メリルの行く末を案じ続けた元CEO、ダニエル・タリー氏死去-84歳

  • 1991-96年にCEOを務め、株価はその間に3倍に
  • 97年に会長職を最後に退社-在籍年数は42年

メリルリンチ会長兼最高経営責任者(CEO)を務めたダニエル・タリー氏が死去した。84歳だった。退任後もメリルの経営を案じ、同社が2008年の住宅ローン危機を乗り切ろうとする中で、時に当時の経営陣を厳しく批判し、時に支えた。

  娘のアイリーン・セグラースキさんによると、同氏はコネティカット州ダリエンで10日に亡くなった。アイリーンさんの元を訪れていたという。自宅はフロリダ州ホーブサウンドにある。

  タリー氏は1991年5月から96年12月までCEOを務めた。メリルの株価は任期中に3倍になり、93年には運用資産が初めて5000億ドル(現在の為替レートで約54兆4000億円)を超えた。その年の同氏の給料と賞与は計960万ドルに上った。97年に会長職を最後にメリルを退社。同社での在籍年数は42年だった。

  2007年7-9月(第3四半期)、当時のスタンレー・オニールCEOの下でメリルは四半期ベースで同社史上最大の22億4000万ドルの純損失を計上した。融資や住宅ローン担保証券の評価損84億ドルが響いた。

  タリー氏は当時のインタビューで「数多くの現・元社員から話を聞いた。皆うんざりしている。私もそうだ」と述べ、経営陣が取った過剰リスクを嘆いた。

  その後、オニール氏の後任であるジョン・セインCEO(当時)が住宅ローン関連証券310億ドル相当を額面1ドル当たり22セントで処分したことを称賛。08年8月に「組織が基本に立ち返る。再び大いに収益力ある体質に戻ることができるだろう」と述べた。

  その1カ月後にバンク・オブ・アメリカ(BofA)はメリルリンチ買収を発表。メリルはBofAのウェルスマネジメント部門となった。

  1932年1月2日生まれ。ニューヨーク市クイーンズ区ジャクソンハイツの労働者家庭で育った。セント・ジョーンズ大学を卒業後、いったん米陸軍に入り、55年にメリルリンチの前身の企業でキャリアをスタートさせた。

原題:Daniel Tully, Merrill Ex-CEO Torn by Firm’s Fate, Dies at 84 (3)(抜粋)