ドル・円は107円台前半、米雇用統計控え上値重い-豪ドル急落

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  • 朝方に付けた107円42銭から107円04銭まで下げる場面も
  • 雇用の伸びが予想通りならドルはポジティブに反応へ-Cアグリコル

6日の東京外国為替市場では、ドル・円相場が1ドル=107円台前半で推移。海外時間に発表される米雇用統計に注目が集まる中、豪追加緩和観測を受けた対豪ドルでの円買いや軟調な株価を背景にやや上値の重い展開となった。

  午後3時20分現在のドル・円相場は107円16銭前後。ドルの買い戻しが優勢となった海外市場の流れを引き継ぎ、朝方には107円42銭までドル高・円安に振れる場面が見られた。豪中銀によるインフレ見通し引き下げを受けて豪ドルが急落すると、対豪ドルでの円買いが波及し、107円04銭まで軟化。しかし、さらにドルを売り込む動きは見られず、その後は一進一退の展開となった。

  クレディ・アグリコル銀行の斎藤裕司外国為替部長は、豪ドルが対円で下げた影響や株がマイナス幅を広げたことなどを背景にドル・円は売られたが、その動きが一巡すれば米雇用統計まではレンジ取引になりそうと予想。米雇用統計については、雇用の伸びが20万人前後で予想通りであればドルはポジティブに反応するとみられる一方、「6月の利上げが急に意識されるような強い数字が出れば、株と見合いの取引になるだろう」と語った。

  連休明けの東京株式相場は続落。日経平均株価は0.3%安で取引を終えた。

  ブルームバーグがまとめたエコノミスト調査によると、4月の米雇用統計で非農業部門雇用者数は前月から20万人の増加が見込まれている。3月は21万5000人増だった。失業率は4.9%と3月の5.0%から低下、平均時給は前月比0.3%増(同0.3%増)、前年同月比2.4%増(同2.3%増)が見込まれている。

  米金利先物市場が織り込む6月の米利上げの確率は足元で10%。セントルイス連銀のブラード総裁とサンフランシスコ連銀のウィリアムズ総裁、ダラス連銀のカプラン総裁、アトランタ連銀のロックハート総裁の4人はいずれも4日に、利上げがデータ次第であり、6月14、15両日開催の連邦公開市場委員会(FOMC)で検討されると述べた。

  みずほ銀行のトレーダー、日野景介氏(ニューヨーク在勤)は、「雇用統計で悪いものが出れば、年内利上げはもう少し遅れるという話でもう1回ドル売りに戻るだろうし、これで強烈に強いのが出たりすると、実は6月にいけそうだということでドル買いになるのではないか」と予想。もっとも、需給を考えると、ドル・円の上は「なかなか厳しい」とし、「リスクは上方向だと思うので、いったんは上に大きく上がる局面はあっても、そのドル上昇はそれほど長く持続するものではないという気がしている」と話した。

  欧州訪問中の安倍晋三首相は5日、ロンドン市内での記者会見で、円相場について足元で急激で投機的な動きが見られているとの認識を示した上で、その動向を「注意深くよく見て必要に応じて対応したい」と語った。フランスのオランド大統領、ドイツのメルケル首相と「為替の安定は重要であり、急激な変動は望ましくないということについて一致した」と述べ、26、27両日に開く伊勢志摩サミットでも「必要に応じて為替についても議論されることになるのではないのか」と語った。

  日本銀行が金融政策を据え置いた先月28日以降、為替市場では円高が加速。米国の利上げ観測の後退を背景にドル安圧力も強まる中、日本の連休中の3日には一時2014年10月以来の円高水準となる105円55銭を付けた。

  バンク・オブ・アメリカ・エヌ・エイ外国為替本部の岩崎拓也営業本部長は、「中期的な見通しの部分でドル・円のベアな見方が増えている感じはあるが、短期的に円単体の材料で105円を攻めに行く感じはしなくなっている」と指摘。ただ、105円台からの反発も「いいところまで戻した感」があるとし、「Brexit(英国の欧州連合離脱)リスクなどの先行き不透明感が残る中で、ドル・円を買っていく手掛かりにも乏しい」と話した。

  オーストラリア準備銀行(中央銀行)は6日公表した金融政策四半期報告書で、先進国の物価上昇率低下が広がる状況で、コアインフレ率が年内に目標レンジの下限に達する可能性は低く、その後の2年に恐らく実現がずれ込むとの見通しを示した。これを受けて豪ドルは急落し、対米ドルで2カ月ぶり安値、対円では約3カ月ぶり安値を記録。豪3年債利回りは過去最低水準に落ち込んだ。
    

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