日本から米国への保険会社M&Aの波、ピークはこれから-NY討論会

  • 少子高齢化や為替、低金利を背景に日本勢は海外に活路求める
  • 昨年は日本勢4社による買収が計180億ドルを超えた

日本の保険会社による米国での買収は昨年、総額で180億ドル(約1兆9300億円)を超えた。この流れはまだまだ終わらないとの見方が、ニューヨークで3日開催された合併・買収(M&A)関連会議で示された。

  会議に集まった投資銀行バンカーらはパネル討論会で、日本には規模が大きく健全な保険会社が多数あるものの、少子高齢化や為替動向、リターンを圧迫する低金利で国内事業の先行きは暗いと指摘。これが日本の保険会社のM&Aの波を米国に向かわせており、そのピークが来るのはこれからとの認識を示した。会議は法律事務所メイヤー・ブラウンが主催した。

  モルガン・スタンレーの保険投資銀行グループでマネジングディレクターを務めるメイア・ルイス氏は、米国が「買収対象を探す最大の場所だ」と発言。日本の保険会社を取り巻く「環境は変わらないので、この傾向は続くと思う」と付け加えた。

  パネリストらはまた、ともすれば緩慢であろう2016年の米保険業界でのM&Aが日本側の買い意欲によって活性化されるとも指摘。米国では課税逃れのインバージョン(租税地変換)を抑えようとする新規制が再保険会社を含む各社に足かせとなっているほか、米生命保険会社はシステム上重要なノンバンクへの監視強化を受けて国内勢同士のM&Aに及び腰になってきている。

  ブルームバーグがまとめたデータによると、昨年は東京海上ホールディングスと明治安田生命保険、住友生命保険、第一生命保険の日本勢4社による米国での買収が計184億ドルに達した。

  シティグループのマネジングディレクター、ガウタム・チャウラ氏は他の日本の保険会社も追随する公算が大きく、米国進出済みのところも追加買収を考えるだろうと発言。具体的には第一生命保険が昨年、米プロテクティブ生命の買収完了から1年もたたない時期に、同社を通じて米ジェンワース・フィナンシャルが保有する定期保険契約群の取得で合意した例を挙げ、「これは第2弾以降があり得るプロセスの第1弾にすぎない」と語った。

  ブルームバーグ・インテリジェンスのアナリスト、スティーブン・ラム氏によると、日本生命保険や損保ジャパン日本興亜ホールディングスなどが利益向上を目的に米国で対象を探している可能性がある。

原題:Japan-to-U.S. Insurance M&A Wave Not Over Yet, Bankers Say(抜粋)