グロース氏:米利上げの可能性排除できず-期待外れの雇用者数でも

  • エラリアン、キーセル、ダドリーの各氏も同様の見方
  • 賃金の伸び加速で6月利上げの可能性も、とグロース氏

6日に発表された4月の米雇用統計では、非農業部門雇用者数の伸びがエコノミストの予想を下回った。だが、世界で最も影響力がある債券投資家3人と、ニューヨーク連銀のダドリー総裁は、米金融当局がそれでも複数回の追加利上げ実施の方向にあるとの見方を示唆した。

  ジャナス・グローバル・アンコンストレインド・ボンド・ファンドの運用に当たるビル・グロース氏は、米金融当局が6月の次回連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げに動く可能性があると指摘。独保険会社アリアンツの主任経済アドバイザ ー、モハメド・エラリアン氏は年内2回の米利上げがあるかもしれないと語った。

  パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)のグローバルクレジット担当最高投資責任者(CIO)、マーク・キーセルと、ダドリー総裁もこうしたコメントに同調してみせた。

  4月の非農業部門雇用者数の増加幅は16万人と、ブルームバーグが調査したエコノミストの予想である20万人を下回った。しかし、投資家や政策当局者は米金融当局が利上げに踏み切る可能性を排除しないとコメント。また、連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長は平均時給も注視している。4月の平均時給の伸びは前年同月比2.5%と、予想を上回った。

  グロース氏は6日、ブルームバーグのテレビ番組で、「6月利上げの可能性がなくなったのか、それほど確信を持てない」とし、「イエレン議長は雇用者数よりも賃金を注目しており、2.5%はそれなりの伸びだ」と話した。

  ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、米10年国債利回りは日本時間9日午前10時51分時点で1.78%とほぼ変わらず。

  ブルームバーグ・ビューのコラムニストでもあるエラリアン氏は6日、ブルームバーグに対し、「米当局は年内に少なくとも1回利上げすると考えられ、2回の可能性もある」と発言。金融市場が比較的落ち着いていることやドル安傾向を背景に、金融当局は利上げしやすい環境にあり、「一つの好機と言える」との考えを示した。

  キーセル氏も6日、ブルームバーグのテレビインタビューで、米金融当局が「年末までに1回ないし2回」の利上げを行うと予想した。

  ダドリー総裁は、雇用統計の発表を受けて6日の米紙ニューヨーク・タイムズ(オンライン版)に掲載されたインタビュー記事で、年内2回の利上げを見込むのが妥当だと述べた。

原題:Bill Gross, Mohamed El-Erian Warn Against Counting the Fed Out(抜粋)