ニッケル供給不足が拡大、豪社破たんや操業停止で-住友鉱、16年予測

  • 16年のニッケル世界需給は8万トンの供給不足と予測
  • ニッケル地金の在庫水準は高く、ひっ迫感が出るには時間要する

ニッケル製錬で国内最大手の住友金属鉱山は、2016年の世界のニッケル需給が8万トンの供給不足になるとの予測をまとめた。オーストラリアのニッケル会社の経営破たんなどを受けて1月時点の予測である4万3000トンの供給不足から不足幅が拡大するとみている。

  ニッケル営業・原料部の大山正紀部長が9日、ブルームバーグとのインタビューで述べた。16年のニッケル需要量は前年比1.1%増の191万4000トン、供給量は同6.4%減の183万4000トンをそれぞれ見込む。年初に経営破たんを発表したオーストラリアのクイーンズランド・ニッケルが4月以降の生産を停止したことで約2万トン、ブラジルのボトランチンが5月末に生産を停止することで1万トン強供給が減少することを織り込んだ。

  ニッケル価格が1トン当たり9000ドル前後の水準では世界の生産会社の6-7割が赤字だと豪マッコーリーは4日25日付のリポートで指摘している。

  9日のロンドン金属取引所(LME)のニッケル相場(3カ月物)は1トン当たり8605ドル。過去1年間で約4割下落した。ニッケルは建材などに使用されるステンレス鋼の原料となる。ニッケルの世界需要の約半分を占める中国の経済成長鈍化の影響で、16年の同国のステンレス鋼生産もほぼ横ばいにとどまるとみている。

  インドネシアがニッケル鉱石の輸出を禁止したことで、原料不足から中国で生産される安価で低品位のニッケル銑鉄と呼ばれる品種の生産量が同21%減の30万トンに落ち込むと予測していることも今年6年ぶりに供給不足に転換する要因。昨年の世界需給は6万6000トンの供給過剰だったとみる。

  一方、大山部長はLME倉庫を含めた世界のニッケル地金の在庫は少なくとも年間消費量の4カ月弱分に相当する60万トン以上に積み上がっていると推測する。そのため「現在の在庫水準からすると需給ひっ迫感をもたらすにはまだ相当時間がかかる」とも指摘した。