米ブラックロック、日銀のマイナス金利で外債ETFに10億ドル流入

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  • 「日本国債から世界の債券・株にシフトしたことが要因」とミラー氏
  • 3月は日本人の米国債買越額が4.9兆円、統計開始以来最大-財務省

世界最大の資産運用会社、米ブラックロックが外国の債券で運用する上場投資信託(ETF)には、1月の日本銀行のマイナス金利導入後に日本の投資家から約10億ドル(約1100億円)の資金が流入している。

  ブラックロック・iシェアーズ事業部の日本ヘッドを務めるジェイソン・ミラー氏は、「このトレンドは大手の機関投資家が資産配分を日本国債から世界の債券や株にシフトしたことが要因となっている」と話す。また「日銀のマイナス金利導入後、日本の機関投資家の関心は特に、米国債ETF、米国クレジットETF、欧州クレジットETFなどにみられる」と指摘する。
  
  財務省によると、日本の銀行と生損保による国債保有額は、15年3月の494兆円(国債残高全体の56%)から同年12月末には約463兆円(同51%)に低下。一方、今年3月の対外証券投資動向では、米国債(中長期)は05年の統計開始以来最大の4兆9541億円の買い越しとなっている。

  ETFの特徴は管理の容易さとコストの低さ。同社が米ドル建て投資適格社債で運用するETFが組み込む銘柄は1500以上。独自の信用リスク審査で投資銘柄を選び、投資先の信用状況をモニターするには体制整備が必要で時間もかかる。同社のマネージング・ディレクター、スティーブン・ラピリー氏は、「債券ETFにより投資家は個別債券を買うよりも効率的で迅速に債券市場にアクセスできる」と話す。

  同社の債券ETFの運用残高は14年末の2190億ドルから15年末には2850億ドルに拡大しており、ミラー氏は「債券ETFはETF市場の成長を上回るペースで拡大している」と言う。債券ETF運用は日本ではまだ初期段階にあり、同氏は「成長率でいえば、日本はかなりの成長が期待できるが、われわれには認知度向上のためにすべきことはたくさんある」と語った。

  日本生命保険は今年度の運用計画で、国債投資を必要最小限に抑え、外債の積み増しで収益確保を目指す方針。同社の佐藤和夫財務企画部長は、4月の記者説明会で「単純に国内債に投資すれば収益を得られた時代は当面、戻ってこない。国内でも海外でも、国債ではなくクレジット物を買う」と述べた。