米国株の強気相場、最大の味方失う-自社株買いは09年以来の大幅減少

  • 発表された自社株買いは前年同期比で38%減の2440億ドル
  • マクロ経済の不確実性が自社株買い減少要因、企業の減配件数は増加

米企業は収益不振の中でベルトを引き締めるべき新たな分野に注目しているが、これを株主は好感しないだろう。

  米企業がこの5年間に多額の資金を投じた自社株買いは、株式市場のほかの買い手を圧倒する規模だったが、ここにきてアップルやIBMなどがブレーキをかけている。ビリニー・アソシエーツとブルームバーグの集計データによると、今年1-4月期に発表された自社株買いは前年同期比で38%減少し2440億ドル(約26兆5800億円)と、2009年以降で最大の落ち込みとなった。

  金融危機後で最も大幅な減益の中での自社株買いの落ち込みは、米企業が欧州や中国、米国で広がる経済や政治の不確実性を受けて手元現金を温存しているシグナルだろう。個人やマネーマネジャーが市場から去り、バリュエーションが14年ぶりの水準付近に高止まりする中で、史上2番目の長期にわたる強気相場を浮揚させてきた最大の要因が失われる恐れがある。

  コモンウェルス・ファイナンシャル・ネットワークのブラッド・マクミラン最高投資責任者(CIO)は、「市場で唯一の意味ある需要の源が企業の自社株買いである場合、それがなくなればどうなるのか。心配すべきだろう」と語った。

  企業が削減しているのは自社株買いだけではない。4四半期連続の減益を受け、減配する企業数は7年ぶりの高水準に達した。企業が利益を上回る株主還元を行ったことに政治家の批判が集まっており、大統領選で民主党から候補指名獲得を目指すクリントン前国務長官は昨年7月、企業が株価に集中すると投資が減り、経済に悪影響が及ぶと指摘した。

  今年1-3月(第1四半期)の米国の設備投資は5.9%減と、09年以来最大の落ち込みだった。

原題:Bull Market Losing Biggest Ally as Buybacks Fall Most Since 2009(抜粋)

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