金正恩第1書記、祖父の威光借りて権力固め-36年ぶりに党大会開催

  • 党の影響力強調、西側のスーツ-祖父の手法踏襲
  • 父・正日氏の陰惨な時代から決別した印象狙う

北朝鮮の金正恩第1書記は父の「陰惨な」時代とは距離を置く一方、祖父で建国者の故金日成国家主席のカリスマ的なイメージを利用し、権力強化を図っている。

  36年ぶりに開催した朝鮮労働党大会で金第1書記は党の影響力を強調したが、これは1994年に死去するまで日成氏がとっていた手法だ。第1書記はまた、経済と軍事をともに発展させる「並進」政策を進める意思をあらためて繰り返した。軍事を最優先させる「先軍」政策を打ち出して核開発に力を入れた反面、経済が悪化し数百万人とも言われる餓死者を出した父の故金正日総書記と対照的だ。

  香港・嶺南大学のブライアン・ブリッジス非常勤教授(アジア政治)は「父のスタイルや政策から、第1書記は引き続き距離を置こうとしている」と指摘。「党大会は祖父を意識したものだ。第1書記は引きこもりがちな父のような指導者ではなく、祖父のような強力な指導者であることを示す意図がある」と分析した。

  第1書記の容姿は父よりも祖父に似る。父が好んだ人民服ではなく、祖父と同じく西側のスーツを着込んだ党大会でそれはいっそう際立った。

  韓国の高麗大学で北朝鮮を専門とする柳何烈(ユ・ホヨル)教授は「北朝鮮人民はいまだに金日成時代の繁栄した経済を記憶している。それこそ正恩氏が追求しているものだ」と述べ、「日成氏は3カ年や7カ年の経済開発計画を打ち出していた。正恩氏の5カ年計画はそれに似せたように見える」との見方を示した。

  北朝鮮は朝鮮戦争後の再建が比較的早く、1960年代から70年代にかけて国民1人当たりの総所得は韓国を上回っていた。だが韓国銀行(中央銀行)の見積もりによると、1990年には韓国の方が北朝鮮の5.7倍大きく、この差は2014年に21倍強へと拡大した。

 

原題:Kim Taps Image of North Korea’s Eternal Leader to Project Power(抜粋)