米国債市場分裂への懸念浮き彫りに-米財務省の最新調査

米国債のトレーダーにとって、集中化が必要だという一部の声に同調するのは簡単だが、真の難題はそれをどう行うかだ。

  13兆4000億ドル(約1438兆円)規模の米国債市場の基本的構造であるディーラー同士の取引や顧客との取引の方法は分裂しつつある。ディーラーのプラットフォームでのビジネスの大半は現在、取引を中央で決済する必要のない自動取引会社によって行われている。また、少なくとも7つの新たな取引市場が準備中で、買い手と売り手を結ぶ手法はそれぞれ異なる。さらに、ウォール街の大手金融機関のディーラーは独自のシステムを持つ。

  こうした分裂は、世界で最も安全性が高く厚みのある債券市場という看板の下で無秩序感を生み出しており、市場構造に関する米財務省の最近の調査への回答の中で懸念が浮き彫りになった。技術の進歩とバランスシートに対するプレッシャーは、他の資産クラスが経験した変化を長年寄せ付けなかった米国債市場の構造を変容させつつある。

  デリバティブ市場やリスク管理を専門とするヒューストン大学のクレイグ・ピロング教授(金融学)は「市場と技術、規制が変化した。ディーラーの優位性は崩れている」と指摘した。

  このような変化が重要な問題であるのは、米財務省の規制がつぎはぎ状態で、市場参加者の動向に後れを取っているためだ。実のところこうした市場の不透明性は、状況がどう変化しつつあるかを見極めにくくしている。2014年10月15日に米国債が明確な引き金なく「急騰」した後、米監督当局が協調してデータを収集するのに数カ月を要した。10年物米国債利回りは同日、12分間に16ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下した後で元に戻ったのを受け、1998年以来初となる政府調査が行われた。

原題:Treasury’s Complaint Box Overflows as U.S. Bond Market Splinters(抜粋)