5月4日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は 次の通り。

◎NY外為:ドル続伸、米雇用統計に注目移る-107円付近

4日のニューヨーク外国為替市場ではドルが続伸。市場は6月の利 上げを決定づける可能性がある雇用統計に備えていると、シティグルー プのG10通貨戦略担当グローバル責任者、スティーブン・イングランダ ー氏はリポートで指摘した。4月のADP民間雇用者数は市場予想を下 回る伸びにとどまり、利上げ見通しを不透明にした。

米連邦公開市場委員会(FOMC)は6月会合を前に、経済は利上 げに耐え得るとの兆しを確認しようと経済指標を精査している。 FOMC当局者らは6月利上げについて「現実的な選択肢」だとの見解 を繰り返し表明しており、市場の注目は月間の雇用統計へと移ってい る。6日発表の同統計は3カ月連続で20万人以上の雇用増が予想されて いる。

シティグループのイングランダー氏(ニューヨーク在勤)は電話取 材で雇用統計について、「6月会合が予断を許さないものになるかもし れないと金融当局が真剣に考えているのかという点で、審判の日のよう なものになる」と指摘。「だからドルは非常に敏感になっている」と述 べた。

ニューヨーク時間午後5時現在、主要10通貨に対するドルの動きを 示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は前日比0.5%上昇。前日に はほぼ1年ぶり低水準をつけた。ドルは対円で前日比0.4%高の1ドル =107円01銭。対ユーロではほぼ変わらずの1ユーロ=1.1487ドル。

給与明細書作成代行会社のADPリサーチ・インスティテュートが 4日発表した給与名簿に基づく集計調査によると、4月の米民間部門の 雇用者数は15万6000人増加。エコノミスト調査によると、4月の米雇用 統計では雇用者数が約20万人増と予想されている。3月は21万5000人増 だった。増加幅が13万人を下回ると、利上げの可能性はなくなる公算が 大きいとイングランダーは指摘。

「悪い数字の場合、ドルは下落するだろう」と同氏は予想し、「ド ル高の巻き戻しは完了から程遠い状態だ」と述べた。

金利先物が織り込む6月利上げの確率は10%、12月利上げの確率 は51%となっている。この算出は次回の利上げ後に実効フェデラルファ ンド(FF)金利が平均0.625%になるとの仮定に基づく。

原題:World’s Largest Currency Trader Says Dollar Vulnerable to Jobs (抜粋)

◎米国株:続落、強弱混在の統計-世界成長に根強い不安

4日の米国株は続落。強弱が混在する経済統計のほか、世界経済成 長の減速が米国の景気を押し下げるとの根強い不安感がある。

銀行株は特に下げた。エネルギー株や素材株も安い。プライスライ ン・グループは7.5%安。同社の利益見通しが市場予想を下回った。同 社幹部は世界的に不安定な景気を指摘した。

S&P500種株価指数は0.6%下落して2051.12。4月11日以来の低 水準となった。 ダウ工業株30種平均は99.65ドル(0.6%)安 の17651.26ドル。ナスダック総合指数は0.8%下げた。

フィラデルフィア・トラストのリチャード・シーシェル最高投資責 任者(CIO)は「いくつか経済統計が発表されたが、ADP民間雇用 統計は特に予想以上の落ち込みで株式相場にはネガティブな材料だっ た」と述べ、「今のところ世界的な経済データは前向きに受け止められ ていない。株価はレンジ内の上値を試そうとしているのが見られ始め た。相場を押し上げるさらなる強材料がない中で投資家は値固めをして おり、相場は下げている」と続けた。

4月の米民間雇用者数は市場予想を下回る伸びにとどまった。一 方、米供給管理協会(ISM)が発表した4月の非製造業総合景況指数 は前月から上昇し、4カ月ぶりの高水準となった。

アッシュバートン・インベストメンツのベロニカ・ペクラナー氏は 「年初に抱いていた懸念を再び抱いている」と述べ、「値固めや軟調さ が確実に表れ始めている。企業決算発表はまだ続いているが、強弱が混 在している」と続けた。

連邦公開市場委員会(FOMC)は先月の会合で政策金利を据え置 いた。金利先物市場の動向によれば、6月のFOMC会合での利上げ確 率はわずか10%。50%を超える確率が織り込まれているのは12月以降と なっている。

S&P500種採用企業で四半期決算を発表した企業のうち、利益が アナリスト予想を上回ったのは約76%、売上高が予想を上回ったの は57%となっている。アナリストの予想によれば第1四半期決算 は8.2%減益が見込まれている。年初時点の見通しでは横ばいだった。

シカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティ指数 (VIX)は2.9%上昇し16.05。

プライスラインの業績見通しが嫌気され航空株が売られた。アメリ カン航空グループやデルタ航空はいずれも下落。ブルームバーグがまと めた米航空株指数は2月11日以来の低水準に落ち込んだ。

アンダーアーマーは7.5%安と、2011年以来の大幅安。幹部2人の 退社発表を受けて、同社が主要成長分野で人材を失っているとの懸念が 広がった。

ハーブティーなどを製造するハイン・セレスチャル・グループは上 昇。同社の四半期売上高がアナリスト予想を上回ったほか、事業見直し 計画を発表したことが好感された。

原題:U.S. Stocks Decline Amid Mixed Data While Growth Concerns Linger(抜粋)

◎米国債:グロース氏は「QE4」視野、市場で緩和観測が再燃

米金融当局が追加の量的緩和を検討するかどうかに、再び債券市場 の注目が集まっている。世界的な景気低迷や、まだら模様の国内成長 が、当局の利上げへの取り組みを妨げている。

債券ファンドを運用するビル・グロース氏は4日、債券購入による 量的緩和の第4弾(QE4)が「向こう1年ほどで」始まる可能性があ ると述べた。またシティグループは、QE4実施のリスク上昇が債券市 場に織り込まれつつあるようだと指摘。トレーダーらは次回利上げの時 期の予想を後退させている。

「ジャナス・グローバル・アンコンストレインド・ボンド・ファン ド」(運用資産額13億ドル)を運用するグロース氏は5月の月間投資見 通しで、「米金融当局による新生量的緩和に備えるべきだ」とし、「金 利はより長期にわたり低水準にとどまり、資産価格は人為的に高い状態 が続く」と加えた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーのデータによれば、ニューヨ ーク時間午後5時現在、10年債利回りは前日比2ベーシスポイント(b p、1bp=0.01%)低下の1.78%。同年債(表面利率1.625%、2026 年2月償還)価格は6/32上げて98 21/32。利回りは年初時点では2.29% だった。

先物トレーダーらが織り込む6月までの利上げ確率は10%と、年初 時点での75%から低下。年末までの確率も51%に下げた(年初時点で は93%)。利上げが完全に織り込まれるのは来年になってからだ。

シティのG10外為戦略のグローバル責任者、スティーブン・イング ランダー氏は「経済データが非常に弱く、年に1度の利上げしか正当化 されないと市場が捉えるのであれば、結果の確率分布には理論上はマイ ナス金利、現実面ではQE4が含まれるとも考えるだろう」とし、 「(現在織り込まれているように)1ポイントの利上げは2017年5月ま で起こりそうもないと本当に考えるのであれば、経済は極めて悪い状態 で利下げが望まれるという無視できない可能性を考える必要がある」と 述べた。

朝方発表された4月の米民間雇用者数の統計では、雇用者数の伸び が市場予想を下回った。ブルームバーグのエコノミスト調査によれば、 米労働省が6日発表する4月の雇用統計では、20万人の雇用増が見込ま れている。

また米供給管理協会(ISM)が4日発表した4月の非製造業総合 景況指数は前月から上昇し、4カ月ぶりの高水準となった。

ブルームバーグが実施した別の調査では、米国債利回りは年末まで に2.25%に上昇すると見込まれており、1月初め時点での年末予想 (約2.8%)を下回っている。

イングランダー氏は4日の電話取材で、「利回りは低下しつつあ る。米経済が軌道から外れると市場がみているためだ」と指摘した。し かし、同氏はQE4実施の「可能性は低い」とし、年内に2回の利上げ があるとの予想を示した。

原題:Gross Sees QE4 Ahead as Citi Says Investors Revive Easing Views(抜粋)

◎NY金:下落、オープン・インタレストが増加

4日のニューヨーク金相場は下落。ニューヨーク商品取引所 (COMEX)の先物の未決済建玉 (オープン・インタレスト)は前 日に3.1%増の56万5774枚と、2011年1月以来の高水準となった。金連 動型上場投資信託(ETF)を通じた保有量は6営業日連続で増えて13 年12月以来の高い水準。

RJOフューチャーズ(シカゴ)のシニア・マーケット・ストラテ ジスト、ボブ・ヘイバーコーン氏は電話インタビューで、「金はかなり 高い関心を集めており、金投資を開始しようとの動きが多く見られる」 と指摘。「新たな買いが入っている。全般に、金に関するセンチメント は極めて強気だ」と述べた。

ブルームバーグのデータによると、ニューヨーク時間午後1時57分 現在、金スポット相場は前日比1%安の1オンス=1273.74ドル。日中 はもみ合いだった。COMEXの金先物6月限は1.3%下落。

原題:Gold Investors Bet on Resilient Rally as Open Interest Surges(抜粋)

◎NY原油:小反発、米在庫増で売られるも終盤に持ち直す

4日のニューヨーク原油先物市場ではウェスト・テキサス・インタ ーミディエート(WTI)先物が小反発。一時は1バレル=43.22ドル まで下げていたが、終了直前に上昇した。先週の米原油在庫が急増した 一方で、カナダの石油会社は森林火災のためにさらなる生産削減を余儀 なくされる見通しとなっている。

RJOフューチャーズ(シカゴ)のシニアマーケットストラテジス ト、フィル・ストライブル氏は電話インタビューで米在庫の増加につい て、「予想を大きく上回った。需要は拡大していないようだが、これが 少しでも上向いたとしても、また石油リグ(掘削装置)の稼働数がいく ら減少しても、在庫の積み上がりは続くようだ。相場にはさらに圧力が かかるだろう」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物6月限は前日 比13セント(0.30%)高い1バレル=43.78ドルで終了。ロンドン ICEの北海ブレント7月限は35セント下げて44.62ドル。

原題:Oil Posts Late-Session Gain Despite U.S. Crude Stockpile Build(抜粋)

◎欧州株:4日続落、ABインベブやBHPビリトンに失望売り

4日の欧州株式相場は下落。指標のストックス欧州600指数は1カ 月余りで最長となる4営業日続落となった。ここ最近の企業決算が投資 家センチメントの改善につながらなかった状況が示された。

べルギーのビールメーカー、アンハイザー・ブッシュ(AB)イン ベブは1.6%安。売上高と利益がアナリスト予想に届かなかったことが 嫌気された。英豪系BHPビリトンが5.8%下げるなど、鉱業株も総じ て売られた。商品安に加え、ブラジル検察当局が同社やヴァーレを相手 取り1550億レアル(4兆7100億円)の損害賠償を求める民事訴訟を起こ したためだ。英蘭系石油会社ロイヤル・ダッチ・シェルは2%強の下 げ。1-3月利益が予想を下回った。一方、仏銀ソシエテ・ジェネラル は1.7%上昇。決算が予想に反して増益だった。

ストックス600指数は前日比1.1%安の331.80で終了。4月20日に3 カ月ぶり高値を付けた後、同指数は勢いを失った。経済データが精彩を 欠く中、投資家らは企業決算への関心を強めている。

BGCパートナーズ(ロンドン)の市場ストラテジスト、マイク・ イングラム氏は「このところの欧州決算はどちらかと言えば予想より良 かったにもかかわらず、相場は脆弱(ぜいじゃく)なもようだ」とし、 「市場は過去ではなく、将来への投資の場だが、世界経済の見通しは依 然として明快には程遠い。一段の下落はないと確信する度合いは低く、 2月の安値からの反発を鑑みれば、いったん幾らか資金を引き揚げてお いた方が賢明だ」と語った。

個別銘柄では、ロンドン証券取引所グループ(LSE)が4.2%下 げた。米インターコンチネンタル取引所(ICE)はLSEに買収提案 する計画は現在ないと発表した。 これを受けて、LSEとの合併が確 実になったドイツ取引所は5.8%急伸。

原題:European Stocks Decline Fourth Day as Earnings Fail to Encourage(抜粋)

◎欧州債:イタリア債、独債とのスプレッド拡大-国内銀めぐり懸念

4日の欧州債市場ではイタリア国債が下落。10年物国債のドイツ国 債に対する利回り上乗せ幅(スプレッド)は約1カ月ぶりの大きさに広 がった。イタリアの銀行が同国経済の重しになるとの懸念を受けた株価 下落で、高利回り資産の需要が後退した。

欧州中央銀行(ECB)監督理事会メンバーであるイグナツィオ・ アンジェローニ氏は3日にイタリア上院で、高い水準にある同国の不良 債権が銀行業界だけでなく、経済も圧迫していると語った。スペイン10 年債は約1週間ぶりに値下がりした。

RIAキャピタル・マーケッツの債券ストラテジスト、ニック・ス タメンコビッチ氏(エディンバラ在勤)は「リスク資産への意欲は世界 的に脆弱(ぜいじゃく)なままで、欧州の周辺国債のこの日の値下がり はその状況を映すものだ」とし、「イタリア銀行業界への懸念が同国債 に重しとなっている」と語った。

ロンドン時間午後4時8分現在、イタリア10年債利回りは前日比4 ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の1.49%。4月は27b p上昇し、昨年6月以来の大きな上げとなっていた。同国債(表面利率 2%、2025年12月償還)価格はこの日、0.315下げ104.58。

ドイツ10年債利回りはほぼ変わらずの0.21%。イタリア国債とのス プレッドは3bp拡大し128bp。一時は131bpと、先月7日以来の大 きさに広がった。

スペイン10年債利回りは3bp上昇し1.59%。

原題:Italian Bonds Decline With Stocks as Banking Concerns Build(抜粋)