商社5社の減損1兆2300億円、資源中心に損失拡大-16年3月期決算

  • 三菱商事と三井物産が初の赤字、伊藤忠など3社も純利益計画未達に
  • 今期の純利益は伊藤忠が3500億円と2期連続で商社トップの見通し

総合商社5社の2016年3月期連結決算(国際会計基準)が10日までに出そろった。原油や銅などの商品価格の下落により資源分野を中心とした5社合計の減損損失は前の期と比べて8割近く拡大して1兆2300億円に膨らんだ。三菱商事と三井物産が初の赤字決算となったほか、伊藤忠商事と住友商事、丸紅の3社も期初計画と比べて大幅な利益未達となった。

  同日決算を発表した三井物産の安永竜夫社長は「初の赤字決算を社長として重く受け止めている」とした上で、「収益基盤の回復、特に非資源分野の強化が待ったなし」と述べた。チリの銅事業や豪州の液化天然ガス(LNG)事業など計3500億円の減損を計上。三菱商事も資源事業の減損を主因に4260億円の巨額損失を計上した。

  住友商事はマダガスカルのニッケル事業で770億円のほか、油ガス田掘削用の鋼管事業で181億円、干ばつの影響を受けた豪穀物事業で114億円など計1951億円の減損を計上。丸紅もメキシコ湾油ガス田事業やチリ銅事業など計1625億円の減損となった。伊藤忠は欧州タイヤ事業で310億円など計955億円と相対的に減損規模は小さく、純利益で初の商社トップとなった。

  資源価格の低迷は続き、今期も引き続き資源事業は各社苦戦する見通し。減損計上の反動による影響を除けば、非資源事業での利益の伸び方により各社の純利益に差が出る見通し。

  伊藤忠は中国政府系の中国中信集団(CITIC)傘下企業への投資による利益貢献が年間を通じて寄与することなどで、純利益は3500億円と2期連続で商社トップを見込む。

  三菱商事の垣内威彦社長は今期から3年間の新中期経営計画において「資源事業での利益はあえて見込んでいない」と述べ、非資源分野については「順調に収益基盤は積み上がってきている」と語った。丸紅の国分文也社長は「資源分野のみならず、船舶や建設機械など資源価格にもある程度影響を受ける非資源分野でも苦しい環境は続く」と述べた。

【総合商社5社の16年3月期の業績一覧】

  減損損失 純利益実績 17年3月期純利益予想
伊藤忠商事        955   2404(-20)       3500(46)
三菱商事       4260  -1494( --)       2500( --)
三井物産          3500   -834( --)         2000( --)
住友商事       1951    745( --)       1300( 74)
丸紅          1625     623(-41)       1300(109)

(注:単位は億円、カッコ内は前の期比%、三菱商の減損額には引当金等も含む)