NY外為:ドルは底打ちとゴールドマン指摘-対円で109円台乗せ

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  • ドルは1年ぶりの安値から1%近く反発
  • ゴールドマンは今後2年でドルが15%上昇すると予想

ゴールドマン・サックス・グループはドルが底を打ったとみている。

  ドル指数は先週付けた1年ぶりの安値から1%近く上昇、4月の雇用統計で雇用の伸びが過去7カ月間で最低だったことが明らかになった後ですら上げ幅を広げた。ゴールドマンは雇用統計発表後のドル上昇について、米経済成長と利上げへの期待があまりに急速かつ過度に低下し、反発しやすい状態にあったと指摘した。一方でソシエテ・ジェネラルやブラウン・ブラザーズ・ハリマン(BBH)のストラテジストはそれほど強気でなく、ドルの全般的な回復は今後の経済指標次第だとの見方だ。

  ゴールドマンの為替チーフストラテジストでニューヨーク在勤のロビン・ブルックス氏はブルームバーグラジオとのインタビューで、「われわれはドル強気を維持しており、現水準から上昇軌道を描くと考えている」と発言。「6日の市場予想を大幅に下回る雇用統計への反応には意味がある。雇用の増加は期待外れだったにもかかわらず、ドルは実際上昇した」と語った。

  ブルックス氏は10日発表したリポートで、米金融政策の正常化に伴い、ドルは向こう2年間で15%上昇するとの見通しを示した。過去数カ月の間でゴールドマンがドルに強気の姿勢をとるのは初めてではない。年初に今年最も有望なトレードとしてユーロ半分、円半分のバスケットに対するドル買いを挙げていたが、計算上約5%の含み損が生じた2月に撤回。だがドル指数は先週に半年ぶりの大幅高となり、年初来の下げを4.1%に削った。

  10日の市場ではニューヨーク時間午後5時現在、主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数はほぼ変わらず。先週は1.5%上昇と、11月6日以来最大の上げだった。ドルはこの日、対円では0.9%上昇し109円27銭。一時は4月27日以来の高値を付けた。

  トレーダーの間では既に、秋より前の利上げ観測が大きく後退している。6月の利上げ確率はわずか6%だ。これは市場がドルの材料として米金融当局への注目を一層弱め、他の中央銀行に目を移していることの表れだとゴールドマンは指摘する。

  ブルックス氏はリポートで、「ある意味、このところのドルにとって米金融当局は主役ではなくなっている」と指摘した。

  日本銀行は4月の政策決定会合で政策方針の現状維持を決定し、追加緩和を見込んでいた市場にサプライズをもたらした。

  また欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁は4月の政策決定会合後、インフレと景気に対して楽観的な見通しを示し、追加緩和のシグナルを発すると見込んでいた市場を驚かせた。

  ブラウン・ブラザーズ・ハリマンの通貨ストラテジー世界責任者、マーク・チャンドラー氏はリポートで、ドルが対円で108円を超えユーロが1.1350ドルを下回った場合には、ドルの広範な回復局面の始まりが示唆されるとした上で、ドルの回復局面は先週始まった可能性があるとの見方を示した。

  チャンドラー氏は「外国為替市場が抱える重要な問題は、ドルが先週見せた若干の強さが持続可能な動きの始まりかどうかということだ」と指摘した。

  ブルームバーグのアナリスト調査の中央値では、ドルは年央までに対ユーロで1.11ドル、対円で115円に上昇すると予想されている。

原題:Goldman Calls Dollar Bottom Saying Traders Misprice Fed Resolve(抜粋)