グロース氏:当局は「死」でなく「飛」を選ぶ、次はヘリコプターマネー

中央銀行による資産購入策をねずみ講だと批判するビル・グロース氏によれば、景気刺激策の次の一手は民間部門の借り入れや新たな税金などを使わずに国民に金を配るいわゆるヘリコプターマネーとなる可能性がある。

  米ジャナス・キャピタル・グループで債券ファンドの運用を行う資産家ビル・グロース氏は5月の投資見通しで、「ヘリコプターからのマネー投下はぶざまな結末を迎えるが、その代替策は緊縮というリハビリがすぐに訪れることになり、長期にわたるリセッション(景気後退)に突入する。私は政治家や中銀当局者が死ではなく、飛ぶことを選ぶのではないかとみている」と述べた。

  政府の景気刺激策の財源を中央銀行の紙幣増刷で賄うヘリコプターマネーは、ノーベル経済学賞受賞者のミルトン・フリードマン氏が提唱し、バーナンキ前連邦準備制度理事会(FRB)議長も推奨していた。

  グロース氏は米連邦準備制度をはじめ欧州中央銀行(ECB)やイングランド銀行、日本銀行など各国の中銀は量的緩和といったプログラムを通じて過去6年間にわたり景気を刺激するためにバランスシートを拡大させており、ヘリコプターマネーの一種ともいえるこうした金融政策をすでに「ひそかに」展開してきたと述べた。

  グロース氏はさらにヘリコプターマネーを実施すれば財政政策において中央銀行が多大な役割を担うことになり、中央銀行の政治的な独立を奪うことになるだろうと述べた。  

原題:Gross Sees Helicopter Cash for Economies After Bashing Bankers(抜粋)