トヨタ:今期純利益予想5期ぶり減益、円高-潮目変わったと社長

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トヨタ自動車は今期(2017年3月期)純利益が大幅減少する予想を発表した。円高や諸経費増などが響く。市場予想を下回った。純利益の減益は5期ぶり。

  11日の決算資料によると、今期の純利益は前期比35%減の1兆5000億円の見通し。ブルームバーグが集計したアナリスト23人の予想平均は2兆1893億円だった。今期の営業利益は同40%減の1兆7000億円、売上高が同6.7%減の26兆5000億円の予想とした。

  今期は円高や諸経費増などが響く。営業利益段階で前期と比べた増減要因を見ると、為替変動の影響で9350億円、労務費などを含めた諸経費の増加で5400億円、それぞれマイナス要因となる。今期の為替前提は対ドルで105円、対ユーロで120円とした。熊本地震に伴う工場稼働停止の影響は織り込んでいないという。

取り組みが試される年

  豊田章男社長は決算会見で、「今年に入り潮目が変わった」と述べ、「今年は私たちの取り組みが試される年」と話した。これまでは為替の追い風を受けて実力以上の成績を出すことができたとの認識を示した。

  トヨタの課題として豊田社長は、大きくなりすぎたと指摘し、カンパニー制の導入で迅速な対応が可能になることや、車の開発などで発想自体が変化することに期待を示した。トヨタはリーマンショックを受けて赤字に転落し、米国を中心とした大規模リコール問題や、東日本大震災などに見舞われながら、持続的成長を目指してきたという。

  伊地知隆彦副社長は、今期の為替前提は「保守的ではない」とし、機械的計算によるものと説明した。投資については、今後も高水準が続くとし、収益を傷めないようにしながら投資を進めると話した。固定費の増加については粗利の改善で対応していく考えを示した。国内生産に関しては300万台を確保し続けると述べた。

  今期のダイハツ工業、日野自動車を含むグループ世界販売は小売りベースで前期比0.6%増の1015万台の計画とした。

1-3月の純利益も市場予想を下回る

  トヨタが同時に発表した今年1-3月の純利益は前年同期比4.4%減の4266億円だった。ブルームバーグが集計したアナリスト8人の予想平均4557億円を下回った。伊地知氏は、愛知製鋼の事故の影響は600億円の減益要因とした。

  トヨタはグループ世界販売で12-15年に年間で首位を続けてきたが、今年1-3月は独フォルクスワーゲン(VW)に追い抜かれている。トヨタ系列の愛知製鋼の知多工場で1月に爆発事故があって部品不足となり、トヨタは2月に国内工場の稼働を一時、停止していた。

  4月には熊本地方を中心とした地震で現地部品メーカーが被災し、トヨタは国内工場で相次ぎ生産を停止していたが、段階的に再開している。大西弘致専務が4月24日に北京で記者団に話したところによると、熊本地震の生産影響は約8万台。

  豊田社長は、次の社長について「今の課長職以上全員が対象」と述べ、「バランスのとれた状態で手渡すために今できることはやっておきたい」と話した。

  国内大手自動車メーカーの決算発表は、日産自動車が12日、ホンダが13日の予定。トヨタの11日の株価終値は前日比0.8%安の5634円で、年初来では25%の下落となっている。