【日本株週間展望】下値固め、円高を懸念-決算不安後退、財政期待も

5月2週(9ー13日)の日本株は下値固めの展開となりそうだ。為替の円高進行に対する懸念が強く、積極的に上値を買う動きは広がりにくい。一方、発表が進む国内企業決算については当初想定された範囲内の悪さとなっており、投資家の間での過度な不安心理は薄れつつある。今月下旬の主要国首脳会議(サミット)を前に、政府の財政出動策への期待も下支え要因になる。

  4月28日に日本銀行が追加金融緩和策の発動を見送って以降、ドル・円相場はドル安・円高方向に振れやすくなっており、3日の海外市場で一時1ドル=105円50銭台と2014年10月以来の円高水準を付けた。その後やや円安方向に戻したが、米国経済統計の内容次第では再度円高圧力が強まるとの見方は根強く、投資家の慎重姿勢につながっている。4月下旬に米国の機関投資家を訪問した大和証券の三宅一弘チーフストラテジストも、米投資家の姿勢は「アベノミクス(円安)と日本株高期待が強かった13ー15年夏場までに比べるとトーンダウン」したと感じた。

  一方、国内企業決算の発表は本格化しており、10日にソフトバンクグループ、11日にトヨタ自動車、13日に三井住友フィナンシャルグループなど時価総額上位企業が続々と登場予定。三菱UFJモルガン・スタンレー証券のまとめでは、東証1部上場企業の17年3月期経常利益は6.5%減益予想と5年ぶりの経常減益が見込まれる厳しい状況だが、当初危惧された2桁減益にまでは至っていない。日経平均は6日までの6日続落中に1400円以上急落、一時16倍近くまで上がった予想PERも14倍台まで低下し、下値では買いが入る可能性はある。

  5月1週の日経平均株価は2、6日の2営業日で3.4%安の1万6106円72銭と続落。為替の円高や米雇用関連統計の低調が嫌気され、一時は約3週間ぶりに1万6000円を割り込んだ。第2週の日本株に影響を与えそうな材料は、国内で11日に3月の景気動向指数、12日に4月の景気ウオッチャー調査、海外では米国で13日に4月の小売売上高が公表予定。米小売売上高は、市場予想で前月比0.9%増が見込まれている。3月は0.3%減だった。

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≪市場関係者の見方≫
●第一生命保険の岩渕康哉株式部長
  基本的には下がりにくい。日経平均の1万6000円割れは買いたい投資家がいるとみている。為替が1ドル=105円になったとしても、1万5500円くらいで止まるだろう。日本銀行は4月会合で追加緩和を見送ったが、6月に出てきてもおかしくはない。伊勢志摩サミットを控え、財政政策や消費税増税延期の話が月内に出てくる可能性もある。積極的に買い上がる材料がない一方、売りポジションを積み上げるにはリスクがある。

●アムンディ・ジャパンの浜崎優市場経済調査部長
  日本銀行が追加緩和を見送ったことによる失望売りはほぼ終わったとみており、相場の下げ余地は限られそうだ。日経平均1万6000円割れは4月半ばに緩和期待が高まる以前の水準で、期待で膨らんだ買い持ち高が既に解消された公算は大きい。引き続き企業決算に注目、最近の円高で今期減益見通しはかなり織り込んだ印象で、決算が悪くとも追加的な売り材料にはならない。

●大和住銀投信投資顧問・経済調査部の門司総一郎部長
  4月半ば以降の株価は下げ過ぎ、との見方から買い戻しが入る。16年度は1桁台前半の経常増益を想定している。シャープや大手商社などが15年度に一過性の損失を計上した反動が出るほか、決算発表が進むに連れ、今期大幅減益との見方は改まる。また、18日の1-3月期の国内総生産(GDP)速報値発表を控え、消費税増税の先送りが意識される可能性がある。
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