日本株7日ぶり反発、米雇用統計後の市場安定で内需買い-売買最低に

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9日の東京株式相場は7営業日ぶりに反発。米国雇用統計後の為替、米国株市場の落ち着きが好感されたほか、前週末まで続落した反動から見直しの買いが入った。小売や食料品、建設株など内需セクター中心に上げ、直近の下げが目立っていた不動産株も高い。東証1部の売買代金は、ことし最低だった。

  TOPIXの終値は前週末比8.34ポイント(0.6%)高の1306.66、日経平均株価は109円31銭(0.7%)高の1万6216円3銭。

  T&Dアセットマネジメントの山中清運用統括部長は、米雇用統計後の米国株の堅調に触れ、「日本株だけ売り込まれていたため、多少上がっても驚きはない」と指摘。ただし、米経済に明確な力強さは感じられず、「円高の警戒感を消し去ることはできなかった。円高リスクと企業業績の先行き不安を意識しながら、今は積極的に投資する時期を待っている状況」と言う。

  米労働省が6日に発表した4月の雇用統計では、非農業部門雇用者数が前月比16万人増とエコノミスト予想の20万人増を下回った。前月は20万8000人増(速報値21万5000人増)に下方修正。家計調査に基づく4月の失業率は5%と、前月比横ばい。エコノミスト調査では4.9%への低下が見込まれていた。4月の平均時給は前月比0.3%増(前月0.2%増)。

  米雇用統計の低調を受け、金利先物市場では6月の利上げ確率が10%から2%に低下。一方、利上げ観測の後退で6日の米国株は上昇した。ニューヨーク為替市場では1ドル=106円40銭台まで円高・ドル安が進んだが、その後円高の勢いは一服。きょうはおおむね107円30ー60銭台と日本株市場の6日終値時点107円21銭に対しやや円が軟調に推移した。麻生太郎財務相は9日の参院決算委員会で、ドル・円相場の急激な変動は望ましくないとし、「介入する用意があるということを申し上げる」と述べた。

  野村証券投資情報部の尾畑秀一マーケット・エコノミストは、米国が利上げを急がないことは「グローバル景気の回復に追い風になる。極端なドル高を回避できることで米景気の重しにならず、新興国のクレジットリスク懸念も回避できるため、投資家はリスクを取りやすくなる。日本株にとってもポジティブ」としている。

  週明けの日本株は6日続落した反動もあって買い優勢で始まり、日経平均は朝方に一時186円高まで上げ幅を広げたが、その後は伸び悩んだ。円高リスクと企業業績への懸念が根強い上、低調な貿易統計を受けた中国株の弱さが投資家心理にマイナスの影響を与えた。東証1部の売買高は17億1849万株と前週末から2割減少、売買代金は1兆7317億円にとどまり、ことし最低。買い戻し中心の動きをうかがわせた。

  8日発表の中国4月の輸出は、ドルベースで前年同月比1.8%減、輸入は10.9%減。岡三証券投資戦略部の小川佳紀シニアストラテジストは、中国景気は3月に春節(旧正月)による季節要因で持ち直していたが、「4月はドルベースでの弱さが気になる。本質的な部分は弱いままで、金融緩和など政策の効果が出てきていない」と言う。この日の中国上海総合指数は下落率が2%を超え、鉄鋼や海運など中国関連セクター下落の一因になった。

  東証1部33業種は小売、不動産、水産・農林、食料品、建設、その他金融、医薬品、ガラス・土石製品、その他製品、証券・商品先物取引など22業種が上昇、鉄鋼や精密機器、海運、保険、非鉄金属、金属製品など11業種は下落。東証1部の上昇銘柄数は1283、下落は567。

  売買代金上位では、2016年3月期の営業利益速報値が従来計画から25%上振れた小野薬品工業が急伸。ソフトバンクグループやセブン&アイ・ホールディングス、伊藤忠商事、キリンホールディングス、任天堂、ヤフー、IHIも高い。半面、進研ゼミ会員数の大幅減が嫌気されたベネッセホールディングスが急落。三菱自動車やJFEホールディングス、帝人、月次の既存店売上高が減ったユナイテッドアローズも安い。