オテ世銀副総裁:金融機関に弱さをもたらす可能性ある-マイナス金利

  • 世界経済はいまだ不安定、解決すべきは構造的な問題
  • 銀行業界は「持久戦は厳しさを増し、長期化」と懸念-マイナス金利

世界銀行のアルンマ・オテ財務担当副総裁兼トレジャラーは、日本や欧州が導入したマイナス金利などの金融緩和策は金融機関に弱さをもたらす可能性があるとの見解を示した。11日、東京都内でのブルームバーグのインタビューで語った。

  オテ氏は、マイナス金利の影響についての質問に対し、「世界経済がいまだ不安定な状況にあるなかで、欧州などの国々は需要拡大に取り組んでいる。金融緩和政策もそのなかの1つだ」と説明。個人的な見解として「解決しなければいけない課題は構造的な問題だ。拡張的な金融政策は有効だが、銀行に弱さをもたらす可能性がある」と話した。

  発足当初からデフレ脱却に向けた大胆な金融政策を掲げた安倍晋三政権下で、日本銀行の黒田東彦総裁は13年4月に量的・質的金融緩和を導入。今年1月の金融政策決定会合でマイナス金利の導入に踏み込み、長期金利の指標となる10年国債利回りは2月9日、史上初めてマイナス0.035%を記録した。12日午前9時半現在、足元の利回りはマイナス0.11%で推移している。

  三菱UFJフィナンシャル・グループの平野信行社長は4月の講演で、マイナス金利政策について、銀行にとっては「短期的効果は明らかにネガティブだ」と指摘。既に金利の低い日本で企業や個人の投資を促すかは不透明で、「懸念を増大させる方向に働いてしまっている」と懸念を表明していた。

  世銀は今年中に580億ドルー600億ドルの世銀債の発行を想定しており、うち12%は日本での調達を見込んでいる。日本は米国と並んで世銀債保有の上位国だ。

  オテ氏はナイジェリア証券取引委員会委員長やアフリカ開発銀行の財務担当副総裁を経て、15年9月に世銀入行。世銀債の発行を中心とした資金調達や加盟国への財務アドバイザリー業務を統括している。