日立専務:M&A含む3000億円投資、3年で-IoTで変革加速へ

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  • 基礎投資に1000億円、M&Aや研究・開発に2000億円
  • 鉄道運行管理やプラント運用制御、リアルタイムで自動的に

日立製作所は、顧客への先端技術を利用した提案を強化するため、今後3年間で企業の合併・買収(M&A)や提携先への出資などを含む投資を総額3000億円規模とする方針だ。国際競争が激化する中、ITを駆使する企業への変革を加速させる。

  さまざまな機器をインターネットでつなぐIoT技術に関する基盤を作るサービス&プラットフォーム・ビジネスユニット(BU)の基礎投資に1000億円を投じ、2000億円程度をM&Aや研究・開発などに充当する。小島啓二専務がブルームバーグとのインタビューで述べた。同氏は4月の組織改変で原子力や鉄道など全事業にまたがる形で設置された同BUの最高経営責任者(CEO)に就任した。M&Aについて「具体的なプランが今あるわけではない。適切に実施したい」と述べるにとどめた。

  米ゼネラル・エレクトリック(GE)や独シーメンスなど、世界の重電機分野でかねてからライバルとしてきた企業がデジタル技術を活用して高い収益率を求める中、日立はITを全事業と組ませることで成長を狙う。例えば、鉄道運行管理やプラント運用を制御する技術とITを組み合わせることで、従来は経験や勘に頼ってきた管理や調整がリアルタイムで自動的に行える。

  小島専務は「従来の日本的な重厚長大の企業から、全く新しいIoT企業としたい」と話す。同氏をヘッドとした、IoT関連の事業チーム「日立インサイトグループ」を立ち上げ、成長が期待できる事業分野で素早い意思疎通を図る指揮系統の中核とする。

「ルマーダ」

  小島専務によると、「Lumada(ルマーダ)」と呼ばれるIoT技術の社内プラットホームを利用し、顧客への提案システムを構築するが、サービス提供は「日立1社では無理。適切なパートナー企業が必要」という。協力企業は「複数になる見込みだが、年内をめどに発表したい」と述べ、早期の事業体制構築を目指すとの考えを示した。

  日立は4月1日付で経営体制の強化を狙い、従来のカンパニー制を廃し12業種のフロントBU制に移行。同時にサービス&プラットフォームBUを設置した。日立は13日に前期業績、18日には次期中期経営計画を発表する予定。

  日立の株価は11日に反発、一時前日終値比2.2%高となった。午前9時41分現在、同1.4%高の487円で取引されている。