今期みずほ11%減益、マイナス金利影響広がる、三井住友は増益に(訂正)

訂正済み
  • みずほ資金利益など400億円、三井住友は税前益で200億円圧迫
  • 前期の純利益水準、9年ぶりにみずほが三井住友Fを上回る

みずほフィナンシャルグループは今期 (2017年3月期)の連結純利益を6000億円と見込んでいる。前期(16年3月)の純利益実績に比べると11%の減益となる。今期は日本銀行によるマイナス金利政策の導入に伴う資金利益減少など影響が年間でフルに反映される。

  東証と日銀記者クラブで13日開示した。今期の純利益予想はブルームバーグがまとめたアナリスト9人の予想平均値5750億円を上回る。大手銀行などが日銀に預ける当座預金の一部に2月中旬からマイナス金利が初めて適用された。前期の結果が予想外に落ち込んだ三井住友フィナンシャルグループは増益を見込む。

  みずほFGの佐藤康博社長は会見でマイナス金利について、直接的な影響は400億円程度に上るとの見通しを示した。その上で「マイナス金利だからと言って設備投資がどんどん増えていく雰囲気ではない」とし、企業経営者らがこの政策を理解にするには「まだ半年程かかり」、資金需要の増加には時間を要するとみている。

  みずほの今期計画では、本業の儲けを示す連結業務純益が前期比1028億円減の7500億円。与信関係費用は同495億円増えて800億円の負担になると見込んでいる。一方で政策保有株式の削減に伴う株式関係損益は同556億円減の1500億円としている。

  前期純利益は同9.6%増の6709億円だった。金利低下で資金利益などは低迷したが、株式関係損益が下支えした。貸出利息など資金利益が11%減の1兆37億円、金融商品販売手数料など役務取引等利益が2.4%増の6076億円、国債売買益を含むその他業務利益が18%増の2464億円だった。株式損益は56%増え2057億円だった。

  みずほFGは同日、新たな中期経営計画(3カ年)を発表した。19年3月期の普通株式等Tier1(CET1)比率で10%程度、連結株主資本利益率(ROE)で8%程度を目標とした。

三井住友F、前期9年ぶりにみずほ下回る

  三井住友フィナンシャルグループも同日夕、決算を発表した。今期の連結純利益予想は7000億円だった。前期(16 年3月)実績比では8.2%の増益となる。前期にあった海外での減損や消費者金融関連の引き当てなどの反動から増益となる。

  三井住友FGの今期予想は、ブルームバーグがまとめたアナリスト9人の予想平均値6980億円とほぼ同水準となった。宮田孝一社長は決算会見でマイナス金利の影響について、貸し出し利ざやの縮小などにより、三井住友銀行の税引き前利益ベースで200億円に上ると述べた。

  前期純利益は前期比14%減の6467億円だった。資金利益が前期比5.5%減の1兆4229億円となったほか、与信関係費用が950億円増えて1028億円となった。消費者金融部門で過払い利息返還関連の費用が1410億円に膨らんだことも響いた。証券子会社も低迷した。みずほの純利益が三井住友を上回ったのは07年3月期以来。

  宮田社長は、前期に計上したインドネシアの投資先銀行ののれんの減損処理は一過性との見方を示すとともに、過払い金は今の時点で想定されるものは全部引き当てたと指摘した。今期については「7000億円をどうクリアしていくか真剣に取り組んでいく」と述べ、「収益が回復したと示す」ことに意欲を見せた。

  S&Pグローバル・レーティングの吉澤亮二主席アナリストは前期に三井住友Fを逆転したみずほについて「収益性が改善してきている中、株式売却益が大きく貢献した」と分析。今期の大手行は「マイナス金利がどのくらい影響してくるかはまだ見通せない状況にある」とし、第2四半期まで様子をみる必要があると指摘した。