日米欧尻目に国有銀行中心の中国で金融緩和の効果広がる

  • 人民銀は新規融資の提供など市中銀行に指示することが可能
  • 人民銀によれば、3月時点の貨幣乗数は5.1

計画経済が役に立つこともある。日米欧の中央銀行はバランスシートを前例のない規模にまで拡大したものの、市中銀行を通じた融資拡大を促すという点で苦しみ続けている。だが中国の中銀、中国人民銀行は全く異なるアプローチでうまくやっている。

  中国共産党は市場に決定的な役割を委ねると表明しているが、本土の金融システムを引き続き支配するのは国有銀行だ。こうした環境下で2014年以降の金融緩和の効果が表れている。人民銀は新規融資の提供や既存融資の継続を市中銀行に指示できる上に、「政策銀行」への支援も拡大している。

  最も特筆すべきは、人民元を支えるための外貨準備売却に伴って人民銀のバランスシートがこの1年で縮小してきたにもかかわらず、貸し出しが活発を維持していることだ。

  人民銀の政策効果は貨幣乗数で見て取れる。人民銀が6日発表した報告書によれば、3月時点の貨幣乗数は5.1。資金供給は容易でもそれが融資に回らない現状に直面している先進国の中銀とは対象的だ。

  みずほセキュリティーズアジアのアジア担当チーフエコノミスト沈建光氏(香港在勤)は、「人民銀と国務院の銀行に対する権限が大きいため、一段と強力で効果的だ」と指摘し、「中国の貨幣乗数は政府の直接的な影響を受け、他国よりずっと高い」と述べた。

原題:China Revamps Credit Expansion as PBOC Balance Sheet Shrinks(抜粋)