中国は不良債権問題を直視すべきだ-共産党機関紙が警告発する

  • 人民日報が「権威ある人物」のインタビューに基づく論説記事掲載
  • 過去における同様の論説記事は「大きな影響」-野村

中国の債務増大リスクが世界を不安にさせており、中国は不良債権問題を直視する必要があると中国共産党の機関紙、人民日報が認めた。

  9日付の人民日報は「権威ある人物」とのインタビューに基づく論説記事を1面と2面に掲載。2面では紙面全体がこの記事に割かれている。氏名が明示されていないこの人物は、高水準のレバレッジ(借り入れ)が外国為替市場や株式、債券、不動産、銀行の与信のリスクにつながる「原罪」だと指摘した。

  同紙によれば、この人物は中国は短期的な成長よりレバレッジ解消を優先するべきだと主張。金融緩和を通じて経済を刺激するというような「空想」は捨て、膨れ上がる不良債権を隠し立てしたり対応を遅らせたりすることなく、積極的に対処することが必要だと呼び掛けた。

  野村ホールディングスの中国担当チーフエコノミスト趙揚氏はリポートで、「全体的にこの報道は将来の政策緩和が一段と慎重になり、政府が改革ペースを速めようとする可能性を示唆している」と指摘。過去における同様の論説記事は「大きな影響」があったと振り返った。

  今回の記事は、この「権威ある人物」が「高水準のレバレッジは必ず高水準のリスクにつながるだろう」とした上で、「対応を誤ればシステミックな金融リスクや経済のマイナス成長、家計貯蓄の消失さえ招くだろう。致命的なことだ」と述べたとも伝えた。

債務の株式化

  記事は李克強首相が中国企業の過剰な借り入れを減らすための試みとして提唱したデット・エクイティ・スワップ(債務の株式化)にも言及。これに関してこの人物は、一般的に企業破綻は回避すべきだが、救済できない「ゾンビ」企業の破綻は容認すべきだと論じ、債務の株式化はコストが大きく、欺瞞(ぎまん)的だと話したという。

  記事によれば、近い将来において引き続き経済政策の焦点となるのは供給サイドの改革。中国経済は刺激策なしでも十分に成長できるものの、1年や2年ではなくかなりの期間において経済成長の推移が「U字型」や「V字型」ではなく「L字型」になるだろうとの見方を示した。

原題:Warning on China’s Debt Comes Via Communist Party Mouthpiece (3)(抜粋)