【債券週間展望】長期金利上昇か、入札警戒で売り圧力-GDP注目も

  • 景気対策など不透明で今の金利水準を積極的に買う人いない-岡三証
  • 20年債入札は事前にどこまで調整するかが鍵-BNPパリバ証

来週の債券市場で長期金利は上昇すると予想されている。今週実施された30年債入札結果が低調となり、来週の20年債入札、再来週の40年債に対する警戒感から超長期ゾーンを中心に売り圧力が掛かりやすいとの見方が背景にある。

  長期金利の指標となる新発10年物国債利回りは今週、一時マイナス0.095%と4月28日以来の高水準を付けた。その後はマイナス0.11%付近でのもみ合いとなり、13日はマイナス0.115%で推移した。

  12日の30年債入札では最低落札価格が市場予想を20銭下回った。今月は19日に20年債、26日に40年債の入札が予定されている。一方、日本銀行が4月末に発表した当面の長期国債買い入れの運営によると、10年超の国債買い入れオペは月5回程度。今月は3回実施されており、2回残すのみとなっている。

  BNPパリバ証券の藤木智久チーフ債券ストラテジストは、「超長期債主導で4月に強い地合いが続いたが、5月は相場が変わって上値が重くなる。20年債、40年債の入札を控えて、日銀の長期国債買い入れオペの25年超ゾーンに注目している。20年債入札は、事前にどこまで調整するかが鍵となる」と話した。

  来週17日には5年債入札が予定されている。表面利率は0.1%に据え置かれる見込み。発行予定額は前回と同額の2兆4000億円程度となる。

GDP統計

  国内経済指標では、18日に1-3月期の国内総生産(GDP、速報値)が発表される。ブルームバーグが集計した事前予想の中央値は、実質で前期比年率0.3%増と2四半期ぶりプラス成長となる見通し。10-12月期は同1.1%減だった。

  政府は13日、熊本地震の復旧や被災者支援のため、総額7780億円の2016年度補正予算案を閣議決定し、国会に提出した。26、27日には主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)が開かれる。

  パインブリッジ・インベストメンツ債券運用部の松川忠部長は、GDP統計について、「悪ければサミット前に財政面の景気対策が出てくるとの思惑につながるので債券のプラス材料にはなりにくいのではないか。GDPが強めでも追加緩和期待の後退につながる」と話した。

市場関係者の見方
*T
◎岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジスト
* 財政面からの景気対策など不透明な部分が強く、今の利回り水準を積極的に買う人はいない
*1月緩和以降、利回りが急低下し、20年債の0.2%台、30年債の0.3%台に対する警戒感
* 長期金利の予想レンジはマイナス0.14%~マイナス0.07%

◎BNPパリバ証券の藤木智久チーフ債券ストラテジスト
* テーマは超長期債
* 緩和観測で金利が低下した場合、マイナス金利を嫌って超長期を買う動きとなり、支えになる
* 長期金利の予想レンジはマイナス0.13%~マイナス0.05%

◎パインブリッジ・インベストメンツ債券運用部の松川忠部長
* 超長期債の入札が続き、需給の良さを反映した形のフラットニングは終わりつつある
* 超長期債は弱気になる必要もない、一休みする感じではないか
* 長期金利の予想レンジはマイナス0.15%~マイナス0.08%
*T

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