ソフトバンク:16年3月期純利益、市場予想下回る-米市場で苦戦

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  • スプリントのコスト削減は順調-孫社長
  • 資金余剰生まれれば自社株買いや増配も-孫社長

ソフトバンクグループが10日に発表した2016年3月期の純利益は4742億円となり、市場予想を下回った。国内の通信事業は安定して収益を上げたが、米市場での収益化に苦戦した。

  アナリスト18人の市場予想平均は5765億円だった。会社が発表した営業利益は9995億円(市場予想平均1兆609億円)、売上高は9兆1535億円(同8兆9833億円)だった。今期(2017年3月期)の予想は公表しなかった。

  積極的な買収策で事業規模を拡大してきたソフトバンクの孫正義社長だが、米子会社スプリントの業績懸念により、株価は14年初頭に9000円台だったのを最後に伸び悩んでいる。ソフトバンクは自社株買いや増配を発表し、株主還元策を強化。安定した国内の通信事業を収益源として国内外で投資する一方で、スプリントの業績改善に取り組んでいる。

  孫正義社長は10日の記者会見で、スプリントの「コスト削減が順調に進んでいる」とした上で、スプリントの業績改善により年間2000億円規模で増益になるとの見方を示した。国内通信事業は安定的に推移しており、「フリーキャッシュフローが良くなっている」と話した。

  スプリント事業のセグメント利益は、低料金プランへの移行が進んだことや人員削減費用を計上した影響で前の期と比較して8.0%減の615億円となった。ソフトバンクの16年1-3月期の純利益は452億円、営業利益は1242億円で、いずれも前年同期の889億円、1771億円から減少した。

投資は継続

  買収による会社の成長を重視していたソフトバンクだが、株価が伸び悩む中で株主還元策を相次いで実施している。2月には、同社としては過去最大となる5000億円を上限とした自社株買いを発表。また4月には、15年3月期は40円だった年間配当を前期は41円の予定とし、今期は44円まで引き上げる見通しだと明らかにした。

  孫社長は会見で、投資活動は継続的に行っているが、資金的に余裕がある時は自社株買いや増配があり得ると述べた。またウェブ事業の売却を検討する米ヤフーとは、交渉はしていないと話した。

  エース経済研究所の安田秀樹アナリストは、スプリントについて、主要な経営指標に改善がみられたことから、孫社長の「てこ入れの成果が出てきた。来期に向けて期待が持てる」と述べた。