国内石炭火力建設に過剰感、6兆円強「座礁資産」も-英大学院が試算

  • 老朽化で建て替え必要な石炭火力の規模の3倍の建設計画
  • 5社のうち東電HDに最大の経済的リスク

オックスフォード大学スミス企業環境大学院は、日本国内では石炭火力発電所の建設や計画が積極的に進められており、今後建設される石炭火力のうち、6兆2230億円相当が「座礁資産」として不良資産化するとの見通しを示した。

  同大学院の持続可能金融プログラムが12日に発表した報告書によると、現在、国内で建設されている石炭火力発電所4基(出力は190万キロワット)のほか、49基(同2800万キロワット)が計画段階にある。こうした計画・建設段階の発電所の出力規模は、老朽化で建て替えが必要になる発電所の規模の約3倍に上るとの試算結果を示した。

  報告書は気候変動関連の政策や再生可能エネルギーに対する補助金、原子力発電所の再稼働など不透明な要因があるにもかかわらず、日本政府が石炭火力発電所の規模の大幅な拡大を奨励してきたと指摘。発電コストの低い原子力や再生可能エネルギーの発電設備との競争で、設備過剰となった「相当量の石炭火力発電所が座礁試算になるかもしれない」との見解を示した。

  座礁試算となる石炭火力発電所の価値は、石炭火力発電所を保有する電力会社の総資産の5ー6%に達する可能性があり、国内での石炭火力電源の開発継続はリスクを伴うとの考えを示した。さらに電源開発東京電力ホールディングス中部電力九州電力関西電力の5社のうち、座礁資産となる経済的なリスクが最大だったのは東電HDだとし、計画・建設段階にある発電所で最も大きな環境関連リスクを抱えた設備を複数抱えていると指摘した。

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