【個別銘柄】武田薬下げる、住友重機やWスコープ高い、DOWA急落

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11日の日本株市場で、株価変動材料のあった銘柄の終値は次の通り。

  武田薬品工業(4502):前日比4.9%安の5030円。10日に決算を発表、2017年3月期の連結売上高は前期比4.8%減の1兆7200万円、営業利益は3.2%増の1350億円と見込んだ。1ドル=110円とした為替想定要因に加え、国内長期収載品事業をテバ社との合弁会社に移管、アストラゼネカ社に呼吸器系疾患領域を売却したことなども減収につながる。ゴールドマン・サックス証券は、微増益の今期計画はネガティブサプライズと指摘。テバとの合弁設立による一過性利益でコンセンサス(1449億円)を上回るガイダンスが期待されていたとしたほか、販売費や事業体制の再構築費用が想定以上に大きいとの認識も示した。

  ソフトバンクグループ(9984):1.9%高の6104円。16年3月期の連結営業利益は前の期比8.8%増の9995億円だった、と10日に発表。国内通信事業、ヤフー事業の増収が寄与、特にヤフー事業の売上高はアスクル(2678)子会社化で5割以上伸びた。野村証券は投資判断「買い」、目標株価7780円を継続。国内は安定した利益成長と大幅なフリーキャッシュフローの増加を実現する一方、米スプリントなど海外グループ企業の利益改善傾向も明確になってきているとした。

  住友重機械工業(6302):13%高の534円。16年3月期の連結営業利益は前の期比9.9%増の506億円だった、と10日に発表。従来計画の460億円から上振れ。国内や欧州、北米でプラスチック加工機械事業が伸長、国内造船向けに運搬機械事業も好調で、建設機械や環境・プラント部門の減益を補った。SMBC日興証券は、産業機械事業の採算改善を中心に実績は上振れ、ポジティブと指摘。会社側が7.1%減の470億円とした17年3月期計画も水準は想定以上、とした。

  ダブル・スコープ(6619):4.9%高の6240円。1-3月期(第1四半期)の連結営業利益は前年同期比5.1倍の8億1200万円だった、と10日に発表。主力のリチウムイオン二次電池用セパレータ事業で販売数量の拡大が持続、地域別では中国、韓国の伸びが目立った。想定を上回る対ドルでの韓国ウォン安もプラス要因。16年12月期計画を21億円から前期比31%増の26億円に上方修正した。

  DOWAホールディングス(5714):7.7%安の625円。16年3月期の連結営業利益は前の期比10%減の351億円だった、と10日に発表。主力の製錬部門がレアメタル価格の下落傾向を背景に減収、電子材料部門では多機能携帯端末向けの在庫調整の影響で半導体材料製品の販売量が減った。17年3月期は前期比17%減の290億円と連続減益を見込む。

  塩野義製薬(4507):3.4%高の5771円。11日午後1時に発表した16年3月期の連結営業利益は前の期比82%増の914億円、従来計画の780億円を上回り過去最高を更新した。日本イーライリリーとの抗うつ・疼痛治療薬「サインバルタ」の契約変更による原価率の改善、研究開発費を含む販売・一般管理費の効率化が寄与した。期末配当は1株34円、年間で62円と前の期の52円から増配。17年3月期営業利益は前期比0.1%増の915億円で、市場予想の879億円を上回る。配当は68円と6円の上積みを計画した。

  清水建設(1803):3.4%高の1015円。16年3月期の連結営業利益は前の期比89%増の947億円だった、と11日午後1時に発表。完成工事高の増加、国内建築工事の採算改善が寄与した。17年3月期は前期比0.7%減の940億円と計画したが、市場予想の934億円はやや上回る。

  SCREENホールディングス(7735):4.9%高の879円。16年3月期の連結営業利益は前の期比37%増の236億円だった、と10日に発表。国内を中心にメモリーや画像素子メーカー向けが伸長、中小型パネル用製造装置の大幅増も寄与した。17年3月期は15%増の270億円と計画、1株配当は10月実施の1対5の株式併合考慮後で70円。前期12円から実質2円増配になる。メリルリンチ日本証券は投資判断「買い」を継続、目標株価を1130円から1200円に見直した。今期計画がコンセンサスを上回った上、利益率改善の継続と株主還元拡大を評価した。

  テルモ(4543):2.8%安の4130円。10日に決算を発表、17年3月期の連結営業利益は前期比8.2%減の750億円と計画し、市場予想の854億円を下回った。心臓血管分野における国内外でのカテーテル(TIS)事業の伸びなどで、前の期比21%増の817億円だった16年3月期からの悪化を見込む。SMBC日興証券は、同証予想の855億円を大きく下回る内容で株価はネガティブに反応する、と指摘。新興国の為替の影響や成長のためによるコスト増が乖離(かいり)の要因と分析した。

  ミクシィ(2121):12%高の4240円。16年3月期の連結営業利益は前の期比80%増の950億円だった、と10日に発表。従来計画の900億円から上振れた。主力のエンターテインメント事業でスマートフォンネイティブゲームの「モンスターストライク」の利用者が順調に増加、4月には全世界での利用者数が3500万人を突破した。期末配当は77円、年間で147円と前の期の82円から増配。また、発行済み株式総数の3.56%に当たる300万株、金額で100億円を上限に自社株買いも行う。期間は11日から9月末まで。

  東急建設(1720):9.5%安の821円。10日に決算を発表、17年3月期の連結営業利益は前期比34%減の120億円と計画した。主力の建築における国内民間、官公庁向けの完成工事高増加で前の期比3倍の182億円だった16年3月期からの悪化を見込む。今期は建築で国内官公庁や民間とも受注高、売上高の減少を想定している。

  東京応化工業(4186):14%安の2648円。16年3月期の連結営業利益は前の期比6.1%減の124億円だった、と10日発表。半導体フォトレジスト付属薬品を中心に売上高は2.1%伸びたが、設備投資に伴う減価償却費など経費の増加が響いた。17年3月期営業利益は38%減の77億円と計画、為替前提は1ドル=105円を想定した。

  日本商業開発(3252):19%安の1887円。10日に決算を発表、17年3月期の連結営業利益は前期比38%減の36億9000万円と計画した。優良案件の渋谷区神宮前5丁目プロジェクトの売却などで前の期比68%増の59億5500万円と最高益だった16年3月期からの悪化を見込む。

  日本マイクロニクス(6871):12%安の850円。16年9月期の連結営業利益計画を30億円から18億円に下方修正する、と10日に発表。モバイル端末向け市場の減速からメモリー向けプローブカードの需要回復が遅れる見込みとなったほか、採算面ではプロダクトミックスの変化、生産稼働率の低下なども響く。前期比減益率は51%から71%に拡大する。

  ブイ・テクノロジー(7717):705円(15%)高の5390円でストップ高。16年3月期の連結営業利益は前の期比3倍の25億7800万円と、従来計画の22億円から上振れたもようと10日に発表。フラット・パネル・ディスプレー(FPD)関連の設備投資活発化で受注、売上高とも想定を上回る中、一部顧客案件の売り上げ計上を前倒しした。

  ジャムコ(7408):18%安の2207円。17年3月期の連結営業利益は前期比37%減の55億2500万円を見込む、と10日に発表。円高や製品価格引き下げによる減収を想定、米ボーイング社が現在開発中の777X型機への移行に伴う在来777型機向け製品の受注が端境期を迎えていることが影響する。

  コムチュア(3844):13%高の3055円。16年3月期の連結営業利益は前の期比23%増の12億9300万円だった、と10日に発表。主力のソリューションサービスでクラウド事業が拡大、金融関連案件の受注増やビッグデータなど新技術領域立ち上げによる増収が寄与した。17年3月期は16%増の15億円と計画した。

  日本合成化学工業(4201):9.6%安の604円。熊本地震による工場建物と設備の一部損傷、製品在庫破損などで約24億円の災害損失が発生する見込みと10日に発表。今期から国際会計基準(IFRS)を適用する17年3月期の連結純利益計画62億円の中に損失見込額約24億円、売り上げ減少による利益減約6億円を含んでいる、とした。16年3月期純利益は89億7100万円。実額減少と災害影響の不透明さを嫌気する売りが膨らんだ。

  ダイセル(4202):7.2%高の1426円。発行済み株式総数の0.86%に当たる300万株、金額で40億円を上限に自社株買いを行うと11日午後に発表。期間は12日から9月30日まで、当面の需給好転が見込まれた。

  名古屋鉄道(9048):1.8%安の535円。10日に決算を発表、17年3月期の連結営業利益は前期比12%減の396億円と計画した。分譲マンション事業の収支悪化に加え、人件費や燃料費の増加なども見込む。16年3月期は前の期比18%増の449億円だった。

  曙ブレーキ工業(7238):9.7%安の242円。16年3月期の連結純損失は195億円と、前の期の61億円から赤字が拡大したと10日に発表。北米での生産混乱による影響が長期化、労務費や緊急輸送費など追加費用の発生で営業赤字に転落したほか、北米工場の減損損失やリコール関連損失の計上なども響いた。17年3月期は2億円の黒字化を計画。

  岩崎電気(6924):11%安の170円。16年3月期の連結営業利益は前の期比32%減の20億8200万円だった、と10日に発表。照明事業でのLED化による従来型照明の落ち込み継続、光応用事業での情報表示板の伸び悩みが響く。17年3月期は38%減の13億円と連続減益を見込む。

  セリア(2782):6.1%高の7160円。16年3月期営業利益は前の期比14%増の120億円だった、と10日に発表。直営、フランチャイズ合計で140店の新規出店に加え、来店客数増加で直営既存店売上高が2.8%増と好調、従来計画の110億円を上回った。17年3月期は8.2%増の130億円と計画。SMBC日興証券は投資判断「1(アウトパフォーム)」を維持し、目標株価を5900円から7400円に上げた。既存店ではキャラター商品、食器の新シリーズが好調と評価した。

  インプレスホールディングス(9479):8.1%高の160円。16年3月期の連結経常利益は1億8200万円だったもよう、と10日に発表。従来計画はゼロから1億5000万円のレンジだった。デジタルメディアやサービス事業の伸びに加え、出版メディアの収益性改善が寄与した。期末配当は1株50銭から1円に増やす。