世界最高額の選手擁しサッカー欧州選手権出場、もたらすのは赤字か

下馬評の低かったナショナルチームが、きらびやかなサッカー欧州選手権に初出場する。さあ資金を稼ぐチャンスだ。いや、恐らくそうはいかない。

  ウェールズは世界最高額でスペインのレアル・マドリードに移籍したガレス・ベイルを擁し、開催が5週間後に迫った今年の欧州選手権に出場を果たした。だが人口300万人、羊の数の方がその3倍多いウェールズにとって、派手な国際サッカーに参加するという現実は厳しいものとなる可能性がある。

  選手にトレーナー、マッサージ師。ホテル代に食費、試合会場を移動するチャーター機。さらに特別なコストもかかる。ウェールズの場合、国際メディアへの対応で代表チームがキャンプを張るフランス北西部との高速インターネット接続費用6万ユーロ(約730万円)超を負担する。

  ウェールズサッカー協会のジョナサン・フォード最高経営責任者(CEO)はインタビューで「文字通りなけなしの資金しか残っていない」と苦しい懐事情を吐露。「フランス北西部と光ファイバーでつながるのは素晴らしいことだが、痛い出費だ」と語った。

  欧州選手権は今回から規模を拡大、大会を運営する欧州サッカー連盟(UEFA)は出場24チームすべてに800万ユーロを支給する。この額はウェールズサッカー協会の昨年度の収入の8割に匹敵する。フォードCEOによると、それでもウェールズ出場による収支が黒字となる公算は小さい。

  欧州選手権ではトーナメントが進むに従って追加的な賞金を獲得するチャンスがあり、優勝チームには800万ユーロが上乗せされる。だが1億ユーロの移籍額を誇るベイルを擁してすらウェールズの優勝オッズは66対1で、可能性がほとんどないとみられていることを物語る。

  他の小国と同様、ウェールズは大半のスポンサーに成果報酬の合意を求めていない。つまり、欧州選手権出場を決めたベイルのゴールは資金獲得につながらなかったということだ。フォードCEOはまた、1958年のワールドカップ以来となるウェールズの国際サッカー大会本戦出場に限定した新たなスポンサーを受け付けていない。従って、大会へのチームの準備資金として同CEOが頼れるのは既存の契約とUEFAの支給金のみだ。

  フォードCEOは「大会出場は素晴らしいことなので、不平は言いたくない」としつつ、「問題はかなり多額の資金が必要になることだ」とこぼした。

原題:World’s Priciest Soccer Player Doesn’t Mean Profit at Euro 2016(抜粋)