トランプ氏の米債務再交渉に関する発言、債券市場は真剣に取り合わず

ドナルド・トランプ氏が19兆ドル(約2037兆円)を超える米国の債務について、条件の再交渉はあり得るとの認識を示した5日、債券市場のトレーダーらはまばたき一つせず平然としていた。

  米大統領選の共和党候補の指名獲得が確実となったトランプ氏は5日、経済専門局CNBCのインタビューで、経済の低迷が長期化した場合は自身のビジネススキルを生かして米国の債務負担を減らせると主張。債権者に債務減免の受け入れを迫る考えを示した。

  シルバークレスト・アセット・マネジメント・グループのチーフストラテジスト、パトリック・ホバネツ氏は「無責任な発言だ」とし、「トランプ氏がそれを実際に行動に移すのが確実となった場合、市場がどう反応するか分からない。明らかに現時点では単なるレトリック、あまり思慮深くないレトリックとして市場は取り合っていない」と述べた。

  5日の米国債市場では10年債利回りは3ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の1.75%となり、トレーダーらがトランプ氏の発言を投資への深刻な脅威とは捉えていないことが示唆された。    

  トランプ陣営は既に発言の火消しに動いている。財務担当のスティーブン・ナチン氏は6日、CNBCで「政府は債務を履行しなければならない」と述べた。

  米国がデフォルト(債務不履行)に陥ったことは一度もない。

原題:Trump’s Comments on U.S. Debt Seen as Non-Starter by Bond Market(抜粋)