5月11日の海外株式・債券・為替・商品市場

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欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次 の通り。

◎NY外為:ドル続落、原油相場の上昇受け資源国通貨が値上がり

11日のニューヨーク外国為替市場ではドルが続落。原油相場の上昇 を受け、資源輸出国の通貨が値上がりした。

ドルは主要通貨の大半に対して値下がり。政府統計で予想外に原油 在庫の減少が示されたことが手掛かり。一方でニュージーランド (NZ)ドルやカナダ・ドルは米ドルに対して上昇。ニューヨーク原油 先物市場ではウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先 物がバレル当たり46ドルを超え、ブルームバーグ商品指数は上昇した。

ウエストパック銀行のシニア通貨ストラテジスト、リチャード・フ ラヌロビッチ氏は「資源国通貨はドルに対して非常に良いパフォーマン スを見せている」と指摘。「エネルギー情報局の原油在庫データは非常 に前向きだった。米国のエネルギー生産は減少しつつある。よって原油 に買いが入り、資源国通貨は堅調を維持している」と分析した。

ニューヨーク時間午後5時現在、主要10通貨に対するドルの動きを 示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は前日比0.4%低下。終値ベ ースで4月29日以来の大幅な下げとなった。ドルは対円で0.8%安い1 ドル=108円41銭。対ユーロでは0.5%下げて1ユーロ=1.1426ドル。

米エネルギー情報局によれば、原油在庫は先週に341万バレル減少 した。ブルームバーグが実施したアナリスト調査では75万バレルの増加 が見込まれていた。原油生産量は日量880万バレルと、2014年9月以来 の低水準。

オーストラリア・ドルは0.4%高の1豪ドル=0.7390米ドル。カナ ダ・ドルは0.6%上げて1米ドル=1.2836カナダ・ドル。NZドル は1.2%高。このほか南アフリカ・ランドやブラジル・レアルも値上が りした。

フラヌロビッチ氏は、今後発表される経済指標を受けてドルの続落 は止まる可能性があると指摘した。向こう2週間に発表される経済指標 は力強い内容となり、ドルを下支えするとみている。

ブルームバーグのアナリスト調査の中央値では、ドルは年末までに 対ユーロで1.11ドル、対円で115円に上昇すると予想されている。

原題:Dollar Weakens as Commodity-Exporter Currencies Rally With Oil(抜粋)

◎米国株:反落、ディズニーやメーシーズの決算に失望

11日の米株式相場は反落。前日の上昇分をほぼ失った。メーシーズ やウォルト・ディズニーの決算が失望を誘う内容となり、米消費者は支 出拡大になお二の足を踏んでいるとの懸念が強まった。

ディズニーやメーシーズの決算や収益見通しが予想を下回り、選択 的消費株が3カ月ぶりの大幅安となった。13日には小売売上高が発表さ れる。フォッシル・グループの決算も弱い内容になった。今週はJCペ ニーやノードストロムの決算が発表される。午後に入って薬品株を中心 にヘルスケア銘柄が下げ、銀行株が上げを失うと、下げ足が速まった。

S&P500種株価指数は前日比1%近く下落して2064.46で終了。前 日には1.3%上げていた。ダウ工業株30種平均は前日比217.23ドル (1.2%)安の17711.22ドルで終えた。

USバンク・ウェルス・マネジメント(ミネアポリス)のチーフ株 式ストラテジスト、テリー・サンドベン氏は「業績に伸びがない中を株 価が最高値まであと約3%に迫っていることを考えれば、狭い誤算の範 囲内で株価は完璧なものを織り込んでいる。前日の上げはやや予想外 で、今後数週間に見られそうなトレンドではなかった。どのような基準 を用いても、株価は下落に向かっており、今後1年のトレンドは横ばい になるだろう」と語った。

前日は商品相場の上げを受けて上昇したが、ディズニーやメーシー ズの決算内容は、弱い企業利益が株価の一段高を阻む可能性があること をあらためて示した。他のメディア株や小売株、アパレル銘柄の下げが 目立った。ダウ平均の構成銘柄ではディズニーに加え、ウォルマート・ ストアーズやナイキが大きく下げた。

決算発表シーズンが終わりに近づく中、S&P500種構成銘柄の第 1四半期業績に対するアナリスト見通しは7.4%減と、4月の10%減か ら上方修正されている。決算を発表した構成銘柄のうち約75%で利益が 予想を上回り、54%で売上高が予想を上回った。

セブン・インベストメント・マネジメント(ロンドン)のインベス トメントマネジャー、ベン・クマール氏は「決算シーズンはエネルギー と金融を除けば悪くはなかったが、気に入らないものを何でも除くわけ にはいかない。楽観的な見方が広がった後、リスクを回避する日が数日 続いたが、本物の勢いがない。石油がセンチメントを再び左右してい る。その他ではあまり動きがないためだ」と述べた。

S&P500種10セクターのうち9セクターが下落。選択的消費株や ヘルスケア、金融の下げが目立った。一方、公益事業株は小幅高。

原題:U.S. Stocks Fall After Disney, Macy’s Drab Results Spark Selloff(抜粋)

◎米国債:上昇、10年債入札は需要好調-世界的な低利回りで投資妙味

11日の米国債市場は10年債が上昇。午後に入って実施された10年債 入札では機関投資家からの需要が好調だった。最高落札利回りは約3年 ぶりの低水準だった。

10年債の入札(230億ドル)結果によれば、最高落札利回り は1.710%と、2012年12月以来の低水準で入札前の利回り予想を2ポイ ント下回った。機関投資家や外国の中央銀行を含む間接応札者の落札比 率は73.5%と、過去最高だった。

キャンター・フィ ッツジェラルドの金利ストラテジスト、ジャス ティン・レデラー氏(ニ ューヨーク在勤)は、世界的に国債利回りが マイナスとなり、米国債の投資妙味が高まると指摘、「世界的な国債市 場を見ると米国債が『割安』に見えるだろう。成長懸念や世界的な低イ ンフレ、米金融当局が少なくとも9月までは引き締めを行わないとみら れる点を考えるとなおさらだ」と述べた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間 午後5時現在、10年債利回りは前日比2ベーシスポイント(bp、1 bp=0.01%)低下の1.74%。同年債(表面利率1.625%、2026年2月 償還)価格は99。

プライマリー ディーラー(政府証券公認ディーラー)であるみず ほセキュリティーズUSAの米国債トレーディング責任者、 ジェーム ズ・コンビアス氏(ニューヨーク在勤)は、ドル建て債を求めていた海 外投資家が入札での需要をけん引したのだろうと語った。

原題:Treasury Auction Demand Surges as Investors Flee Negative Yields(抜粋)

◎NY金:反発、ETF保有が増加-ゴールドマンは価格予想引き上げ

11日のニューヨーク金先物相場は反発。金連動型上場投資信託 (ETF)を通じた金保有量は2013年12月以来の高水準になった。ゴー ルドマン・サックス・グループは金相場の見通しを引き上げた。

オプションセラーズ・ドット・コム(フロリダ州タンパ)の創業 者、ジェームズ・コーディアー氏は電話インタビューで、「ゴールドマ ンの予想は従来見通しほど弱気ではなくなった」と指摘。「金にはまだ 持続性がある。大きく上昇していくとは思わないが、きょうは押し目買 いの動きだ」と述べた。

ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物6月限は前日 比0.8%高の1オンス=1275.50ドルで終了。3営業日ぶりの上昇。

ゴールドマンは3カ月、6カ月、12カ月先の見通し を1200、1180、1150ドルとし、従来予想の1100、1050、1000ドルからそ れぞれ引き上げた。

銀先物は1.3%高の17.319ドル。ニューヨーク商業取引所 (NYMEX)のプラチナとパラジウムも値上がりした。

原題:Gold Climbs on Investment Demand as Goldman Increases Forecasts(抜粋)

◎NY原油:大幅続伸、6カ月ぶり高値-予想外の米在庫減少で

11日のニューヨーク原油先物市場ではウェスト・テキサス・インタ ーミディエート(WTI)先物が大幅続伸し、約6カ月ぶりの高値とな った。米エネルギー情報局(EIA)の統計で米原油在庫が予想外に減 少したことで買いが膨らんだ。

トータス・キャピタル・アドバイザーズ(カンザス州リーウッド) で141億ドルの石油関連資産の運用に携わるマット・サリー氏は、「3 連勝単式を当てたようなものだ。原油在庫の取り崩しだけでなく、ガソ リンと留出油も減少し、生産もまた減っていた」と語る。「在庫減少は 強い需要と生産減少が原因だ」と続けた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物6月限は前日 比1.57ドル(3.52%)高い1バレル=46.23ドルで終了。終値ベースで 昨年11月4日以来の高値。ロンドンICEのブレント7月限は2.08ドル (4.6%)上昇の47.60ドル。

原題:Crude Surges to Six-Month High After Unexpected U.S. Supply Drop(抜粋)

◎欧州株:1週間ぶり大幅安-連騰続かず楽観が後退

11日の欧州株式相場は1週間ぶり大幅安。指標のストックス欧 州600指数を前日まで2日連続で押し上げていた楽観が後退した。

オーストリアのライファイゼン・バンク・インターナショナル は10%急落。規制順守に対する圧力を和らげるために親会社による併合 を検討していることを明らかにした。ドイツのエネルギー企業、エーオ ンは5.9%値下がり。電力価格の下落が響き、同社の1-3月売上高が 減少した。公益事業銘柄は業種別指数の中で最大の下げを記録した。

ストックス600指数は前日比0.5%安の334.74で終了。同指数は一 時0.9%安まで売られたが、原油相場の上昇を受けて下げ幅を縮めた。

バンクハウス・ランプ(デュッセルドルフ)のストラテジスト、ラ ルフ・ツィマーマン氏は「業績はこれまでのところまあまあだが、株価 を実際に押し上げるほど十分な力強さはない」とし、「現状でまだ欠け ているのは銀行株の力強い上昇で、これが株式相場を押し上げる重要な 原動力となる」と語った。

ストックス600指数は今年に入ってから8.5%下げている。業種別で 年初来下落率が最も大きいのは銀行株だ。2月の安値以来、銀行株の上 げ幅は指数全体を下回っており、年初来では依然22%安となっている。 この日はイタリアのバンコ・ポポラーレとポポラーレ・ディ・ミラノ銀 行(BPM)が大きく下げ、同国のFTSE・MIB指数を押し下げ た。西欧の主要株価指数の中でギリシャのアテネ総合指数が最も下げ た。

原題:Short Respite Ends as Europe Stocks Decline After Two-Day Gain(抜粋)

◎欧州債:スペイン30年債が上昇-超長期債を発行するトレンド強まる

11日の欧州債市場では、スペイン30年債が上昇した。同国も50年債 を発行するなど、ユーロ圏全体で超長期債を起債する傾向が強まりつつ ある。

スペインが銀行団を通じて発行する50年債の価格は、この日決まっ た。利回りが記録的に低い状況を背景に、フランスやベルギーも50年債 を先月起債した。イタリア債務管理局は10日の声明で、50年債の潜在的 需要を「精査している」と明らかにした。

欧州中央銀行(ECB)の量的緩和(QE)が短期債の利回りを押 し下げているため、投資家の長期債への関心は強まっている。2014年9 月以来となるスペイン50年債の発行では、30億ユーロの計画に対し て105億ユーロ強の応募があったという。

キャンター・フィッツジェラルドの債券ストラテジスト、オーウェ ン・カラン氏(ダブリン在勤)は「各国の当局は数十年に一度あるかな いかの機会を利用して、超長期債を過去の平均を大幅に下回る利回りで 発行している」とし、「ベルギーが数週間前に行ったほか、フランスも 起債。利回りを求める需要があるので、市場が実際に成立する」と語っ た。

ロンドン時間午後5時現在、スペイン30年債利回りは前日比4ベー シスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の2.87%。10日は8bp上 昇していた。ユーロ圏が債務危機に見舞われていた12年には7.67%まで 上げていた。2年物利回りはほぼ変わらずのマイナス0.04%。

原題:Europe’s Ultra-Long Debt Trend Builds With 50-Year Spanish Bond(抜粋)