日本株反発、好決算の住友電工や資生堂急伸-政策期待も、上値限定的

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16日の東京株式相場は反発。今期の営業増益計画と自社株買いが好感された住友電気工業、上期営業利益計画を上方修正した資生堂など決算評価銘柄が急伸。業種別では非鉄金属や鉄鋼、化学株など素材セクター、機械や電機など輸出株が高い。消費税増税の先送り観測など、根強い政策期待も支援材料となった。半面、東証1部の売買代金は2兆円割れと低調、株価指数の上げ幅も限られた。

  TOPIXの終値は前週末比1.46ポイント(0.1%)高の1321.65、日経平均株価は54円19銭(0.3%)高の1万6466円40銭。

  ニッセイ基礎研究所の井出真吾チーフ株式ストラテジストは、「財政、金融政策への期待感はある」とした半面、「内容が出てくるまで、投資家はまだ自信を持ち切れない。短期筋がいつ円買い・株売りに振れるかも分からず、買いのポジションを一方向に傾けにくい」と話した。

  週明けの日本株は、前週末の米国株安や為替動向、中国経済統計の低調などを材料に小安く始まったが、早々にプラス転換し、一時日経平均は220円高まで上げ幅を広げた。相場押し上げの一因となったのが政策期待だ。安倍晋三首相は2017年4月に予定する消費税率10%への引き上げを再び延期する方針を固めた、と14日付の日本経済新聞朝刊が報道。20ー21日には主要7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議も開かれる。

  大和証券の三宅一弘チーフストラテジストは、増税延期の可能性は高く、大幅延期なら日本株にかなりポジティブとの見方を示す。一方、菅義偉官房長官は16日午前、「そのような事実なく、全く無根」と報道内容を否定した。

  きょうのドル・円相場はおおむね1ドル=108円60ー90銭台で推移。13日のニューヨーク市場では、4月の小売売上高や5月の消費者マインド指数の伸びで年内の米国利上げ観測が再燃、一時1ドル=109円56銭までドル高・円安に振れた後、きょう早朝は108円40銭台まで円が強含んだが、その後は再度円が軟調気味だった。

  ただ、午後後半以降は先物主導で失速、上値は重かった。三菱UFJモルガン・スタンレー証券の藤戸則弘投資情報部長は、「非常に薄商いの中、政策対応への期待で買い上げられたが、一部投資家の仕掛けで左右される」とし、日経平均で「1万6600円以上になると、上値を積極的に買う投資家は少なく、利益確定売りが出てくる」」とみていた。

  東証1部売買高は19億5208万株、売買代金は1兆9332億円と前週末に比べ24%減り、1週間ぶりの2兆円割れ。上昇銘柄数は742、下落は1099。東証1部33業種は非鉄、機械、鉄鋼、電機、化学、その他製品、保険、建設、証券・商品先物取引、卸売など17業種が上昇。ゴム製品や石油・石炭製品、空運、電気・ガス、医薬品、その他金融、小売など16業種は下落。

  前週末に3月期決算企業の決算発表社数がピークだったことを受け、業績内容に応じた選別投資の動きが鮮明。売買代金上位では、17年3月期は12%の営業増益計画、200億円を上限にした自社株買いを行う住友電工が急伸。国内や中国化粧品の伸びを背景に1ー6月期(上期)営業利益計画を増額した資生堂も買われ、今6月期利益計画を上方修正したアルバックも高い。

  半面、16年12月期利益計画を下方修正し、SMBC日興証券が投資判断を下げた東洋ゴム工業は急落。第1四半期営業減益のケネディクス、13日午後の決算を受けアナリストからネガティブの声が上がった横浜ゴム、カルビーも安い。

  三菱UFJモルガン・スタンレー証券の13日時点のまとめでは、東証1部上場企業(除く金融)の17年3月期の経常利益見通しは前期比0.1%減。製造業は2.4%減ながら、非製造業は3.2%増となっている。また、シティグループ証券の飯塚尚己チーフストラテジストは、15年度の東証上場企業の総株主還元は17.8兆円程度になったとみられ、3年間でほぼ倍増したとリポートで指摘。グローバル投資家が日本株を再評価するカタリストの一つとなる、としていた。