5月9日の海外株式・債券・為替・商品市場

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欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次 の通り。

◎NY外為:ドルが5営業日続伸-年内の利上げ観測や中国貿易統計で

9日のニューヨーク外国為替市場では、ドルが5営業日続伸と3月 以来の長期連続高となった。労働市場で成長減速の兆しが見られるもの の、米金融当局は引き続き年内利上げの方針を維持しているとの観測が 背景。

ドルは資源輸出国の通貨に対して値上がり。特に南アフリカ・ラン ドに対して大きく上昇した。中国の貿易統計で、輸出入ともに期待外れ な内容が続いたことを受けた。ドルは対円でも上昇。6日発表された4 月の米雇用者数の増加幅は市場予想を下回ったものの、先物トレーダー らはなお、年内少なくとも1回の利上げを50%近くの確率で織り込んで いる。

コモンウェルス銀行(CBA)のストラテジスト、ピーター・ドラ ギセヴィッチ氏(ロンドン在勤)は「若干のドル反発局面を見込んでい る」とし、「米金融政策をめぐる基本シナリオは依然として2回の利上 げだ。中国の統計で弱さが見られ、資源国通貨には重しとなっている」 と続けた。

主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポ ット指数は前営業日比0.6%上昇。前週は週間で1.5%高と、昨年11月6 日以来の大幅高となっていた。ドルは対円では1.1%上げて1ドル=108 円32銭。一時4月27日以来の高値を付けた。

ドルの反発局面にもかかわらず、ヘッジファンドのドル下落を見込 むポジションは拡大している。商品先物取引委員会(CFTC)の最新 のデータによると、ヘッジファンドなど大口投機家が建てている主要8 通貨に対するドルのショートポジションからロングを差し引いたネット ショートは、2014年4月以来で最大。対円でのドルのネットショート は、データでさかのぼれる1992年以降で最高となった4月のピークに近 い。

ノムラ・セキュリティーズの金利調査責任者、ジョージ・ゴンキャ ルベス氏は電子メールで、投機家は「ドルに対して極めて弱気」になっ たと指摘。「景気の勢いが鈍化している兆候を踏まえ、投資家らは今年 の利上げペースの下方向への調整を続けている」と

原題:Dollar Extends Best Streak Since March on Fed Speculation, China(抜粋)

◎米国株:S&P500はほぼ変わらず、ヘルスケアが上昇-商品株安い

9日の米株式市場ではS&P500種株価指数がほぼ変わらず。ヘル スケア株が上昇した一方、商品関連銘柄は下げた。残る主要決算の発表 や、景気の先行きを示す手掛かり材料を待つ雰囲気が強かった。

前週2週間の下げが約3カ月で最大だったヘルスケア株は、この日 は買われた。一方、原油安を背景にエネルギー銘柄は2営業日連続で下 げた。金属価格の軟調で他の商品株も安い。銅相場の下げを嫌気し、フ リーポート・マクモランは11%安。同社は一部資産の売却で合意した。 インターネット金融サービス会社のレンディングクラブは35%急落。社 内調査の結果、ローン債権の販売で権利の乱用があったことが判明し、 最高経営責任者(CEO)が辞任した。

S&P500種株価指数は前週末比0.1%上昇して2058.69で終了。 ダ ウ工業株30種平均は34.72ドル安の17705.91ドルで終えた。

フランク・キャピタル・パートナーズの運用担当者、ブライアン・ フランク氏は「現在、相場を下支えしているのは選択的消費株や生活必 需品、ヘルスケア銘柄だ」と指摘。「エネルギーや素材が下げる一方、 他のセクターが上昇する典型的な二極化の相場展開だ。金属は現在、在 庫がかなり積み上がっており、相場は強い圧力を受けている」と述べ た。

商品関連銘柄のさえない値動きは、世界経済の成長ペースめぐる悲 観的な見方がくすぶり続けていることを示唆している。8日に発表され た4月の中国の貿易統計では輸出がドルベースで減少し、輸入は1年6 カ月連続の前年割れとなった。

カナダ、アルバータ州の山火事は風向きの変化でオイルサンド生産 地域から遠ざかり、米原油在庫が大きく減少するとの見方が後退。ニュ ーヨーク原油先物相場は2.7%下げた。

S&P500種は4月20日に付けたピークから約2%下落。2月に付 けた1年10カ月ぶり安値からの戻りが15%で足踏み状態になっている。 昨年5月に付けた過去最高値に接近した後、リスク資産への買い意欲が 弱まった。アップルやマイクロソフトなど大型ハイテク企業を中心に第 1四半期の企業決算が低調となったことに加え、経済指標が軟調なこと が背景にある。この日の相場は高値と安値の差が10ポイント未満と、3 週間ぶりの小幅な値動きとなった。

S&P500種構成銘柄の第1四半期業績に対するアナリスト見通し は7.4%減と、4月初めの9.5%減から上方修正されている。

S&P500種の10セクターではヘルスケア指数が最も上昇。テバフ ァーマスーティカル・インダストリーズが下落基調にあるジェネリック (後発医薬品)価格について、安定し始めるとの見方を示したため、ジ ェネリックメーカーの株価がヘルスケア株全体を押し上げた。

原題:S&P 500 Little Changed, Health-Care Rally Offsets Energy Slide(抜粋)

◎米国債:上昇、10年債利回り1.5%に低下の可能性も-シティが指摘

9日の米国債は上昇。シティグループは米国の雇用減速や海外投資 家からの需要を背景として米国債利回りは過去最低水準に押し下げられ る可能性があると指摘した。

シティの米金利ストラテジスト、ジャバズ・マタイ氏は6日付の顧 客向けリポートで、10年債利回りは1.5%に低下する可能性があると述 べた。6日朝発表された4月の米雇用統計は予想を下回る雇用増となっ た。シティグループはまた、米利回りは主要先進国よりも高いことか ら、米国債の投資妙味が高まっていると指摘する。

マタイ氏は「賃金上昇は今のところはほとんど加速していないこと から、米金融当局が様子見の姿勢を続ける余地がなお残されている」と 指摘、「長期債利回りがさらに低下し、1.5%を試す可能性はかなり高 い」と続けた。

バンク・オブ・アメリカ(BOA)メリルリンチのデータによれば 米国債のリターンは年初から3.6%。トレーダーは世界的な成長減速の 兆候を背景に米当局による金融政策引き締めの見方を後退させている。 金利先物市場が示唆する6月の連邦公開市場委員会(FOMC)での利 上げの可能性はほぼなくなった。ゴールドマン・サックス・グループや BOAのエコノミストは先週、次回利上げ時期の見通しを6月から9月 に修正した。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間 午後5時現在、10年債利回りは前営業日比3ベーシスポイント(bp、 1bp=0.01%)低下の1.75%。同年債(表面利率1.625%、2026年2 月償還)価格は1/4上げて98 7/8。

ブルームバーグがまとめたデータによると、6月に利上げされる確 率は約4%。年末までの確率は44%となっている。

2年債と10年債の利回り格差は104bp。6日時点は98bpと、3 月以来の最小だった。

ドミニック・コンスタム氏らドイツ銀行のストラテジストやエコノ ミストは「10年債利回りは年末まで1.75%で横ばいになると引き続き予 測している一方、国内経済の減速リスクが高まるとみており、そうなれ ば利回り曲線は著しくブルフラット化する可能性がある」と指摘した。

原題:Citigroup Says 10-Year Yield May Drop to 1.5% as Treasuries Gain(抜粋)

◎NY金:反落、11週間ぶり大幅安-米利上げへの警戒が再び強まる

9日のニューヨーク金先物相場は反落。11週間ぶりの大幅安となっ た。米金融当局が年内の利上げ軌道をなお進んでいるとの観測を背景に ドルが上昇したことが手掛かり。

RJOフューチャーズ(シカゴ)のシニアマーケットストラテジス ト、フィル・ストライブル氏は電話インタビューで「金は今朝方、大き く売られた」と指摘。「米金融当局はいずれ利上げをするだろう。来月 発表の雇用のデータが強い内容なら、7月に利上げがあるかもしれな い」と述べた。

ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物6月限は前週末 比2.1%安の1オンス=1266.60ドルで終了。2月16日以来の大幅下落と なった。過去5営業日では4日目の値下がり。

銀先物7月限は2.5%安の17.089ドル。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のプラチナとパラジウムも 下落した。

原題:Gold Caps Biggest Loss in 11 Weeks on Revived Rate Concerns(抜粋)

◎NY原油:2週ぶり安値、カナダ山火事が石油産地から遠のく

9日のニューヨーク原油先物市場ではウェスト・テキサス・インタ ーミディエート(WTI)先物が大幅反落し、2週間ぶりの安値。カナ ダ、アルバータ州の山火事は風向きの変化でオイルサンド生産地域から 遠ざかり、米原油在庫が大きく減少するとの見方が後退した。モルガ ン・スタンレーは延焼が抑制されて鎮火のめどが立てば、オイルサンド 生産施設の過半数は1週間ほどで平時の生産水準に回復可能だとみてい る。

LPSパートナーズ(ニューヨーク)のエネルギーOTC部門責任 者、マイケル・ハイリー氏は電話取材に対し、「損傷が残らなければ、 すでに失われた生産は取るに足らない。米在庫水準はすでに過去最高水 準にあるためだ」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物6月限は前営 業日比1.22ドル(2.73%)安い1バレル=43.44ドルで終了。ロンドン ICEのブレント7月限は1.74ドル下げて43.63ドル。

原題:Oil Falls to Two-Week Low as Wildfires in Canada Shift Direction(抜粋)

◎欧州株:反発も上げ幅縮小-原油安が中銀支援への楽観損ねる

9日の欧州株式相場は上昇。2月以来の大幅安となった先週から反 発したものの、中央銀行が支援策を継続するとの楽観を原油安が損ね、 上げ幅を縮める展開となった。

デンマークの風力発電用タービンメーカー、ヴェスタス・ウイン ド・システムズは3%上昇。米国の税制改正案は受注への追い風となる との見方をバークレイズが示した。

一方、アングロ・アメリカンとアルセロール・ミタルは2桁の下げ に沈み、ストックス欧州600指数の業種別19指数の中で鉱業銘柄は最も 大きな下落率に見舞われた。中国貿易統計が予想を下回り、金属が売ら れたことが背景にある。英タローオイルが5.4%下げるなど、石油・ガ ス銘柄も値下がり。カナダの山火事が生産に悪影響を及ぼすとの懸念が 薄れ、原油が下落に転じたことに反応した。

ストックス600指数は前週末比0.5%高の333.22で終了。一時 の1.4%から上げ幅を削ったものの、19日以来の上昇率を記録した。西 欧市場の主要株価指数の中ではドイツのDAX指数が1.1%上昇で、上 げが目立った。3月の製造業受注が増えたことが手掛かり。

ロンバー・オディエのジュネーブ在勤ストラテジスト、サミー・チ ャー氏は「欧州の経済指標はこれまでまあまあで、ドイツ製造業受注は 改善した。一方で米雇用統計は当局が利上げを急ぐ必要性がないことを 示唆した」と発言。「中国の経済指標で喜ぶのは難しいとしても、少な くとも急減速がなく、ハードランディングの脅威が消えつつあることに 安心し始めることはできる」と付け加えた。

原題:European Stocks Pare Rebound as Oil Hurts Central Bank Optimism(抜粋)

◎欧州債:イタリア国債の長短金利差が拡大――当局が50年債発行を検討

9日の欧州債市場ではイタリアの長期債のパフォーマンスが短期債 を下回った。イタリア債務管理局のカンナータ局長が50年債発行を検討 していると明らかにしたことが背景にある。

5年物と30年物の利回り格差(スプレッド)は昨年11月以来の大き さに拡大。イタリア紙コリエレ・デラ・セラの報道によれば、カンナー タ局長は50年債の潜在的需要を分析中で、「現行水準を鑑みれば、興味 深い選択肢だ」と語った。

イタリアが50年債を起債すれば、先月発行したベルギーとフランス に加わることになる。欧州中央銀行(ECB)の緩和政策や資産購入プ ログラムで国債利回りが低下したことが背景にある。イタリアがこれま でに入札で発行した最も償還期間の長い普通国債は30年債だった。

INGグループ(アムステルダム)のシニア金利ストラテジスト、 マルティン・ファンフリート氏は「利回り曲線(イールド・カーブ)が ややスティープ化しつつある」とし、「フランスとベルギーが長年にわ たり50年債発行を検討していたのは周知のことで、実際に起債した。今 現在、イタリアも検討してるため、これが超長期債に一定の圧力を加え ている」と語った。

ロンドン時間午後4時7分現在、イタリア5年債利回りは前週末比 2ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の0.35%。同国債 (表面利率0.65%、2020年11月償還)価格は0.065上げ101.33。30年債 利回りはほぼ変わらずの2.68%。両国債のスプレッドは232bpと、昨 年11月11日以降で最大となった。

イタリア10年債利回りは1bp低下し1.48%、同年限のドイツ国債 利回りも1bp下げ0.13%。一時は0.12%と、先月18日以来の低水準を 付けた。

原題:Italy’s Long Bonds Underperform as Nation Mulls 50-Year Sale(抜粋)

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