三菱重:今期営業利益見通しは市場予想上回る、新規事業検討へ

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三菱重工業は9日、今期(2017年3月期)の営業利益が3500億円になりそうだと発表、株価は上昇した。客船など課題事業の対策に取り組む一方で、新規事業の選定も進める。

  株価は一時、2月15日以来の日中上昇率となる前週末終値比9.4%高となった後、同5.3%高の402.3円で取引を終了した。今期の営業利益見通しは前期比13%増となる。ブルームバーグが集計したアナリスト15人の予想平均は3337億円だった。純利益は1300億円(市場予想:1442億円)、売上高は4兆4000億円(市場予想:4兆4456億円)との見通しも明らかにした。

  火力や原子力発電などのエネルギーから航空機、ロケットまで手掛ける三菱重では、グローバル競争力強化のために、18年3月期に売上高5兆円、営業利益4500億円を目指している。ブルームバーグの集計データによると、競合の米ゼネラル・エレクトリック(GE)の15年12月期の売上高は1152億ドル(12.4兆円)、独シーメンスの15年9月期の売上高は756億ユーロ(9.3兆円)だ。

  宮永俊一社長は9日、記者会見で「受注についてはまだ足りない」と話し、「プラス4000億円は欲しい」と述べた。今期の受注は5兆円を見込んでいる。現在の中期計画は18年3月期が区切りとなるが、それまでに改革は終わらせ、その次の期以降は「GEやシーメンスに近づく」ための「飛躍のステージとする」と述べた。

客船、MRJ

  三菱重は客船や三菱リージョナルジェット(MRJ)など建造や開発が遅れた事業の立て直しを急ぐ。大型クルーズ客船2隻では、設計変更や不具合への対応などから再三、納期の延長を余儀なくされ、前期までの3年間で2376億円の損失を計上した。国産初のジェット旅客機となるMRJも開発計画を延期しており、15年12月には初納入を従来の17年4-6月から18年に先送りし、4度目の納入延期となった。

  発表資料の中で「MRJ開発スタートからすでに10年近く過ぎており、MRJ事業に続く新規事業については、次期中期計画の中で検討」するとしている。宮永社長は会見で、「現在考えているところ」で、「全く新しい事業になる可能性がある」と述べた。航空機関連ではなく、「これまでやったことのある事業かどうかも言えない」と話した。