NY外為:ドル・ユーロ相場がこう着-金融政策テーマで変化なし

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世界で最も多く取引される通貨ペアは、世界で最も退屈なペアにもなっている。

  ドルはユーロに対し昨年11月以降、長期の平均である1ユーロ=1.11ドル付近で推移している。ドルは過去3カ月間、主要通貨に対し3.1%下げているものの、ユーロに対しては1.1%安で、下落率は主要通貨中で最も低い。トレーダーらの確信度の欠如は相場の変動に表れており、価格変動実績から算出されるリアライズド・ボラティリティの指数は2014年9月以来の低水準に落ち込んだ。

  ドル・ユーロ相場の膠着(こうちゃく)は、各国の金融政策の道筋が明確さを欠いている状況を反映している。量的緩和から政策金利の乖離(かいり)まで、金融政策は金融危機以降、相場を動かす主要な材料となってきた。

  シリコン・バレー・バンク(カリフォルニア州サンタクララ)の上級為替トレーダー、ミン・トラン氏は「溝にはまり込んでいる。状況はあまり変化していない」と話した。

  12日の市場では、ニューヨーク時間午後5時現在、ドルはユーロに対し前日比0.4%高の1ユーロ=1.1377ドル。ドル・ユーロの1カ月物のリアライズド・ボラティリティは7.1%に低下し、14年10月以来の低水準。

  主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は0.3%上昇。

  ドルは対円では0.6%高の1ドル=109円02銭。

  国際決済銀行(BIS)によれば、ユーロ・ドルの取引は全通貨取引の24%を占め、為替市場において最も人気の高い取引となっている。

  相場のトレンドがはっきりしない状況が影響し、一部のドル強気派の間ではあきらめムードが漂っている。ブルームバーグがストラテジストを対象に実施した調査では、ユーロ・ドル相場は年末まで、現在の水準である1ユーロ=1.11ドル付近にとどまると見込まれている。年初時点での予想は1.05ドルだった。

  ドイツ銀行も12日、年末のドル予想を下方修正し、1ユーロ=1.05ドルに上昇するとした。従来予想は同90セントへの上昇だった。ドイツ銀は、投資家が年内の利上げ確率をさらに引き下げる余地は限られていると指摘した。先物トレーダーらが織り込む年末までの利上げ確率は50%と、3月末時点での54%から低下している。

原題:World’s Biggest Currency Trade Stuck in Central-Bank-Induced Rut(抜粋)