【債券週間展望】長期金利は上昇か、低金利で10年と30年入札に警戒感

  • 利回り低下が続く30年債は高値警戒感が強い-岡三証の鈴木氏
  • 最低近辺の金利水準で迎える場合、一時的に振れ-SBI証の道家氏

来週の債券市場で長期金利は上昇すると予想されている。利回り水準が過去最低付近で推移する中、週内実施の10年債と30年債の入札に対する警戒感が出ていることが背景にある。

  長期金利の指標となる新発10年物国債利回りは、マイナス0.12%と約1週間ぶり水準まで低下し、過去最低のマイナス0.135%に接近した。新発30年債利回りはこの日に0.27%まで下げ、過去最低にあと0.5ベーシスポイント(bp)まで迫った。

  岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジストは、来週の債券相場について、「30年入札結果を確認するまで上値が重い。利回り低下が続く30年債は高値警戒感が強いとみられ、入札前後は相場がやや荒れそうだ」と予想する。

10年債と30年債入札

  財務省は10日午前、10年利付国債の価格競争入札を実施する。前回の342回債のリオープン発行となり、表面利率は年0.1%に据え置かれる見込み。発行額は前回と同額の2兆4000億円程度。一方、12日には30年利付国債の入札が予定されている。50回債のリオープン発行となり、表面利率は0.8%に据え置かれる見込み。発行額は前回と同額の8000億円程度となる。

  SBI証券の道家映二チーフ債券ストラテジストは、10年債と30年債の入札について、「利回りが過去最低水準近辺で迎える場合、一時的には振れがあるかもしれない。日銀がマイナス金利を深掘りできるか懐疑的。キャリーが取れないので、日銀により低い金利で売れることが前提になる」と語った。

市場関係者の見方

*T
◎DIAMアセットマネジメントの山崎信人上席ファンドマネジャー
*10年債入札では付利マイナス0.1%を下回る水準は、実際に付利下げがないと正当化されづらい。どの水準で買って日銀トレードをするかの問題
*30年債入札は現行水準では最終投資家の買いが見込みづらい中、ニーズを探る動きが強まるとみられ調整圧力が高まりそう
*長期金利の予想レンジはマイナス0.14%~マイナス0.07%

◎岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジスト
*需給要因や国内景気の不透明感など相場を支える材料はそろっているが、投資家は上値追いに慎重になろう
*米国の6月利上げは見送りの方が多数派だが、為替は投機的な円買いが積み上がり、ここから大幅な円高は考えづらい
*長期金利の予想レンジはマイナス0.15%~マイナス0.05%

◎三井住友アセットマネジメントの深代潤債券運用グループヘッド
*財政拡大や金融緩和への思惑が高まり多少振れるかもしれない。もっとも金利要因としては米国の指標や利上げ観測の方が大きい
*10年債、30年債の入札は現行水準ではあまり投資家の需要がなさそう。証券会社が日銀トレードに応じる程度の需要か
*長期金利の予想レンジはマイナス0.14%~マイナス0.09%
*T

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