日産自、燃費不正の三菱自株を取得意向-きょう取締役会で協議

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日産自動車は燃費不正問題を抱える三菱自動車の株式の3分の1を取得する方向だ。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。

  非公開の協議を理由に関係者の1人が匿名で明らかにしたところによれば、交渉は予備的段階にあり、中国の北京汽車など他の企業も三菱自の株式取得の可能性を検討している。

  日産自と三菱自は12日、資本業務提携に関するさまざまな検討をしているが、現時点で決定した事実はないとするコメントをそれぞれ発表。両社はそれぞれ同日開催の取締役会で議論する予定で、知らせるべき事項を決定した場合は速やかに公表するとした。

  自動車アナリストのメリーアン・ケラー氏(米コネティカット州スタンフォード)は「三菱自動車がパートナーを必要としていることは理にかなう。技術革新が急速に進む世界でやっていくためのエンジニアリングリソースが、明らかに同社にはないためだ」と指摘。「同社は米国などの主要市場では常に影の薄い存在だったが、実際には東南アジアではそこそこのビジネスを営んでいるため、魅力的な資産はある」と述べた。

アジア事業と電動車両技術

  アドバンスドリサーチジャパンの遠藤功治アナリストは、日産自にとって「リスクもあるが、ものすごく安い買い物だ」とコメント。日産自の狙いはアジア事業と電気自動車(EV)など電動車両技術、それに国内の軽自動車と指摘した。日産自が三菱自と提携してくれれば三菱グループ含めて「みんなハッピーになる。政府としても雇用の問題に対処できる」とみている。日産自は重要事項で拒否権を発動できる33.4%の株式取得を目指すだろうとし、「そうでなければ意味はない」と話した。

  三菱自の世界販売台数は約105万台で、うち日本市場が1割程度であるのに対して、アセアン市場が21%を占めて最も大きい。タイの生産拠点では大型スポーツタイプ多目的車(SUV)「トライトン」や「パジェロスポーツ」など収益率の高い車種を生産・販売し、主力車種「ミラージュ」はタイから日本に輸出している。

  三菱自株は12日午前10時現在で、値幅制限いっぱいのストップ高買い気配。11日終値は前日比2.3%高の495円で、燃費不正が発覚する直前の株価終値に比べて43%下落していた。

  三菱自のホームページによると、昨年9月末の筆頭株主は三菱重工業で12.63%、次いで三菱商事の10.06%、第4位の三菱東京UFJ銀行が3.91%を保有している。三菱重・広報担当の高野修一氏は電話取材に対し、「両社による正式な発表を待ちたい」とコメントした。

燃費不正問題

  三菱自は11日、燃費不正の当初の対象だった軽自動車4車種以外で、現在販売中の9車種や販売終了車種についても、正しい方法で燃費を算出していない可能性があると発表した。走行抵抗を算出していなかったり、SUVの「RVR」などで机上計算により算出したものがあると疑われるとした。

  相川哲郎社長は11日の会見で、軽自動車を共同開発して三菱自が生産・供給している日産自について「燃費目標を変えていくところには関与していない」と話した。益子修会長は、日産自とは今後も継続して一緒にやっていく方法を模索したいと述べていた。

  三菱自は当初、軽自動車4車種について、燃費試験データを良く見せるため意図的に操作する不正があったと4月20日に発表。その後、燃費試験で1991年から国内の法規定と異なる方式で測定していたことも明らかにしていた。燃費不正問題については国土交通省に対して調査結果を報告してきたが、国交省は全容解明にはほど遠いとして、18日までにあらためて報告するよう指示した。

(外部コメントや三菱自の世界販売の情報を追加.)
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