債券下落、明日の10年債入札に向けた売り-株高・円安や米金利高重し

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  • 先物は7銭安の151円83銭で終了、長期金利マイナス0.105%に上昇
  • 10年入札:日銀オペ意識で弱い結果でも影響限定か-三菱UFJ信託

債券相場は下落。日本銀行の長期国債買い入れオペを背景とした需給の引き締まり観測で買いが先行した。その後は株高・円安に加えて、10年債入札を明日に控えた売りが優勢となり、相場を押し下げた。

  9日の長期国債先物市場で中心限月の6月物は、前週末比2銭高の151円92銭で取引を開始し、いったん151円96銭を付けた。徐々に水準を切り下げ、午後に入ると下げ幅を拡大。一時は151円78銭まで下げ、結局は7銭安の151円83銭で取引を終えた。

  三菱UFJ信託銀行資金為替部商品課の鈴木秀雄課長は、先週末発表の米雇用統計を受けても米金利が上昇したことや、今週の10年債入札や30年債入札を控えていることで、相場は軟化したと説明した。また、「円高・株安が一服していることも、買い控え要因となっていそうだ」と話した。

  この日の東京株式相場は上昇。日経平均株価は前週末比0.7%高の1万6216円03銭で取引を終えた。ドル・円相場は一時1ドル=107円69銭と、4月29日以来の円安値を付けている。

  日銀がこの日実施した長期国債買い入れオペ(総額1兆1900億円)の結果によると、残存期間1年超3年以下、3年超5年以下、10年超25年以下の応札倍率が前回から低下した。一方、25年超は上昇した。

  現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の342回債利回りは、日本相互証券が公表した前週末午後3時時点の参照値と横ばいのマイナス0.12%で開始。一時1.5ベーシスポイント(bp)高いマイナス0.105%を付ける場面があった。

  新発20年物の156回債利回りは0.5bp低い0.22%と、過去最低を更新して開始した。その後は0.24%まで上昇する場面も見られている。新発30年物の50回債利回りは0.5bp低い0.265%と過去最低に並んでいたが、午後は0.275%を付けている。

国債入札

  財務省は10日午前10時半から、10年利付国債の価格競争入札を実施する。表面利率が0.1%に据え置かれ、342回債のリオープン発行となる見込み。発行額は前回と同額の2兆4000億円程度となる。12日には30年利付国債入札が予定されている。

  バークレイズ証券の押久保直也債券ストラテジストは、10年入札について、「日銀買いオペで金利低下圧力が掛かりやすいゾーンである一方、政策金利残高の付利マイナス0.1%に対してやや行き過ぎた水準だ。利回りレンジのほぼ下限に位置しているような状況で、日銀トレードもやりづらい。入札前にどこまで水準が調整されるかが重要で、このまま入札に突入した場合は入札結果でレートが流れることが懸念される」と言う。

  三菱UFJ信託の鈴木氏は、「10年債入札については、日銀買い入れオペを意識した買いが中心になるとみられ、入札が弱い結果になったとしても影響は限定的」と予想。「超長期債についても、日銀の買い入れで需給が締まる中で、金利の上昇は限定的。相場のボラティリティが下がっている中であれば、キャリーロールダウンが確保できる超長期債は選好されやすく相場を下支えしそうだ」と話した。

  前週末の米債相場は下落。米雇用者数の伸び減速で金融当局が利上げを急いでいないとの見方が裏付けられる格好となり、米10年債利回りは一時1.70%まで低下したが、その後は米株高などから1.78%まで水準を切り上げた。