三菱自の信用売り方切迫、過去2番目水準を株急騰直撃-日産自傘下へ

燃費データの不正操作発覚で、この1カ月弱の間に一時5割以上下げた三菱自動車株。経営の先行きに不安感を抱く投資家心理を映し、この間信用取引の売り残は急速に増え、過去2番目の高水準に達した。日産自動車との資本業務提携を材料に株価が急騰する中、一転損失拡大のリスクを抱えた売り方の状況は切迫している。

  三菱自は4月20日に軽自動車車両の燃費試験データに不正操作があったと発表、対象は日産自への供給車両にも及んだ。事態の悪質さから株価は同日以降に急落、4月27日には一時412円と発表前日の19日終値(864円)に対する下落率は52%となった。その後は戻り、日産自による三菱株取得検討の事実が明らかになった12日には前日比80円(16%)高の575円とストップ高。大量の買い注文を残す中、取引終了後に両社は資本業務提携を正式発表。日産自は三菱自の第三者割当増資を引き受け、議決権比率で34%の筆頭株主になる見通しだ。

  松井証券の窪田朋一郎シニアマーケットアナリストは、「不正問題が拡大し、もし赤字が拡大すれば不測の事態も起こり得るとして空売りが大きく入っていた」と指摘。日産自との提携で不測の事態は解消されるとし、「空売りしていた向きがこれ以上の株価下落はないとみて買い戻している。12日の買い注文は買い戻しが大半」との見方を示した。

  東京証券取引所によると、三菱自株の信用売り残は4月28日時点で3631万株。ブルームバーグ・データで確認可能な1991年12月以降の推移を見ると、過去最高だった14年1月24日時点の4074万株に次ぐ水準に膨らんでいる。一方、買い残は2103万株。また、ブルームバーグのショート(売り)ポジション情報では、10日時点でモルガン・スタンレーMUFG証券が609万株のポジションを抱えていた。

過去10年の三菱自動車株の信用取り組み状況

  松井証の窪田氏は、燃費不正問題はなお払しょくされておらず、業績面からは今の株価水準は適正ではないとみている。しかし、「短期的な株価は需給が決めるため、空売りしていた向きの買い戻しが解消するまで株価は上方向の可能性がある。買い残が多いため、それだけで株価は跳ね上がりやすい」と言う。