G7サミットで振り返る波乱の道のり-どう変わった日本経済と世界

  • 8年ぶりに日本で開催-20日から仙台で財務相・中央銀行総裁会議
  • 忍び寄るデフレ逆戻りへの不安、原油価格の大幅下落が引き金

日本が8年ぶりに議長を務める主要7カ国(G7)首脳会議(サミット)が今月末に開催される。前回の2008年は米国のサブプライムローン問題が世界に不安を広げ、食糧や原油価格の上昇によるインフレリスクが懸念される中での開催だった。

  その後世界は大きく変わった。G7各国の多くは今、デフレ対策に取り組んでいる。経済規模世界2位の立場を中国に譲った日本は3年前、デフレ脱却と経済活性化を目指して野心的な経済政策の導入に踏み切った。

  日本のその努力が成功したという評価が定まっているとはまだ到底言えない。11年3月には東日本大震災で津波や東京電力福島第1原子力発電所のメルトダウンに見舞われた。08年以降、日本の首相は福田康夫、麻生太郎、鳩山由紀夫、菅直人、野田佳彦の各氏が順に務め、12年12月に就任した安倍晋三首相で6人目だ。

  前回、日本で開催された際にはロシアも含め8カ国がそろったが、ウクライナ危機を理由に14年からロシアは除外されている。20、21日の両日には仙台市内で財務相・中央銀行総裁会議が開かれ、来週には伊勢志摩で首脳会合が開かれる。  

  チャートで示すように、日本経済はこの8年間停滞を続けている。これに対しG7メンバーではない中国の経済規模が約2倍に拡大した。今の安倍政権発足時からはやや変化が起き、15年末までに国内総生産(GDP)は2.7%拡大した。ただその道はジグザグで、12四半期のうち5四半期でGDPは縮小している。

  生鮮食品を除く消費者物価の上昇率(コアCPI)は14年に一時3.4%上昇した。これは主に消費税率引き上げによるもので、その後は原油価格の急落もあり、日本銀行の異次元緩和にもかかわらず、コアCPIは再びマイナスに落ち込んでいる。欧州も同様の問題に直面しており、物価上昇に向けた政策に取り組んでいる。

  日本株は08年初めよりなお約1割低い水準だ。日銀の異次元緩和に伴って株価が大幅に上昇する局面もあったが、昨年末から下落基調が強まった。トヨタ自動車の販売台数は世界一だが、多くの日本企業は08年に比べると国際競争の中で立場が後退している。ブルームバーグの集計によると世界の市場価値の高い上位100社のうち日本企業は4社にとどまった。米国企業が半分以上を占め、中国企業が11社と上回った。

  アベノミクスで円安に振れた為替相場も、今年は円高方向に逆戻りしている。日本の通貨当局者は、為替市場で行き過ぎた動きがあれば介入の用意があると主張しているが、G7各国からの反応は冷ややかになる可能性が高い。日本は11年以来、為替市場に介入していないが、米財務省は外国為替報告書で日本を「監視リスト」に入れ、財政政策や構造改革など、成長のてこ入れに向けあらゆる政策手段を講じていくことがますます重要だとしている。