逆張りで特大アーチの元野村のフックス氏-ファンド業界で存在際立つ

  • BFAMアジアファンドは9カ月連続でプラスのリターンを確保
  • ウイニングトレードには人民元と佳兆業集団が含まれる

運用成績が精彩を欠き、2009年以来で最大の資金流出に苦しむヘッジファンド業界にあって、野村ホールディングスとリーマン・ブラザーズ・ホールディングスで自己勘定取引トレーダーとして活躍したベンジャミン・フックス氏は、その存在感が際立っている。

  BFAMパートナーズの創業者であるフックス氏は、豚足や鶏を売る屋台に隣接する香港のオフィスでアジアファンド(運用資産額18億ドル=約1960億円)を運用。9カ月連続でプラスのリターンを確保し、昨年7月1日から運用資産を6億5000万ドル増やした。資産家のダニエル・ローブ氏やスティーブン・コーエン氏といったヘッジファンドの巨人らが投資ポジション集中や人材不足を嘆く状況で、フックス氏は他のファンドが損失を被る取引でしばしば利益を得る側に立つ逆張り投資戦略で成功している。

  昨年8月の人民元の実質的切り下げ後、ヘッジファンドは短期的な人民元ショートに一斉に動いたが、フックス氏は悲観的過ぎると考え、正確に先行きを予想した。同氏は売り込まれていた不動産開発の佳兆業集団の社債を昨年購入し、価格はその後2倍になった。

  さらに世界の株式市場の行き過ぎた恐怖感から利益を得るためにデリバティブ(金融派生商品)を活用。シンガポール上場の商品取引会社ノーブル・グループについても、投資家が過度に弱気になっていると判断し、クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)を売るトレードを行った。

  フックス氏はインタビューで、「初期の投資家には多額の損失に見えるかもしれないが、エントリー価格によっては、特大アーチのホームランに化けることもあり得る」と語った。

原題:As Hedge Funds Reel, One Trader Thrives by Taking the Other Side(抜粋)