5月6日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は 次の通り。

◎NY外為:ドルがしっかり、雇用低調も利上げ見通し変わらず

6日のニューヨーク外国為替市場ではドルがしっかり。米雇用統計 は期待外れの内容となったものの、利上げへの道筋が変わることはない との見方が広がった。ドル指数は週間ベースで昨年11月以来の大幅上 昇。

ドルはこの日、主要通貨の大半に対して下げを埋め、上げに転じ た。4月の雇用統計では平均時給の伸びが加速したものの、雇用者の増 加幅は市場予想に届かなかった。金利先物市場では利上げの織り込み具 合が一気に後退したが、数時間後にその動きは一部巻き戻された。

USバンクのプライベートクライアントグループで最高投資責任者 (CIO)を務めるウィリアム・ノーゼイ氏は、「利上げは年内に2回 あるだろう。開始が遅くなるだけかもしれない」と指摘。「これはやや 軟調な統計だったが、本当に重要な要素となるのは基調だ。その基調は 健全だ」とし、「ドルは上昇すると見込まれる」と付け加えた。

ヘッジファンドなど大口投機筋のドルの売り越し幅は拡大。ドルの 建玉バランスは先月に2014年以降で初めて売り越しに転じていた。

ニューヨーク時間午後5時現在、主要10通貨に対するドルの動きを 示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は前日比0.1%上昇と、4日 続伸。ドルは対円では0.1%安の1ドル=107円12銭。対ユーロではほぼ 変わらずの1ユーロ=1.1404ドル。

米労働省が6日発表した4月の非農業部門雇用者数(事業所調査、 季節調整済み)は前月比16万人増。ブルームバーグがまとめたエコノミ スト予想の中央値は20万人増だった。

ステート・ストリート・グローバル・マーケッツの北米マクロ戦略 責任者、リー・フェリッジ氏は「これはかなり弱い統計だ」と指摘。 「ドルはユーロと円に対して圧迫される展開が続く見通しだ。しかし劇 的な動きにはならず、じりじりといった動きになるだろう」と述べた。

原題:Dollar Rises as Traders Look Through Jobs Report to Rate Outlook (抜粋)

◎米国株:上昇、雇用統計を受けて利上げ観測が後退

6日の米国株は4日ぶりに上昇した。4月の米雇用者数が7カ月ぶ りの低い伸びにとどまったことから、金融政策当局は緩やかな利上げを 目指すとの観測が広がった。

S&P500種株価指数は0.3%上昇して2057.14 。 ダウ工業株30種 平均は79.92ドル高の17740.63ドル。S&P500種は週間ベースで2月以 来初めて2週連続で下げた。

米労働省が発表した4月の非農業部門雇用者数(事業所調査、季節 調整済み)は前月比16万人増。ブルームバーグがまとめたエコノミスト 予想の中央値は20万人増だった。前月は20万8000人増(速報値21万5000 人増)に下方修正された。家計調査に基づく4月の失業率は5%と、前 月比横ばい、平均時給の伸びは加速した。

雇用統計の発表前、金利先物市場では6月の連邦公開市場委員会 (FOMC)で利上げが決定される確率は10%として織り込まれてい た。統計発表後はわずか2%に低下。50%を超える確率が織り込まれて いるのは2017年2月以降となっている。

LPLファイナンシャル(ボストン)のチーフ経済ストラテジス ト、ジョン・カナリー氏は「市場の最初の反応は、6月利上げの可能性 は消えたというものだった」と指摘。「勢いはなかったものの、極めて 悪い内容でもなかった。投資家の関心は週末と来週に発表される中国の 統計に向かっている。世界経済の成長見通しが確認されるか否定される かのどちらかだ」と続けた。

S&P500種採用銘柄のうち四半期決算を発表したのは85%を超え た。このうち利益が市場予想を上回ったのは約76%、売上高が予想を上 回ったのは54%だった。アナリストの予想では第1四半期決算は7.4% の減益が見込まれている。

この日は自動車株や素材株が上昇した。モルガン・スタンレーはゼ ネラル・モーターズ(GM)の株式投資判断を引き上げた。ドル下落で 金属価格が押し上げられ、上場産銅会社で世界最大のフリーポート・マ クモランは上昇した。

昨年のモメンタム銘柄はこの日特に値上がりした。アマゾン・ドッ ト・コムやフェイスブック、グーグルの親会社アルファベットはいずれ も上昇。一方、アップルは2014年6月以来の安値に売り込まれた。

ヘルスケア関連株も下落。エンドー・インターナショナルは一 時42%安。競争激化を背景に下方修正した2016年通期利益予想がアナリ スト予想を大幅に下回った。

原題:U.S. Stocks Advance as Jobs Data Reins in Fed Rate Hike Bets(抜粋)

◎米国債:週間で2週続伸の勢い-性急な利上げないとの見方

今週の米国債相場は上昇し、これで2週続伸となった。6日発表さ れた4月の米雇用統計では雇用者の伸びが減速し、金融当局が利上げに 急いでいないとの見方を裏付ける格好となった。週間ベースでは続伸し た。

労働省が発表した4月の雇用統計では非農業部門雇用者数は前月 比16万人増と、ブルームバーグがまとめた市場予想の中央値20万人増を 下回った。平均時給は前年同月比2.5%増と、予想を上回る伸びだっ た。

ソシエテ・ジェネラルの米金利戦略責任者、スバドラ・ラジャパ氏 (ニューヨーク在勤)は「雇用統計全体としてはやや弱めの内容だ」と し、「先行きへの自信を必ずしも強めるものではない」と述べた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間 午後5時現在、10年債利回りは1.78%。週間では5bp下げた。同年債 (表面利率1.625%、2026年2月償還)価格は98 5/8。

金融政策により敏感な2年債の利回りは0.73%と、週間で5bp低 下した。

ブルームバーグがまとめたデータによれば、先物トレーダーらが織 り込む年末までの利上げ確率は53%で、1週間前の58%から低下してい る。6月会合での利上げ確率は8%と、先週の12%から下げた。

「ジャナス・グローバル・アンコンストレインド・ボンド・ファン ド」(運用資産額13億ドル)を運用するビル・グロース氏は「イエレン 米連邦準備制度理事会(FRB)議長は雇用者数よりも賃金に注目して いると思う」とした上で、「大切なのは、米国をはじめ各国金融当局が 政策金利を長期にわたり低水準に据え置くと認識することだ」と続け た。

原題:Treasuries Gain for Second Week as Federal Reserve Seen on Hold(抜粋)

◎NY金:反発、米雇用統計が低調で利上げ見通しが後退

6日のニューヨーク金先物相場は反発。1週間ぶりの大幅高となっ た。米雇用者数が7カ月ぶりの低い伸びにとどまったことを受け、利上 げの根拠が弱まった。

RJOフューチャーズ(シカゴ)のシニアマーケットストラテジス ト、フィル・ストライブル氏は電話インタビューで「6月利上げの可能 性はあると確信している人々にとって、今回の雇用の数字は大打撃とな った」と指摘。「その確率は今や著しく低下した。結果的に金と銀は上 昇しており、前回高値を上抜けるだろう」と述べた。

ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物6月限は前日 比1.7%高の1オンス=1294ドルで終了。週間では0.3%上昇した。

原題:Gold Jumps as Jobs Deal ‘Devastating Blow’ to Fed Rates Outlook(抜粋)

◎NY原油:週ベースで5週ぶり下げ、生産障害と供給超過が綱引き

6日のニューヨーク原油先物市場ではウェスト・テキサス・インタ ーミディエート(WTI)先物が小幅続伸。週間では5週ぶりのマイナ スとなった。カナダ・アルバータ州の山火事で生じたオイルサンドの生 産障害は、日量100万バレル相当を超えた。先週の米原油在庫は1929年 以来の水準に積み上がった一方で、生産は8カ月ぶりの大幅減少。イラ ンやイラクを含む石油輸出国機構(OPEC)の生産は4月に増加した と、ブルームバーグがまとめたデータで示唆されている。

BNPパリバの商品市場戦略責任者、ハリー・チリンギリアン氏 (ロンドン在勤)は電話取材に対し、「カナダでの生産障害とその他の 国での生産増がどれくらいか、市場は天秤にかけている」と指摘。「要 するに、こうした予期せぬ生産障害があっても、OPECの生産増に相 殺されてしまう」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物6月限は前日 比34セント(0.77%)高い1バレル=44.66ドルで終了。週間では2.7% の値下がり。週間で下げたのは4月1日終了週以降で初めて。ロンドン ICEのブレント7月限は36セント(0.8%)上げて45.37ドル。

原題:Oil Pares Weekly Drop as Wildfire Disruptions Battle Oversupply(抜粋)

◎欧州株:下げ幅を縮小、米雇用統計で利上げ観測が後退

6日の欧州株式相場は下落。米雇用者数が予想を下回ったことから 米利上げ観測が後退し、指標のストックス欧州600指数は下げ幅を縮小 する展開となった。

ストックス600指数は前日比0.4%安の331.67で終了。一時は1.3% 下げたものの、米国の4月の雇用者数が7カ月ぶりの低い伸びにとどま ったことが発表されると、同指数は下げ幅を縮小した。市場が現在織り 込む6月の米利上げ確率はゼロに近く、向こう9カ月については50%を 下回った。先週時点では12月利上げの確率は58%とみられていた。

ロバート・W・ベアード(ロンドン)で株式担当副会長を務めるパ トリック・スペンサー氏は、「景気は金利を急上昇させるほど過熱して おらず、大規模な刺激策が必要なほど弱くもないという、ゴルディロッ クスのシナリオにほぼ戻った」と指摘。その上で「相場は2月から上昇 基調が続いてきたので、利益確定の売りが多少出ているのは驚くことで はない。世界景気をめぐる懸念が戻ってきつつある」と語った。

個別銘柄では、上場ヘッジファンド会社の英マン・グループ が8.6%急落。同銘柄の投資判断についてシティグループは、AHL部 門の不振を理由に「買い」から「売り」に引き下げたほか、利益見通し も引き下げた。一方、イタリアの銀行、モンテ・デイ・パスキ・ディ・ シエナは2.4%値上がり。1-3月利益が予想を上回った。

安全資産を求める動きから貴金属銘柄も買われた。ランドゴール ド・リソーシズとフレスニーヨは共に6%強の上げとなった。

原題:Europe Stocks Trim Losses as Weak U.S. Data Lower Rate Rise Odds(抜粋)

◎欧州債:ドイツ国債、週間で1月来の大幅上昇-質への逃避

6日の欧州債市場ではドイツ国債が上昇。先週まで売りを浴びた流 れが今週は一変、10年物利回りは週間ベースで1月以来の大幅低下とな った。

欧州債の指標とされる同国債が週ベースで値上がりしたのは4月上 旬以来。原油安のほか、株式相場の下落で高リスク資産の需要が後退し た。欧州委員会は今週、ユーロ圏の成長率とインフレ率の見通しを下方 修正。これを受けて、欧州中央銀行(ECB)が緩和拡大に動くとの見 方が強まった。この日発表された4月の米雇用者数が7カ月ぶりの低い 伸びにとどまると、ドイツ10年債利回りは2週間ぶり低水準を付けた。

DZバンク(フランクフルト)の主席市場ストラテジスト、ダニエ ル・レンツ氏は「5月上旬以降、ドイツ国債にはかなり大規模に資金が 流れ込んだようだ」とし、「明らかなリスクオフのパターンで、それが 理由で投資家は5月に入って概して慎重なのかもしれない」と語った。

ロンドン時間午後4時25分現在、ドイツ10年債利回りは前日比1ベ ーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の0.15%。4月18日以来 の低水準となる0.14%まで下げる場面もあった。前週末比では12bp低 下と、1月29日終了週以来の大きな下げを記録。同国債(表面利 率0.5%、2026年2月償還)価格はこの日、0.11上げ103.39となった。

原題:German Bonds’ Best Week Since January Puts Pay to Rout Concern(抜粋)

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