【個別銘柄】旭硝子やアコム高い、ライオンが急伸、ロームは売られる

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10日の日本株市場で、株価変動材料のあった銘柄の終値は次の通り。

  旭硝子(5201):前日比8%高の674円。1ー3月期(第1四半期)の連結営業利益は前年同期比4.9%増の167億円だった、と9日に発表。ディスプレー事業の低調、円高などで売上高は5.4%減ったが、建築用ガラスの販売価格上昇や自動車用ガラスの出荷増に加え、原燃料価格の下落も寄与した。野村証券は投資判断「買い」を継続、季節性で例年1-3月期の利益水準が最も低い点を考慮すると、業績の進捗(しんちょく)は会社計画を上回るペースと指摘した。

  アコム(8572):9.3%高の632円。2016年3月期の連結営業利益は前の期比10%増の155億円だった、と9日に発表。営業貸付金利息や信用保証収益の増収効果で、利息返還損失引当金繰入額など営業費用の増加を吸収した。17年3月期は4.2倍の648億円と計画。野村証券は投資判断を「中立」から「買い」、目標株価を550円から680円に上げた。マイナス金利政策を背景に地方銀行などが個人無担保ローンに注力すると想定され、信用保証事業の拡大が予想されると分析。今期営業利益は会社側を上回る734億円を見込む。

  ライオン(4912):13%高の1548円。1ー3月期(第1四半期)の連結営業利益は前年同期比2.7倍の57億9500万円だった、と9日に発表。オーラルケア、ファブリックケアなど一般用消費財事業が高付加価値品の伸長、原材料価格低下の効果で大幅な増益を達成、東南アジアを中心に海外事業も伸びた。16年12月通期計画を従来の180億円から前期比16%増の190億円に上方修正した。三菱UFJモルガン・スタンレー証券は、想定以上の利益創出でポジティブサプライズと指摘。投資判断「オーバーウエート」を継続した。

  ローム(6963):7.5%安の4205円。16年3月期の連結営業利益は前の期比13%減の336億円だった、と10日午後に発表。タブレットPC向けの電源ICやスマートフォン向け加速度センサーが低迷したLSIの減収減益が響いた。17年3月期はLSI、半導体素子での減収を想定、営業利益は前期比58%減の140億円と計画した。為替前提は1ドル=110円。

  ヤクルト本社(2267):7%安の5210円。10日午後に連結決算を発表、17年3月期の連結営業利益は前期比8.9%減の365億円と計画した。食品製造販売事業のアジア・オセアニアでの拡大や国内堅調、抗悪性腫瘍剤など医薬品製造販売事業の伸びなどから15%増の401億円だった16年3月期からの悪化を見込む。1株配当は32円と前期50円から減配を計画。

  ヤマダ電機(9831):4.7%高の556円。16年3月期の連結営業利益は前の期比2.9倍の582億円だった、と9日に発表。大規模な店舗閉鎖や業態転換、在庫最適化などを通じ店舗効率が向上。売上総利益が大幅に改善したほか、販売管理費の削減も寄与した。17年3月期は23%増の714億円を計画。SMBC日興証券は実績、今期計画とも同証予想を上回りポジティブと評価。人件費効率化が進み、増税前の特需がなくても計画の達成は可能とみており、目標株価を700円から730円に上げた。投資判断は「1(アウトパフォーム)」を継続。

  アシックス(7936):11%高の2362円。1ー3月期(第1四半期)の連結経常利益は前年同期比7.7%増の131億円だった、と9日に発表。ランニングシューズやアシックスタイガーシューズが好調だった海外売上高の増収効果、為替差損の減少などが寄与した。前期比2割増の270億円を見込む16年12月通期計画に対する進捗率は49%。三菱UFJモルガン・スタンレー証券は、日本と東アジアの伸びをけん引役にポジティブな決算と評価。一方、第2四半期は米州の減速に要注意とした。投資判断は「オーバーウエート」を継続。

  日東電工(6988):8.2%高の6840円。独自の経皮吸収技術「PassPort System」に関するパートナーシップ契約を第一三共(4568)と結んだ、と10日に発表。同技術は、痛みなく安全に皮膚表面に微細孔を開けるマイクロポレーション技術と粘着テープに薬物を加え皮膚に貼り付ける技術を組み合わせたもの。注射や点滴に限定されていた薬物の経皮投与の利便性向上につながる可能性があり、今後両社で実用化を加速させる。

  日本ハム(2282):7.3%高の2629円。9日に連結決算を発表、17年3月期純利益は前期比42%増の310億円と計画した。豪州や米州など海外事業を中心とした食肉事業の減益や為替差損、のれんなどの減損損失計上が響き、前の期比30%減の218億円だった16年3月期からの回復を見込む。SMBC日興証券は、今期ガイダンスはコンセンサスを超えポジティブな印象と分析。加工事業でのコスト削減効果が期待を超える可能性が高く、投資判断「1(アウトパフォーム)」、目標株価3480円を継続した。

  浜松ホトニクス(6965):6.7%安の2795円。15年10月ー16年3月期(上期)の連結営業利益は前年同期比19%減の111億円だった、と9日に発表。光半導体や画像計測機器を中心に売上高は1%伸びたが、電子管の減収減益などが響いた。16年9月通期の営業利益計画を232億円から前期比14%減の204億円に下方修正した。

  サンケン電気(6707):15%安の314円。16年3月期の連結営業利益は前の期比39%減の68億円だった、と9日に発表。中国市場の低迷などで半導体デバイス事業の売り上げが減少、携帯電話基地局に関連した設備投資縮小の影響に加え、購入薬液の汚染による加工不良発生なども響いた。期末配当はゼロとし、年間で1株3円50銭と前の期の6円50銭から減配。17年3月期営業利益は2.9%増の70億円を見込む。

  西日本鉄道(9031):6.7%安の576円。9日に連結決算を発表、17年3月期の営業利益は前期比27%減の170億円と計画した。運輸業での訪日外国人の増加による増収や動力費減少に加え、流通業やホテル事業の堅調で27%増の233億円だった16年3月期から悪化を見込む。また、熊本地震の経済に与える影響にも懸念を示した。

  イーレックス(9517):17%高の1879円。16年3月期の連結営業利益は前の期比17%増の17億2300万円だった、と9日に発表。従来計画の15億3500万円から上振れ。高圧分野における電力販売のエリア拡大、既存エリアでの顧客数増加などで小売部門の売り上げが伸長、販売・一般管理費の増加を吸収した。17年3月期は契約供給施設や販売電力量の増加で前期比55%増の26億6400万円を見込む。

  東ソー(4042):8.1%高の510円。16年3月期の連結営業利益は前の期比35%増の694億円だった、と10日午後2時に発表。石油化学製品の価格下落で売上高は6.9%減ったが、塩化ビニール樹脂の販売数量増加や原燃料安などを受けた交易条件の改善が寄与した。17年3月期営業利益は前期比3.7%増の720億円と計画した。

  リンテック(7966):7.5%高の2197円。16年3月期の連結営業利益は前の期比4.8%増の177億円だった、と10日午後1時に発表。スマートフォン、自動車向けに積層セラミックコンデンサー関連テープが伸びるなど主力の電子・光学関連が好調、コンビニエンスストア向け耐油紙など洋紙・加工材関連も堅調だった。17年3月期は前期比13%増の200億円を見込む。

  山九(9065):9.5%高の541円。16年3月期の連結営業利益は前の期比14%増の243億円だった、と10日午後1時に発表。物流事業で海外の機械・設備輸送作業が堅調、国内も第3四半期以降に回復基調に転じた。機工事業も東南アジアなど海外が伸び、従来計画の220億円から上振れた。期末配当は1株11円と従来予想の10円から積み増した。17年3月期営業利益は前期比0.8%増の245億円と計画した。

  ユナイテッドアローズ(7606):14%安の3730円。16年3月期の連結営業利益は前の期比2.5%減の111億円だった、と9日に発表。既存店の増収やインターネット通販の伸びで売上高は7.5%増えたが、円安や過年度商品の値引き販売などで利益率が低下した。17年3月期営業利益は前期比2.6%増の114億円を計画、市場予想の134億円を下回る。SMBC日興証券は、想定以上に慎重な計画でネガティブと指摘した。

  協和エクシオ(1951):17%高の1450円。発行済み株式総数の2.77%に当たる270万株、金額で30億円を上限に自社株買いを行うと9日に発表。期間は10日から9月30日までで、当面の需給好転を見込む買いが入った。同時に発表した17年3月期の連結営業利益計画は前期比8.6%増の200億円、増益率は前期の0.3%から拡大する。

  タカタ(7312):7.4%安の315円。16年3月期の連結純利益は130億円の赤字と、従来計画の50億円の黒字から悪化したもようと9日に発表。製品保証引当金を追加計上することを踏まえた。

  理想科学工業(6413):9.2%安の1520円。16年3月期の連結営業利益は前の期比4.2%減の65億5100万円だった、と9日に発表。孔版事業の減収、アジアでの販売費用増加や新製品の開発費負担などが響いた。17年3月期は前期比39%減の40億円と連続減益を計画。為替の円高想定による減収、新製品投入に伴う設備投資の減価償却費増加などを見込む。

  ニチアス(5393):13%高の794円。発行済み株式総数の2.26%に当たる300万株、金額で15億円を上限に自社株買いを行うと9日に発表。期間は10日から7月29日までで、当面の需給好転が見込まれた。同時に示した16年3月期の連結営業利益は、半導体製造装置向け製品や自動車部品の伸びで前の期比32%増の151億円。17年3月期は2.6%増の155億円を見込む。

  EIZO(6737):14%高の3000円。16年3月期の連結営業利益は前の期比14%増の50億8100万円だった、と9日に発表。主力の映像表示システムでフレームレスモニターなどの販売が好調、海外では診断用途などメディカル市場向けも伸びた。17年3月期は前期比12%増の57億円を見込む。

  新日本科学(2395):80円(17%)高の557円でストップ高。投資先のシンガポールのWaVe Life Sciences社が米ファイザーと核酸治療薬の共同開発で合意、Wave社が特許権を持つ立体選択的な核酸合成技術に関し、最大で総額9億1100万米ドル(約1000億円)とロイヤルティーのライセンス契約を結んだと9日に発表。今期の連結利益押し上げにつながるとみられた。

  メディカルシステムネットワーク(4350):100円(19%)高の637円でストップ高。日本郵便の郵便サービスを活用、在宅医療を受ける患者への処方薬などの宅配サービスを開始すると9日に発表。開始時期は6月上旬ごろで、今後の収益貢献が見込まれた。

  カルナバイオサイエンス(4572):6.7%安の3210円。1ー3月期(第1四半期)の連結営業損益は1億1400万円の赤字と、前年同期の9800万円の黒字から悪化したと9日に発表。創薬支援事業で、前年同期に小野薬品工業向けの大規模スクリーニングサービスの売り上げ計上が集中した反動があった。

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