5月10日の海外株式・債券・為替・商品市場

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欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次 の通り。

◎NY外為:ドルは底打ちとゴールドマン指摘-対円で109円台乗せ

ゴールドマン・サックス・グループはドルが底を打ったとみてい る。

ドル指数は先週付けた1年ぶりの安値から1%近く上昇、4月の雇 用統計で雇用の伸びが過去7カ月間で最低だったことが明らかになった 後ですら上げ幅を広げた。ゴールドマンは雇用統計発表後のドル上昇に ついて、米経済成長と利上げへの期待があまりに急速かつ過度に低下 し、反発しやすい状態にあったと指摘した。一方でソシエテ・ジェネラ ルやブラウン・ブラザーズ・ハリマン(BBH)のストラテジストはそ れほど強気でなく、ドルの全般的な回復は今後の経済指標次第だとの見 方だ。

ゴールドマンの為替チーフストラテジストでニューヨーク在勤のロ ビン・ブルックス氏はブルームバーグラジオとのインタビューで、「わ れわれはドル強気を維持しており、現水準から上昇軌道を描くと考えて いる」と発言。「6日の市場予想を大幅に下回る雇用統計への反応には 意味がある。雇用の増加は期待外れだったにもかかわらず、ドルは実際 上昇した」と語った。

ブルックス氏は10日発表したリポートで、米金融政策の正常化に伴 い、ドルは向こう2年間で15%上昇するとの見通しを示した。過去数カ 月の間でゴールドマンがドルに強気の姿勢をとるのは初めてではない。 年初に今年最も有望なトレードとしてユーロ半分、円半分のバスケット に対するドル買いを挙げていたが、計算上約5%の含み損が生じた2月 に撤回。だがドル指数は先週に半年ぶりの大幅高となり、年初来の下げ を4.1%に削った。

10日の市場ではニューヨーク時間午後5時現在、主要10通貨に対す るドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数はほぼ変わら ず。先週は1.5%上昇と、11月6日以来最大の上げだった。ドルはこの 日、対円では0.9%上昇し109円27銭。一時は4月27日以来の高値を付け た。

トレーダーの間では既に、秋より前の利上げ観測が大きく後退して いる。6月の利上げ確率はわずか6%だ。これは市場がドルの材料とし て米金融当局への注目を一層弱め、他の中央銀行に目を移していること の表れだとゴールドマンは指摘する。

ブルックス氏はリポートで、「ある意味、このところのドルにとっ て米金融当局は主役ではなくなっている」と指摘した。

日本銀行は4月の政策決定会合で政策方針の現状維持を決定し、追 加緩和を見込んでいた市場にサプライズをもたらした。

また欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁は4月の政策決定会合 後、インフレと景気に対して楽観的な見通しを示し、追加緩和のシグナ ルを発すると見込んでいた市場を驚かせた。

ブラウン・ブラザーズ・ハリマンの通貨ストラテジー世界責任者、 マーク・チャンドラー氏はリポートで、ドルが対円で108円を超えユー ロが1.1350ドルを下回った場合には、ドルの広範な回復局面の始まりが 示唆されるとした上で、ドルの回復局面は先週始まった可能性があると の見方を示した。

チャンドラー氏は「外国為替市場が抱える重要な問題は、ドルが先 週見せた若干の強さが持続可能な動きの始まりかどうかということだ」 と指摘した。

ブルームバーグのアナリスト調査の中央値では、ドルは年央までに 対ユーロで1.11ドル、対円で115円に上昇すると予想されている。

原題:Goldman Calls Dollar Bottom Saying Traders Misprice Fed Resolve(抜粋)

◎米国株:S&P500種、2カ月ぶり大幅高-商品相場の回復を好感

10日の米株式市場ではS&P500種株価指数が2カ月ぶりの大幅高 となった。商品相場の回復を受けて過去2週間にわたり市場を覆ってい た弱気が遠のき、日本から欧州市場にかけての株高に追随した。

エネルギー銘柄や工業株、銀行株、アマゾン・ドット・コムが上昇 に最も寄与した。アナリストが目標株価を1000ドルに設定したアマゾン は3.4%上昇して最高値を更新した。ブルームバーグ商品指数は6週間 ぶりの大幅低下から反発。素材株の地合いを強めた。

S&P500種株価指数は前日比1.3%上昇して2084.39で終了。3 月11日以来の大幅高となった。上下どちらの方向にかかわらず1%未満 の小幅な動きは18営業日連続で終わった。 ダウ工業株30種平均 は222.44ドル(1.3%)高の17928.35ドルと、8週間ぶり大幅高で終え た。ナスダック総合指数は1.3%上昇。

マニング・アンド・ネイピアのシニアアナリスト、グレッグ・ウッ ダード氏は「商品市場を左右している同じ要因の一部が世界経済と株式 市場を全般に動かしている。中国の成長や新興市場、世界経済に対する 見方が良くなれば、株式や商品に対する雰囲気も明るくなる」と述べ た。

S&P500種は4月の高値から5日までに2.5%下落した後、6日か ら反発し始めた。雇用統計が予想より悪い内容となり、利上げペースが 遅くなるとの見通しが背景。金利先物市場が示唆する6月利上げの確率 はわずか6%。4月には20%あった。利上げを50%以上織り込んでいる のは2017年2月以降。

S&P500種構成銘柄の第1四半期業績に対するアナリスト見通し は7.4%減と、4月初めの9.5%減から上方修正されている。決算を発表 した構成銘柄のうち約75%で利益が予想を上回り、55%で売上高が予想 を上回った。

決算のほか、経済状況と金利見通しをめぐる指標にも引き続き注目 が集まっている。この日発表された3月の米求人件数は前月から増加 し、2000年のデータ開始以降で2番目の高水準となった。

この日の取引は前日から一変し、商品相場の値動きに敏感なセクタ ーが上昇をけん引した。原油相場が大幅高となり、エネルギーや素材株 が上昇。

金融株も反発し、1.4%高。ITGインベストメントリサーチ買収 で合意したリューカディア・ナショナルは5.9%上昇。

原題:U.S. Stocks Cap Biggest Rally in 2 Months as Commodities Rebound(抜粋)

◎米国債:小幅安、3年債入札は需要が1月以来の高水準

10日の米国債は小幅安。米財務省が実施した3年債入札は最高落札 利回りが予想を下回り、金融政策当局は緩やかなペースで利上げすると の投資家の見方を裏付けた。

3年債の需要は1月以来の高い水準だった。ジェフリーズ・グルー プの国債エコノミスト、トーマス・サイモンズ氏によれば、2年債に比 べて3年債が割高になっているのは、金融当局がこの先、数年間は積極 的な引き締めは行わないと投資家が予測していることを反映している。 2年債と3年債の利回り格差は今年に入り縮小している。2月には2013 年以来の最小となった。

ブルームバーグがまとめたデータによれば、金利先物市場では連邦 公開市場委員会(FOMC)が来月の会合で利上げを決定する確率は 4%として織り込まれている。2015年末は約75%だった。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間 午後5時現在、3年債利回りは前日比1ベーシスポイント(bp、1b p=0.01%)上昇の0.86%。同年債(表面利率0.875%、2019年4月償 還)価格は100 1/32。

レイモンド・ジェームズ・アンド・アソシエーツの債券責任者、ケ ビン・ギディス氏は「市場に不安感はまったくない」と話した。

ゴールドマン・サックス・グループのアナリストは10日付のリポー トで米国債は割高になりつつあると指摘。利回りが一段と低下した場 合、投資家は損失を被る可能性があるとの見方を示したが、年末時点 の10年債利回り予想を2.4%と、従来予想の2.75%から引き下げた。ゴ ールドマンのアナリストによれば、1.75%を下回る10年債利回りは「マ クロ見通しが著しく悪化しない限りは続く可能性が低い」。

この日の10年債利回りは1bp上昇して1.76%だった。

3年債入札(発行額240億ドル)の結果によると、最高落札利回り は0.875%となった。入札直前の市場予想は0.892%だった。海外中央銀 行や投資信託を含む間接入札者の落札全体に占める割合は61.5%と、1 月以来の高水準だった。

財務省は11日に10年債(230億ドル)、12日に30年債(150億ドル) の入札を実施する。バンク・オブ・アメリカ(BofA)メリルリンチ のデータによれば、米国債の年初来リターンは3.7%となっている。

原題:Treasury Three-Year Note Sale Draws Highest Demand Since January(抜粋)

◎NY金:続落、ETF通じた保有量は10営業日連続で増加

10日のニューヨーク金先物相場は続落。約1週間ぶりの安値水準で 推移した。金連動型上場投資信託(ETF)を通じた金保有量は4月25 日以降に50トン増加と、10営業日の増加としては過去最大で、過去2カ 月では最長の連続増となった。

BMOキャピタル・マーケッツの商品トレーディング担当ディレク ター、タイ・ウォン氏は電話インタビューで、「ETFにとって、この 取引の材料は引き続き良好だ。米金融当局は様子見姿勢にとどまってい るほか、世界の成長やインフレは抑制された状況が続いている」と指 摘。「数年にわたって敬遠されてきた取引が再び人気を集めている」と 述べた。

ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物6月限は前日 比0.1%安の1オンス=1264.80ドルで終了。

銀先物7月限は0.1%未満上げて17.092ドル。ニューヨーク商業取 引所(NYMEX)のプラチナとパラジウムも上昇した。

原題:Gold Investors Return to Funds as Price Declines for Second Day(抜粋)

◎NY原油:大幅反発、リビアとナイジェリアの生産障害を警戒

10日のニューヨーク原油先物市場ではウェスト・テキサス・インタ ーミディエート(WTI)先物が大幅反発。ナイジェリアでは政情不安 を理由にロイヤル・ダッチ・シェルやシェブロンが人員を退避させた。 リビアでは港湾封鎖が解除されない限り、生産停止を余儀なくされる見 通しとなっている。先週から大規模な山火事に襲われたカナダでは、オ イルサンド企業が生産を抑制している。

トラディション・エナジー(コネティカット州スタンフォード)の シニアアナリスト、ジーン・マクギリアン氏は「カナダのオイルサンド 生産障害とナイジェリアで高まる政情不安が原油市場を支えている」と 指摘。「需給の基調は依然として弱い。生産障害や米生産減少がなけれ ば、価格は下がっていただろう」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物6月限は前日 比1.22ドル(2.81%)高い1バレル=44.66ドルで終了。上げ幅は4 月27日以来で最大。ロンドンICEのブレント7月限は1.89ドル (4.3%)上昇し45.52ドル。

原題:Oil Rises From Two-Week Low Amid Libya, Nigeria Supply Fears(抜粋)

◎欧州株:続伸、クレディ・スイスなど銀行高い-自動車銘柄にも買い

10日の欧州株式相場は続伸。銀行株の上げが目立った。激しい売り で2月以来の大幅安となった先週の動きは行き過ぎとの見方が広がっ た。

スイスの銀行、クレディ・スイス・グループは5%上昇。1-3月 の赤字幅が予想を下回り、これが好感された。ギリシャの銀行株も高 い。同国が支援協議で合意に至るとの楽観が強まった。自動車関連も上 昇し、ドイツのフォルクスワーゲン(VW)とフランスのプジョーシト ロエングループ(PSA)が大きく上げた。中国の4月の乗用車販売台 数が前年同月比で増加したことが要因。

指標のストックス欧州600指数は前日比0.9%高の336.24で終了。一 時は1.4%高となった。4月20日の高値から5.4%下げた後、今週は値上 がりしている。

CMCマーケッツの市場アナリスト、マイケル・ヒューソン氏(ロ ンドン在勤)は「4月末よりもややリスク回避の動きが後退した。クレ ディ・スイス決算は良くはなかったが、最悪の見通しよりはましだっ た」と指摘。その上で、「楽観するにはまだ少し時期尚早だ。経済デー タはまだ、それほど確信できる内容ではない」と語った。

ギリシャのアテネ総合指数は3.2%高で、西欧の主要株価指数の中 で上昇率が首位。ユーロ圏の財務相らは9日、ギリシャの債務負担軽減 に向けて、これまでで最も具体的な計画の概要を提示。国際通貨基金 (IMF)を支援パッケージに関与させる狙いがあり、交渉決着に向け て5月24日に再び財務相会合を開く。

原題:Europe Stocks Rise for 2nd Day as Credit Suisse Paces Bank Gains(抜粋)

◎欧州債:ギリシャ国債が上昇、利回り年初来最低に-支援協議を楽観

10日の欧州債市場ではギリシャ国債が上昇。ユーロ圏の財務相らが 同国向け支援を実施する上で大きく前進したとの楽観が高まったことが 背景にある。これを受けてギリシャ株も買われた。

10年物利回りは年初来最低を記録し、同国株の指標であるアテネ総 合指数も大きく上げた。ユーロ圏の財務相らは9日、ギリシャの債務負 担軽減に向けて、これまでで最も具体的な計画の概要を提示。国際通貨 基金(IMF)を支援パッケージに関与させる狙いがあり、交渉決着に 向けて5月24日に再び財務相会合を開く。ユーロ圏財務相会合(ユーロ グループ)のデイセルブルム議長(オランダ財務相)は、ギリシャと債 権者らが数週間以内に合意するのは可能だと語った。

DZバンク(フランクフルト)の主席市場ストラテジスト、ダニエ ル・レンツ氏は「前日の会合以降、ギリシャの状況は素晴らしい」と し、「詳細や決定はなかったものの、会合では少なくとも大半の国にギ リシャと妥協する意向がある可能性が幾分示唆された」と語った。

ロンドン時間午後4時3分現在、ギリシャ10年債利回りは前日比72 ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の7.71%。一時 は7.69%と、昨年12月3日以来の低水準を付けた。同国債(表面利率 3%、2026年2月償還)価格は3.90上げ72.565。

ブルームバーグ世界債券指数によると、ギリシャ国債の年初来リタ ーンは9日まででプラス3.8%。ユーロ圏全体の平均はプラス2.9%とな っている。

アテネ総合指数は3.2%急伸。2月の安値から40%余り値を戻し、 年初来高値に達した。

原題:Greek Bonds Rise With Yields at 2016 Low on Debt-Talks Optimism(抜粋)