イランの原油増産加速、OPECへの姿勢変更にはつながらない可能性

  • イランの原油生産、2011年以来の高水準に増加:IEA
  • 原油価格上昇で増産凍結の必要性が低下:エナジー・アスペクツ

イランは原油生産を2011年末以来の高水準に増やすことに成功したが、他の石油輸出国機構(OPEC)加盟国による価格押し上げに向けた増産凍結に加わる動機付けにはなっていない。原油価格が上昇しているため、直ちに行動を取る必要はないと、アナリストらはみている。

  国際エネルギー機関(IEA)のデータによれば、イランの原油輸出は4月に日量60万バレル増えたものの、ナイジェリアやリビア、ベネズエラで供給に支障が出たことから原油価格は昨年11月以来の高値近辺となっている。このため、OPECが6月2日に開く次期総会で増産凍結について合意する「緊急性」は低下したと、エナジー・アスペクツのアナリスト、リチャード・マリンソン氏は指摘する。

  ブルームバーグが集計したデータによると、イランは今年、既に生産量を新たに70万バレル増やしている。業界コンサルタント会社FGEのアナリスト、タッシャー・タルン・バンサル氏(シンガポール在勤)は、イランは今年、ウェストカルーン地域の油田で日量最大30万バレルの生産能力実現を目指しているが、生産の伸びは鈍化する可能性があると述べた。

  同氏は12日の電話インタビューで、「需給は既に均衡しつつあるため、産油国は増産を凍結する必要はない」と説明。「イランは交渉の場にやって来て『増産凍結の用意があるが、OPECの産油量は過去最高水準に近いため、増産凍結は市場にとって意味がないだろう』と主張するかもしれない」と述べた。

  IEAによれば、イランの4月の産油量は日量356万バレルと、2011年11月以来の高水準に達した。

原題:Iran’s Speedy Oil Revival Unlikely to Mean Change in OPEC Stance(抜粋)