桜井日銀委員:博士号取らず、東大院は単位取得退学-国会で説明

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  • 博士課程修了は博士論文審査と試験合格が要件-文部省令
  • 中曽副総裁「経歴詐称に当たらず」、表記は「適切に対応していく」

日本銀行の桜井真審議委員は、東大大学院の博士課程は単位取得退学しており、博士号は取っていないことを明らかにした。10日の衆院財務金融委員会で、週刊誌が経歴詐称疑惑を報じたことについて答弁した。

  桜井氏は博士号を取得してないにもかかわらず博士課程修了と日銀ウェブサイトの履歴に記載したことについて、日銀は従来、単位取得退学も含めて博士課程修了と表記しており、「私の経歴についてもそれに従った」と述べた。

  文部省令の大学院設置基準第17条によると、博士課程修了の要件は、原則大学院に5年以上在籍し、30単位以上取得し、かつ必要な研究指導を受けた上で、当該大学院が行う博士論文の審査および試験に合格することと規定されている。

  中曽宏日銀副総裁は、「公表している役員の履歴については、表記の統一も図りつつ、本人の申告に基づいて主要な経歴を記載している」と説明、桜井委員の履歴について「経歴詐称に当たるものではない」と述べた。その上で「このような表記の在り方が今のままで良いかどうかは、文部科学省の答弁などを踏まえて適切に対応していきたい」と述べた。

訂正

  9日発売の週刊ポストは、日銀ウェブサイトの桜井氏の履歴には東大大学院経済学研究科博士課程修了と記載されているが、博士論文の提出記録はなく博士号を持っていない、と報じた。これに対し、日銀広報室は、一般的に単位取得退学は博士課程修了と表記することがあり、本人が博士号を取得している場合はPh.D取得などと明示しているとしている。

  桜井委員の履歴には、1984年4月から大蔵省(現財務省)財政金融研究室特別研究員と記載されている。財政総合政策研究所の冨永哲夫所長は10日の衆院財務金融委で、前身の財政金融研究所で90年5月に桜井氏に特別研究官を委嘱したことは確認したが、84年4月から在籍した事実は確認しなかった。

  桜井委員は「少し曖昧になっており、表記を誤った」とした上で、日銀の履歴には「在籍してなかった大学や、従事してなかった職務は一切記載されてない」と述べた。研究室と研究所、研究員と研究官、84年と90年など所属機関名や官職名、在籍年月の記載が異なっていることについては、訂正できるところは訂正したいと述べた。

岩田副総裁も博士号取得せず

  日銀のサイトでは岩田規久男副総裁の履歴にも博士課程修了と、桜井委員と同じ表現が使われている。岩田副総裁は10日の衆院財務金融委員会で、博士号は取得していないことを明らかにした。黒田東彦総裁を含め、9人の日銀政策委員会で博士号を取得しているのは原田泰審議委員のみ。原田委員の履歴は英語サイトでは学習院大学の博士号が明記されているが、日本語サイトには博士号の記述はなく、最終学歴は東大農学部卒となっている。

  菅義偉官房長官は9日の会見で、日銀のウェブサイトにおける表現の正確性についての事柄と承知しているとした上で、日銀において対応していくと思う、と語った。