超長期債下落、30年入札結果受け-「積極的に売るのも怖い」との声も

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  • 新発30年債利回り0.335%まで上昇、新発20年債利回り一時0.28%
  • 30年入札結果:最低落札価格は予想下回る、応札倍率3.01倍に低下

債券市場で超長期債相場が下落した。この日実施の30年債入札で最低落札価格が市場予想を大幅に下回ったことを受けて、超長期ゾーンを中心に売りが優勢となった。半面、先物や長期債相場は持ち直した。

  12日の現物債市場で、新発30年物の50回債利回りは、日本相互証券が公表した前日午後3時時点の参照値より0.5ベーシスポイント(bp)低い0.30%で始まり、0.295%まで低下した。午後は入札結果を受けて一時0.335%と4月28日以来の水準まで上昇。その後は0.32%を付けている。新発20年物の156回債利回りは横ばいの0.25%で始まり、0.28%まで上昇後、0.255%にやや戻している。新発40年物の8回債利回りは2.5bp高い0.34%を付ける場面があった。

  長期金利の指標となる新発10年物国債の342回債利回りは、横ばいのマイナス0.105%で開始し、いったんマイナス0.11%に低下。午後に入ってマイナス0.10%まで上昇した後、再びマイナス0.11%で推移している。

  JPモルガン・アセット・マネジメントの塚谷厳治債券運用部長は、債券相場について、「30年債入札結果を反映して多少売られた」と指摘。ただ、「積極的に売るのも怖い感じ。経済環境や日銀の政策を考えるとスティープニングする可能性は低いと思う。財政出動により大幅な国債発行姿勢にならない限り、大きく売られるリスクは小さい」と語った。

  長期国債先物市場で中心限月6月物は、前日比3銭高の151円90銭で取引を開始した。入札結果発表後に151円75銭まで下落したが、その後は持ち直し、結局8銭高の151円95銭と高値引けした。

 30年債入札

  財務省が午後発表した表面利率0.8%の30年利付国債(50回債)の入札結果によると、足元の金利低下を反映し、平均落札利回りが0.319%、最高落札利回りが0.332%と、ともに過去最低を更新した。一方、最低落札価格は112円70銭と市場予想の112円90銭を下回った。小さければ好調なテール(平均と最低落札価格の差)は40銭と、2013年4月以来の大きさだった前回67銭からは縮小したが、高水準。投資家需要の強弱を反映する応札倍率は3.01倍と昨年7月以来の低水準となった。

  JPモルガン・アセットの塚谷氏は、30年債入札結果について、「予想より少し弱かった。応札倍率も低下した。ここまで買われてきて警戒せざるを得ない状況だった」と分析した。

  日本銀行はこの日午前、金融政策を据え置いた4月27、28日会合での「主な意見」を発表した。マイナス金利政策について、「当面実体経済への効果の波及を見極める必要があり、金融政策は現状維持が適当である」との意見があった。「今後、物価安定の目標の実現のために必要と判断される場合には、追加的な金融緩和措置を検討すべきである」との意見もあった。ただ、債券相場への影響は限定的だった。

  岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジストは、「残存10年以下のゾーンはレンジ相場でこう着状態に陥っている。今月末のサミットやその後の消費増税先送りを含めた景気対策を見極める姿勢の投資家が多いのではないか」と話した。

  11日の米国債相場は上昇。米10年債利回りは前日比2bp低下の1.74%程度で引けた。米国株相場の下落に加えて、米10年債入札が順調だったことから買いが優勢となった。S&P500種株価指数は同1%安の2064.46で終了した。