債券上昇、需給逼迫観測で20年債利回り過去最低-フラット化圧力継続

更新日時
  • 先物は10銭高の151円90銭で終了、新発20年債利回り0.225%に低下
  • 流動性供給入札結果:応札倍率5.12倍、初の1年超5年以下対象

債券相場は上昇。米国債相場が続伸したことに加えて、日本銀行の国債買い入れによる需給逼迫(ひっぱく)観測を背景に買いが優勢となった。利回り曲線にはフラット(平たん)化圧力が継続し、新発20年債利回りは過去最低水準を更新した。

  6日の長期国債先物市場で中心限月6月物は、前営業日の2日終値比4銭高の151円84銭で開始。一時は151円94銭と4月25日以来の高値を付け、結局10銭高の151円90銭で引けた。

  現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の342回債利回りは、日本相互証券が公表した2日午後3時時点の参照値と横ばいのマイナス0.115%で開始し、その後は0.5ベーシスポイント(bp)低いマイナス0.12%で推移した。新発2年物の364回債利回りは横ばいのマイナス0.245%。新発20年物の156回債利回りは1.5bp低い0.225%と、2日に続いて過去最低を更新した。新発30年物の50回債利回りは1bp低い0.275%で始まり、0.27%に下げている。

  三井住友アセットマネジメントの深代潤債券運用グループヘッドは、「ゴールデンウイーク中に、海外市場で金利が低下した影響が大きい。日銀の緩和見送りのショックは一巡したものの、世界的に経済指標がぱっとしない中で、追加緩和期待もくすぶっている。国債の需給が引き締まるとの見方も強い」と話した。

  この日の現物債市場では、2年債利回りが横ばい、10年債が0.5bp低下、20年と30年債が1.5bp低下と、残存期間の長いゾーンの低下が大きくなり、利回り曲線はフラット化した。

  SBI証券の道家映二チーフ債券ストラテジストは、「日銀が発行額の相当部分を買っているので、入札やオペで需給の振れはあるものの、投資家は国債需給は引き締まっていくとの見方。金利は低位安定が続くと思う」と指摘。「円高・株安の傾向になっている。日銀の2%物価目標の達成時期が後ずれしており、追加緩和期待も根強い」と話した。

流動性供給入札

  財務省が午後発表した流動性供給入札(発行額2000億円)の結果によると、募入最大利回り較差がマイナス0.013%、募入平均利回り較差がマイナス0.018%となった。今回は残存期間1年超5年以下の国債が対象だった。5年以下の短いゾーンが対象となったのは今回が初めて。投資家需要の強弱を示す応札倍率は5.12倍だった。

  三井住友アセットの深代氏は、流動性供給入札について、「結果はしっかりだった」と指摘。ただ、結果を受けて、「金利低下がどんどん進んでいく感じではない」との見方も示した。

  5日の米債相場は3日続伸。米10年債利回りは前日比3bp低下の1.75%程度で引けた。6日には4月の米雇用統計が発表される。ブルームバーグの調査によると、非農業部門雇用者数は市場予想中央値で前月比20万人の雇用増が見込まれている。前月は21万5000人の増加だった。

  DIAMアセットマネジメントの山崎信人上席ファンドマネジャーは、来週の債券相場について、「焦点は入札」と指摘。「米雇用統計に関しては、よほど強弱に振れない限りは大勢に影響はない。5月に関しては、海外要因よりも伊勢志摩サミットを控えて、消費増税の行方や財政出動など日本の財政要因が注目されやすい。そういう中で迎える10日の10年債入札や12日の30年債入札で、投資家のニーズがどの程度あるかを確認する週となりそうだ」と述べた。  

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