JT株上昇、第1四半期は営業増益-為替逆風も「力強いスタート」

日本たばこ産業(JT)の株価が6日、2週間ぶりの上昇率となった。2日の取引時間終了後、2016年1-3月(第1四半期)の営業利益が、前年同期比41%増の2037億円だったと発表。アナリストからは「国内外ともに力強いスタート」との指摘が出ている。

  株価は一時、前営業日終値比3.2%高となり、4月19日以来の日中上昇率となった。午前10時1分現在、同1%高の4512円で取引されている。

  発表資料によると、売上高は同3.4%増の5341億円、純利益は1454億円だった。海外たばこ事業での不利な為替影響はあったが、国内で一部たばこ銘柄の定価改定に先立つ駆け込み需要や米たばこ会社の買収効果などで増収となり、不動産売却益の計上も増益に寄与した。通期予想は据え置いた。
  
  世界各国で健康志向の高まりや規制の進展など、たばこ事業が厳しさを増す中、4月1日から主力「メビウス」全35銘柄で1箱10円の値上げに踏み切ったが、3月までに駆け込み需要が発生した。米レイノルズ・アメリカンが持つたばこブランド「ナチュラル・アメリカン・スピリット」の米国外事業を収益源の分散化を狙い6000億円で買収したのが1月に完了、販売数量増に貢献した。

為替の逆風下

  SMBC日興証券の沖平吉康アナリストは2日付リポートで「国内外ともに力強いスタート」と記した。海外たばこ事業について、正味の販売数量増により調整後営業利益が米ドルベースで21%増益となったことを評価。円建ての名目営業利益が7%減益となったが、「むしろ海外諸国での力強い値上げの効果で、為替の逆風下でもこの程度の減益で済んだとみるべき」と指摘した。

  JTの海外事業最大のシェアを占めるのはロシアで、通貨ルーブルの対ドルでの上昇は収益増につながるが、円高ドル安は海外事業利益を押し下げる。1-3月は対ドルで円とルーブルともに強含んだが、JTの発表資料によると「不利な為替影響」があったとしている。

  クレディ・スイス証券の森将司アナリストは「一時的なプラス効果を除いても、会社計画上振れのスタートを切った」と2日付リポートで述べた。「現時点では、不安定な為替動向が唯一の懸念材料」と指摘している。