【日本株週間展望】一進一退、業績懸念和らぐ-視線はG7など政策に

5月3週(16ー20日)の日本株は一進一退の展開となる見込み。国内企業の決算発表がほぼ一巡し、業績に対する行き過ぎた警戒は後退しているものの、上値を買い上げる積極的な材料に乏しい。市場の関心は主要国首脳会議(サミット)を控えた国内政策と為替動向に移る。

  3月期決算企業の発表は13日にピークとなり、金融機関を除く主要企業の多くが発表を終えた。みずほ証券リサーチ&コンサルティングによると、東証1部(金融除く、発表率約7割の12日時点)の2017年3月期の経常利益は前期比1.6%増の見通し。卸売業や電機のプラス寄与が大きい半面、輸送用機器や電気・ガスが足を引っ張る。市場では、企業の今期計画は予想通り厳しいが、全体として業績悪化は織り込んだとの見方が多い。26ー27日の伊勢志摩サミットを前に、20ー21日に7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)が仙台で開かれる。今後の政策発動期待が株価を下支えする半面、各国協調の有無を見極めようと積極的な買いは見送られそうだ。

  経済指標の発表は、米国で16日に5月のニューヨーク連銀製造業景気指数、17日に4月の消費者物価、19日には5月のフィラデルフィア連銀景況指数などがある。エコノミスト予想ではニューヨーク連銀が前月の9.56から7へ悪化、消費者物価はコア指数で前月比0.1%から0.2%へ上昇幅が拡大、フィラデルフィア連銀はマイナス1.6からプラス3へ改善見込みと強弱交錯している。18日には4月開催分の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録も公表される。国内では18日発表の1-3月期国内総生産(GDP)が注目され、前期比年率でプラス0.3%と前回のマイナス1.1%からは改善予想。GDPが悪化した場合、政策期待が一段と強まる可能性がある。

  第2週の日経平均株価は週間で1.9%高の1万6412円21銭と3週ぶりに反発。原油価格の上昇や為替の円安推移から景気や企業業績に対する過度な懸念が和らいだ。市場ムードに影響を与えると注目されたトヨタ自動車の決算は、2017年3月期の営業利益計画が前期比40%減の1兆7000億円と市場予想の2兆7232億円を大きく下回ったが、株価は小幅な下落にとどまり、投資家心理の一方的な悪化は免れた。

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≪市場関係者の見方≫
●いちよしアセットマネジメントの秋野充成執行役員
  日経平均1万6000ー1万6500円のレンジでこう着だろう。業績は想定通り悪く、1株利益が増えるのは難しい。現状業績と為替の1ドル=105-110円を織り込んだ居心地の良い水準で、期待もなければ悲観もない。為替が105円に近づけば空売りからレンジ下限、110円に向かえば買い戻しで上に向かいやすい。米国がことしは利上げできず、国益としてもドル高を容認できないことからなかなか円安にはなりにくい。政策次第で為替が動くため、右往左往しそうだ。

●アストマックス投信投資顧問の山田拓也シニアファンドマネジャー
  日経平均の予想レンジは1万5800ー1万7100円。GDPは事前予想がさえない数字で、参院選に向け刺激策が講じられる公算は大きい。円高の影響で外需中心に企業業績は厳しいものの、自社株買いなど株主還元策は日本株を支える。一方、FOMC議事録では6月の米利上げ見送りを再確認しそう。足元で1ドル=110円を超える円安進行は期待しにくく、日本株への追い風は弱まろう。米国株は業績との比較で買われ過ぎ、高値圏で日中の値動きがやや大きくなっている点には警戒が必要。日本株にマイナスの影響が及ぶ恐れがある。

●しんきんアセットマネジメントの鈴木和仁シニアストラテジスト
  日経平均の想定レンジは1万6000-1万7000円で、週後半に上昇するだろう。GDPは市場コンセンサスを下回り、年率ゼロ%付近になると予想。財政出動や日本銀行の追加緩和期待が一段と強まる。ドル・円は1ドル=105円台からの戻りが一巡、107-110円のレンジ相場に入っており、日本株への影響は限定。
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