円が下落、日本当局の円高けん制や株高で売り圧力-対ドル108円後半

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  • 一時108円89銭と4月28日以来の水準までドル高・円安が進行
  • 円高けん制トーン高まり、投機の円買いの巻き戻し誘発-みずほ証

10日の東京外国為替市場では円が下落し、対ドルで1ドル=108円台後半に水準を切り下げた。日本の当局が円高に対するけん制姿勢を強めているとの見方や日本株の上昇を背景に、円売り圧力が掛かった。

  午後3時10分現在のドル・円相場は108円75銭付近。日経平均株価が午後の取引で300円超に上げ幅を拡大すると、一時108円89銭と4月28日以来の水準までドル高・円安が進んだ。円は主要16通貨に対してほぼ全面安となっている。

  みずほ証券投資情報部の由井謙二FXストラテジストは、「麻生太郎財務相から円高へのけん制トーンが高まってきたというところもあって、急速に進んだ投機の円買いの巻き戻しを誘っている」と説明。また、「円高が進行する中で悪い企業決算が出るとさらに円が買われる悪循環を警戒していたが、あく抜け感から日本株が上昇していることもドル・円のサポートになっている」と言う。

  麻生財務相はこの日午前の参院財政金融委員会での答弁で、為替について一方的に偏った状況が続くと介入すると言っていると発言。午後には衆院財政金融委員会で答弁し、急激な変動は経済に悪影響を与えるとの見解を示した。

  三井住友信託銀行の瀬良礼子マーケット・ストラテジストは、「麻生財務相発言は警戒感を示しているが、疑心暗鬼の人も多いのではないか」と指摘。「今月はサミットもあるし、政治的に難しいのではないか」とし、「せめて100円割らないと難しい」とみる。

  一方、この日はニューヨーク連銀のダドリー総裁が、チューリヒで開催される国際金融システムに関する会議で公開討論会に出席する。先週末6日には、同総裁がニューヨーク・タイムズ紙のインタビューで、年内2度の利上げは妥当な見方との見解を示したことが報じられていた。

  三菱東京UFJ銀行の野本尚宏調査役(ニューヨーク在勤)は、今後の米金融当局者の発言で「6月利上げに含みを持たせるようだと、さすがに金利が上がらざるを得ない」と言い、「そうするともう少しドル買いになるのではないか」とみる。

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