日本の通貨当局が為替介入ならスワップスプレッド活用が有望か

  • 介入の場合、5年物スワップスプレッド拡大が見込まれるとBofA
  • 昨年は中国などの米国債売りでスワップスプレッドの低下傾向に拍車

麻生太郎財務相が2011年以来となる円相場押し下げ介入の可能性を警告したことを受け、米バンク・オブ・アメリカ(BofA)のストラテジストは、米スワップスプレッドを活用して利益を上げる可能性を指摘している。スワップスプレッドは銀行間取引金利をベースとしたスワップ金利と同年限の国債利回りの差と定義される。

  BofAによれば、日本の通貨当局による過去の円売り・ドル買い介入のケースでは、その結果積み上がったドル資金の一部が米国債の購入に充てられた。同社は6日のリポートで、仮に日本の当局が再び介入を実施すれば、米国債への需要が増え、スワップ金利に比較して国債利回りが押し下げられると見込んだ取引で利益が得られる可能性があるとした。

  円は10日の外国為替市場で下げ幅を拡大。麻生財務相が外為市場の安定のため必要なら介入は可能だと発言したことを受けた。麻生氏は9日、「介入する用意がある」と述べ、10日には米国が日本の政策に反対することはないとの考えをあらためて表明した。

  BofAの米金利戦略責任者、シャイアム・ラジャン氏(ニューヨーク在勤)はインタビューで、日本の当局がドル買い介入を行えば、「その直後に外国勢による米国債入札への参加と流通市場での購入が急増するだろう」と指摘。「米国債市場におけるこの種の需給ショックに対しては金利水準ではなく、スワップスプレッドを通じた取引がベストであることが、過去1年間に明白となった」と付け加えた。

  ラジャン氏は、円が対ドルで1ドル=100円ちょうどに近づけば、日本の通貨当局による介入の可能性が高まるとみている。

  スワップスプレッドは従来、プラスで推移していたが、金融危機後は低下傾向が続いてマイナスに落ち込み、昨年にはそうした傾向が一層強まった。その一因としては、中国をはじめとする各国の外貨準備運用担当者が、下落に見舞われた自国通貨の安定化を図ろうと、保有米国債を売却して介入資金を調達した動きが挙げられる。

  BofAが想定するシナリオは、昨年見られたこのような流れの逆転を意味する。

  BofAは今回の分析に当たり、2003-04年、10年および11年の日本の介入を検証。その結果購入された米国債の大半は満期が1年以上だったことが分かったとして、特に5年物スワップスプレッドが拡大すると見込んだ取引を推奨している。

  5年物スワップスプレッドは昨年11月に過去最低のマイナス12.06ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)まで落ち込んだ後、現在はマイナス5bp近辺で推移している。

原題:Japan’s Warning on Yen Reveals Next Big Trade in Swaps Market(抜粋)

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