債利回りは前営業日比5ベーシスポイント(bp、 1bp=0.01%)上昇の1.76%と、4月20日以来の大幅な上げ。BMO キャピタル・マーケッツのアナリストの16日付リポートによれば、原油 高が主な要因。

ウォール街では全般にストラテジストが2016年の国債利回り予想を 引き下げている。世界の経済成長見通しが低下し、欧州やアジアの中銀 が追加緩和を導入していることが背景にある。ブルームバーグがまとめ たストラテジスト66人の第2四半期の10年債利回り見通しは中央値 で1.9%と、昨年末時点の2.55%から低下。年末予想は2.2%と、昨年末 の2.78%から低下している。

JPモルガンは利回りの年末予想を引き下げたものの、短期的には 米国債相場は下落すると予想。顧客には5年債下落を予想した持ち高を 取るよう勧めた。5年債利回りはこの日、6bp上昇の1.26%。

利回り予想の引き下げはJPモルガンの米金融政策予想とは関係が ない。同行のエコノミストはなお年内2回の利上げを予想している。

ローバー氏ら同行のストラテジストは予想について、グリーンスパ ン連邦準備制度理事会(FRB)議長が在任中に経験した長期金利低下 の「謎」と比較。「フェデラルファンド(FF)金利の上昇を予想しな がら、長期債利回り予測がなお低いのは矛盾しているのか。恐らくそう だろうが、前例はある」とし、イエレン議長も「謎に直面している。他 の先進国の状況を考えれば現在の方が問題が深刻だ。ただ、問題は解決 不可能というわけではない」と指摘した。

ブルームバーグがまとめたオーバーナイト・インデックス・スワッ プ(OIS)データによると、年末までの利上げ確率は約57%。前週末 の47%から上昇した。

ゴールドマン・サックスは前週、年末の10年債利回り予想を2.4% と、従来の2.75%から引き下げた。シティグループの米金利ストラテジ スト、ジャバズ・マタイ氏は6日付の顧客向けリポートで、10年債利回 りは1.5%に低下する可能性があるとの見方を示した。

原題:JPMorgan Joins Chorus of Banks Cutting Treasury Yield Forecasts(抜粋)

◎NY金:小幅続伸、ETF通じた保有量は14日連続で増加

16日のニューヨーク金先物相場は続伸。金連動型上場投資信託 (ETF)を通じた金保有量は14営業日連続で増加し、約2年ぶりの高 水準となった。ニューヨーク連銀製造業景況指数が予想外のマイナスだ ったことも逃避先としての買いにつながった。

RBCウェルス・マネジメントのマネジングディレクター、ジョー ジ・ジロ氏(ニューヨーク在勤)は電話インタビューで、「ETFには あらゆる方面からの資金流入が続いている」と指摘。「こうした不透明 な局面をやり過ごすための逃避先が求められている」と述べた。

ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物6月限は前週末 比0.1%高の1オンス=1274.20ドルで終了。2営業日続伸は2週間ぶ り。

銀先物7月限は0.1%上昇。ニューヨーク商業取引所 (NYMEX)のプラチナも0.1%値上がりした。

原題:Gold Advances as Investors Extend Fund-Buying Spree to 14 Days(抜粋)

◎NY原油:反発、6カ月ぶり高値-ゴールドマンが供給不足指摘

16日のニューヨーク原油先物市場ではウェスト・テキサス・インタ ーミディエート(WTI)先物が大幅反発し、6カ月ぶり高値に達し た。ゴールドマン・サックス・グループがナイジェリアでの生産障害や 需要の拡大により、予想していたよりも早期に需給バランスが供給不足 に転じたと指摘した。

ソシエテ・ジェネラルの石油市場調査責任者、マイケル・ウィトナ ー氏(ニューヨーク在勤)は電話取材に対し、「生産障害は多数発生し ており、その結果として原油生産は落ちている」と指摘。「今のところ ナイジェリアの生産障害が大きいが、ほかにもリビアやベネズエラなど 各地で起きている」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物6月限は前営 業日比1.51ドル(3.27%)高い1バレル=47.72ドルで終了。終値ベー スで昨年11月3日以来の高値。今年の安値からは80%以上戻している。 ロンドンICEのブレント7月限は1.14ドル(2.4%)上昇の48.97ド ル。

原題:Oil Rises to Six-Month High as Goldman Sees Demand Above Output(抜粋)

◎欧州株:変わらず、下げ解消の展開-原油・商品高で資源銘柄が上昇

16日の欧州株式相場はほぼ変わらずとなった。中国人民銀行(中央 銀行)が引き続き景気を下支えする方針をあらためて表明したことを受 け、鉱業株と石油・ガス銘柄が上昇し、指数のストックス欧州600指数 は一時の下げを解消した。

ストックス600指数は前週末比0.1%未満高の334.73で引けた。一時 は0.7%下げた。ドイツやスイスなどが祝日のため休場だったことか ら、この日の出来高は30日平均を約45%下回った。

CMCマーケッツ(ロンドン)の市場アナリスト、ジャスパー・ロ ーラー氏は、「資源銘柄と石油株は2月の安値以来、他業種に比べ堅調 だ」と述べた上で、「上昇相場が続くにはこれらの銘柄が好パフォーマ ンスを維持する必要がある」と語った。

個別銘柄では、アングロ・アメリカンが5.4%、タローオイルが 5%それぞれ値上がりした。一方、フランスの通信衛星運営会社ユーテ ルサット・コミュニケーションズは6.8%安と大幅続落。13日も28%安 の急落に見舞われていた。

原題:Europe Stocks End Little Changed as Miners Rise Amid Low Volume(抜粋)

◎欧州債:周辺国債、Brexitリスク過小評価-スプレッド急拡大も

16日の欧州債市場ではイタリアなどの周辺国債が下落した。周辺国 債は英国の欧州連合(EU)離脱(「Brexit」)が現実となった 際に最も影響を受けそうな資産クラスの1つであるにもかかわらず、こ うしたリスクが無視されていると指摘する声があった。

ロンドン時間午後4時4分現在、イタリア10年物利回りは前週末比 2ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の1.49%。同国債 (表面利率2%、2025年12月償還)価格は0.145下げ104.575。欧州債の 指標とされるドイツ10年債利回りも2bp上昇し0.14%。

イタリア10年債のドイツ国債に対する利回り上乗せ幅(スプレッ ド)はこの日、134bpとなった。アリアンツ・グローバル・インベス ターズの運用担当者、マイク・リデル氏(ロンドン在勤)は、周辺国債 がBrexitリスクを過小評価しているとの見方を示す。英国がEU に残留した場合にスプレッドは115bpまで縮小する可能性があるもの の、EU離脱なら際限なく拡大する恐れがあるとし、こうしたリスクの 下ではイタリア国債の下落を見込むトレードが自明だと付け加えた。

さらに「EU2位の経済大国である英国が離脱を決めたら、欧州の 将来像には良いシグナルとならない」とし、「ユーロ圏を結束させてい るのが政治的な意思だと考えれば、周辺国債が圧迫されそうな理由もわ かるだろう。こうしたリスクを補うのに十分な利回りが提供されている とは思えない」とも述べた。

イタリアとスペイン、ポルトガルなどの周辺国の国債は既に、それ ぞれの国の支払い能力という困難に直面している。イタリアは銀行危機 の解決からまだ程遠く、スペインは6カ月で2回目の総選挙に向かって いる。

原題:Europe’s Periphery Deaf to Brexit Warnings, AGI’s Riddell Says(抜粋)

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